連載 ネウボラから学ぶ日本の母子保健再構築・1【新連載】
日本でつくるネウボラに必須のシステム—ポピュレーションアプローチで防ぐ児童虐待
横山 美江
1
1大阪市立大学大学院看護学研究科
pp.316-321
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201403
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連載のはじめに
わが国では,母子保健法の改正により,2017(平成29)年4月から子育て世代包括支援センターを市町村に設置することが努力義務とされた。同センターは,妊娠・出産包括支援事業と子ども・子育て支援新制度の利用者支援や子育て支援などを包括的に運営する機能を担うものであり,妊娠・出産・子育てに関するマネジメントを行うことが期待されている。しかし,その具体的な運用については,各市町村の創意工夫が求められており,これまでの保健活動との違いや今後の取り組みに対して,戸惑いの声も少なからず聞かれている。
一方,多くの自治体のこれまでの母子保健領域では,リスクのある家庭への支援,すなわちハイリスクアプローチに重点を置いて保健師活動が行われてきた。ハイリスク家庭に対して,寄り添い,きめ細かく支援をする保健師の姿勢は,関係機関・職種からも高い評価を得ている。
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