助産雑誌 69巻8号 (2015年8月)

特集 妊娠高血圧症候群2015―知識と支援をアップデートしよう!

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産科領域における代表的疾患の1つであり,全妊婦の2〜7%が発症する妊娠高血圧症候群。

近年,高齢出産の増加により,妊娠高血圧症候群への対応が重要になってきています。

本特集では,妊娠高血圧症候群の基礎知識を振り返るとともに,最新のエビデンスや情報を紹介します。

また,助産師による臨床での実践として,早期発見や予防教育のほか,軽症・重症によって異なる,発症後のかかわりについてもお伝えします。

妊産褥婦と児の安全を確保するために必要な知識と支援の実際について,再確認していただけたらと思います。

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妊婦の2〜7%が発症する妊娠高血圧症候群。

そもそも妊娠高血圧症候群とはどのような病気なのか,定義や原因,病型,治療などについて解説していただきました。

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2015年4月に日本妊娠高血圧学会が編集した『妊娠高血圧症候群の診療指針2015』が発刊されました。

『妊娠高血圧症候群(PIH)管理ガイドライン2009』からの改訂ポイントや,最新情報を解説していただきました。

【助産師による実践】

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妊婦健診・保健指導における妊娠高血圧症候群の早期発見・予防教育について説明していただきました。

妊婦1人ひとりに合わせた体重増加や,食事の指導が重要です。

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軽症妊娠高血圧症候群の場合,薬物療法となることはあまりない代わりに,生活指導と栄養指導が重要になってきます。

妊婦に自覚をうながし,妊娠高血圧症候群における日常生活の送り方や食事の取り方のコツを伝えます。

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重症妊娠高血圧症候群の妊婦には,状態の観察やアセスメントなど身体面の看護も重要ですが,精神面の看護も欠かすことができません。

実践の様子を紹介していただきました。

連載 いのちをつなぐひとたち・44

遠藤幹子さん 畑中 郁名子
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妊産婦死亡率が日本の約40倍であるアフリカ南部の国・ザンビア。

妊婦が安心して出産に臨めるようにと「マタニティハウス」がつくられた。

建物をデザインしたのは遠藤幹子さん。

「デザインの力で命を救えるか」に挑戦したのだという。その意味とは?

連載 いのちのささやき・56

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千聖と書いて ちさと 家族みんなで 名付けた

生まれるとき お兄ちゃんは

あたまが見えたと 知らせ

お姉ちゃんは お母さんの痛みに 泣いた

連載 やっぱり知りたい少子化のはなし・8

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 日本の子育ては,教育費,それも特に高等教育の経済的負担が非常に重い。そして日本中で,ほとんどの親は,そのたいへんな負担に耐えられるくらいの人数に子どもの数を抑えるということをやっている。これは,しかたがないことなのだろうか?

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 2015年4月11日夜,文化人類学者で多数の出産に関する本の著者であるシーラ・キッツィンガーが,英国オックスフォードの自宅で亡くなりました。86歳でした(672ページのTOPICSもご参照ください)。

 昨年がんと診断されてからも,精力的に執筆を続け,亡くなる直前に自伝である『A Passion for Birth』を完成させました。この本は2015年5月7日に英国で発売されています。

連載 スクリーンのなかの助産師 出産シーンあれこれ・8

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 2015年4月13日,ドイツのノーベル賞作家ギュンター・グラスが87歳で亡くなった。彼の代表作こそが映画化もされた「ブリキの太鼓」(1979年,西ドイツ・ポーランド,ほか)である。

 映画はポーランドを舞台に,1927年から1945年の終戦まで続いた暗い時代を少年オスカルの目を通して描き,アカデミー外国語映画賞を受賞。カンヌ国際映画祭でもフランシス・フォード・コッポラ監督の「地獄の黙示録」と共に最高の栄誉であるパルムドールに輝いたフォルカー・シュレンドルフ監督の名作だが,ここに出てくる出産シーンも興味深い。本作では主人公オスカル誕生の瞬間が,胎児の目線で描かれているのだ。

連載 未来の助産師を育てています わたしたちの教育現場・8

西南女学院大学助産別科
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母子に寄り添い,地域に貢献する助産師の育成

 西南女学院大学助産別科(以下,本科)は,2008年に開設されました。西南女学院大学(以下,本学)ではいちばん新しい唯一の1年課程の学科です。定員も16名と少人数ではありますが,学生・教員が同じ船に乗って1年という航海を無事に終えることを目標に日々励んでいます(写真1)。これまでに約120名の助産師を輩出しており,それぞれの職場で活動しています。

 本学の建学の精神である「感恩奉仕」を教育の基盤とし,質の高いケアができる専門的知識と実践力を備え,母子に寄り添い地域に貢献する助産師の育成に努めています。

連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・132

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 分娩室の前で義母はこれからの支払いとジョアンの稼ぎが少ないことを愚痴っていた。それを聞きながらひたすら待つ時間,クリニックで聞いたジョアンの人生を思い出していた。

 ジョアンは13歳で親から離れて,売春というつらい仕事をこなしてきた。10代の時は避妊や支払いなどの交渉がうまくできず,22歳までに4回も妊娠,出産。4回目の出産で胎盤が剝離しないという危険な経験をして,やっと客と避妊交渉ができるようになった。それぐらい気が弱かった。

連載 りれー随筆・368

楽しいな,おしゃべり 丸岡 紀子
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 私は,妊婦さんやママたちとお話をするのが大好きです。いつからかと言うと,助産学生の頃からずっとそうでした。ですから過酷な実習の合間にも,ベッドサイドで実習とは関係ないおしゃべりをしたりして,こっそり楽しんでいました。もちろん,助産師としての知識と技術を学び深めるための実習ですから,厳しかった。厳しかったからこそ,おしゃべりに救いを求めたのか? 思いが増幅されて余計に楽しかったのかもしれません。

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女性が自信をもって育児をしていくには,妊娠初期から産後までの受け持ち助産師による継続的なケアが大切であると訴える筆者。

一般の女性として,現在の産科医療体制を変えていくために助産師と共に何ができるのか,かつてニュージーランドで行なわれた助産改革運動から考えます。

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新人助産師が一人前に成長するまでの育成過程がわかる

 2015年8月,日本助産評価機構による助産実践能力習熟段階(クリニカルラダー)レベルⅢ認証の申請受付が開始されます。この制度が誕生した背景には,2005年以降,助産師が主体的にお産を支える院内助産システムが提起され,推進されていくプロセスのなかで,助産師のケアの質の担保が重要になったことがあります。

 質が保証されていることを認証する意義は,利用者である妊産婦とその家族,協働する産科医師をはじめとする関係者への助産ケア能力の保証・説明責任を果たすこと,そして助産師自身の助産実践能力の獲得とその成果の自覚や自信につなげることにあります。今回,レベルⅢに認証された助産師(アドバンス助産師)は「自律して助産ケアを提供できる助産師」として公表できることになります。また,この認証は5年ごとの更新制であるため,助産師は実践や研修・研究活動を通じて自己の知識や技術の維持・向上を図り,その成果が妊産婦や子どもとその家族の健康に寄与することになります。

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妊産婦に寄り添う時の助産師の目線は

 本書を読み終えて,私のなかにはいくつかのフレーズが残った。「看護師は遠慮なく何でも聞いてくださいと言うが,患者はなかなか聞けない」「医療主導ではなく,患者と家族の希望や意思を尊重する」。これらは基礎教育や卒後教育で常に耳にしているフレーズばかりだ。しかし本書を読みながら,実際に実践できているのかという疑問が浮かんだ。そして同時に,私が助産師として産婦人科病棟で働いていた時のこと,自分が入院した時のことを思い出していた。

 私が病院で助産師として働き始めたころは,妊婦や患者などを対象に「遠慮なく何でも聞いてください」というフレーズをよく使った。しかし,対象が本当に何でも聞ける雰囲気をつくり,何に困っているかを想像し,対象の表情からも問題を読み取ろうと努めていたかというと,必ずしもそうではなかった。本書にもあったが,治療の優先や,業務が増えて煩雑になることへの懸念,出産をしていない私が答えてもいいのかといった不安が頭をよぎり,口先だけでこのフレーズを使っていたこともあったと思う。加えて,経験が浅いことで対象の生活を察しようにも想像がつかず,個別性を考えた看護やアドバイスが難しかった。対象の住居構造や家族構成,過ごし方,仕事や趣味まで考えて説明したり,アドバイスしたりできるようになったのは,自分が病気を体験したり,さまざまな対象へのケアや妊産婦指導を経験したりしてからだった。

トピックス

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 イギリス郊外に広がるのどかな田園風景は,子どもの頃に読んだケネス・グレーアムの『たのしい川べ』の川や森を思い出させる。車窓からは,ポプラ並木が丘陵地帯に幾何学模様をつくり,その合間で草をはむ牛たちが見える。オックスフォードの田舎町に立ち並ぶ家々は,何百年の歳月,何も変わらずにそこにたたずんでいるかのように見えた。小さな集落の片隅に,広い敷地の落ち着いた邸宅がある。マナー・ハウスと呼ばれるその邸宅は元荘園領主の家で,築500年をとうに超えていた。その重厚なドアを開けて出迎えてくれたのが,シーラ・キッツィンガーさんだった。

 私は幸運にも,その邸宅を3回訪れている。最初は1987年のインターナショナルホームバース会議でのワークショップ。二度目は1994年に高橋ゴールドマン浩美さんと,「いいお産の日」のゲストとして近々来日する予定の彼女にインタビューをした時*1。三度目は拙著『イブの出産,アダムの誕生』(農山漁村文化協会,1998年)のインタビューをするために1997年にうかがった。その度に彼女は,熱く香り高いミルクティーをポットにたっぷり入れてふるまってくれた。

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はじめに

 新生児沐浴(以下,沐浴)は,清潔のほかに,観察,抱き方,移動,安全,おむつや衣類の交換,新生児との相互作用など,複数の看護技術を学ばせることができる教育プログラムである。一方で,沐浴は育児経験がほとんどない看護学生にとって難易度が高い技術である。そのことが,看護学生の緊張や不安1,2)を高め,さらなる悪循環2)を引き起こすと言われている。特に頭部の把持や固定が難しく3),未熟な抱き方4)による落下の危険4,5)も指摘されている。

 安全に沐浴するためには,原始反射,未定頸,脱臼しやすい,脆弱性など新生児の特徴や反応を理解し,それに合わせた方法で実施する必要がある。また,このような技術は,講義や演習だけで習得できるものではなく,予習・復習(反復練習)に利用できる教材が必要である。

 そこで,看護学生の沐浴技術の習得における教育課題を明らかにし,これらの課題を解決するためのe-learning教材(以下,本教材)を開発したので報告する。

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基本情報

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助産雑誌
69巻8号 (2015年8月)
電子版ISSN:1882-1421 印刷版ISSN:1347-8168 医学書院

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