連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・132
お産5回目のジョアン[後編]
冨田 江里子
1
1バルナバクリニック(フィリピン)
pp.706-707
発行日 2015年8月25日
Published Date 2015/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200282
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分娩室の前で義母はこれからの支払いとジョアンの稼ぎが少ないことを愚痴っていた。それを聞きながらひたすら待つ時間,クリニックで聞いたジョアンの人生を思い出していた。
ジョアンは13歳で親から離れて,売春というつらい仕事をこなしてきた。10代の時は避妊や支払いなどの交渉がうまくできず,22歳までに4回も妊娠,出産。4回目の出産で胎盤が剝離しないという危険な経験をして,やっと客と避妊交渉ができるようになった。それぐらい気が弱かった。
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