精神看護 16巻5号 (2013年9月発行)

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特集1　日本一わかりやすい！　マインドフルネスと新世代の認知行動療法

―日本一わかりやすい！―マインドフルネスと新世代の認知行動療法熊野　宏昭 16巻5号 , 2013年9月 , pp.18-43

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精神科看護領域のみならず、緩和ケアや慢性身体疾患の看護領域でも話題の「マインドフルネス」。うつや不安、パニックにとても有効だといいます。

しかし、“なんとなく”わかっているような気もするけれど、臨床現場でどう使っていいのかわからない、という人も実は多いのではないでしょうか。

そこで、日本にマインドフルネスを体系的に紹介し、また臨床実践において成果を上げる熊野宏昭氏に、日本一わかりやすい解説をしていただきました。

看護とマインドフルネスの相性は！？米山　奈奈子 16巻5号 , 2013年9月 , pp.44-45

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私とマインドフルネスとのシンクロ

　私は、1995年からアディクション問題を考える会（東京）という任意団体の代表をしている。数年前にそこで「スピリチュアリティと依存症からの回復」をテーマにセミナーを企画したことがあった（今思っても、素晴らしい企画！）。宗教学者である葛西賢太さんと瞑想研究者である井上ウィマラさんに講師をお願いし、井上さんには瞑想と呼吸法のお話をしていただいた。その中で、マインドフルネスについて聞く機会があった。

　また、アディクション問題からの回復支援や、暴力被害者支援に関するさまざまな文献にあたる中に、『心とからだと魂の癒し──トラウマから恢復するためのPTSDワークブック』^＊1というとても興味深い本があった。この中でも、感情や衝動への制御能力を培うために有効な方法の1つとして、マインドフルネスが紹介されていたのだった。

巻頭

ハローワークの障害者窓口北村　庄子 16巻5号 , 2013年9月 , pp.12-15

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真っ昼間、突然テレビ番組が、バラエティからニュースに変わった。どこの局もだ。

3.11。東日本大震災の日。夫サトルから携帯に電話があった。「大丈夫か？」

実践報告

―回想法と心理劇のコラボレーション―「アクティブ回想法」赤崎　安昭 , 神﨑　美穂 , 濱本　美帆 , 内村　準一郞 , 大重　勝子 , 下島　圭三 , 森薗　正樹 , 森岡　洋史 16巻5号 , 2013年9月 , pp.46-52

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「アクティブ回想法」なるものを編み出した！

　「回想法」とは、主に高齢者を対象として、過去を思い出す行為や、それを語る過程を利用して、QOLを高める心理療法であり、1963年アメリカの精神科医であるロバート・バトラーが創始した手法である^＊1。一方、「心理劇」とは、精神分析家ヤコブ・モレノが創始したドラマ的手法を用いた集団精神療法であり、気づきや自己洞察、カタルシスを獲得する技法である^＊2。

　特定医療法人共助会三州脇田丘病院（以下、当院）では、作業療法のプログラムとして、2008年6月から「もみじ会」と称するグループを作り、主に高齢者の精神疾患患者を対象に回想法をおこなってきた。しかし、当院には壮年層の患者も多いため、この回想法に加えて、参加者の自発性を引き出し、対人関係障害の改善をも期待できる技法として「心理劇的要素」を取り入れる方法が有益であると判断し、回想法と心理劇の要素を独自にコラボレートした「アクティブ回想法」（以下、本法）を導入した。

焦点

「精神障害を持つ親」の子ども支援について土田　幸子 16巻5号 , 2013年9月 , pp.54-58

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　精神に障害を持つ親と暮らす子どもは、親の示す症状に困惑したり、生活に不安を感じたりしても、誰にも相談できずにひとり抱え込んでいることが多い。当然のことながら、自らの状況について語ることはないので、これらの子どもがどんな生活をし、どのように感じてきたのかも明らかになっていない。成長発達過程にある子どもは、親の適切な保護や養育を受けないと、健全な発達を遂げることができないが、精神障害の親と暮らす子どもは、適切な養育を受けにくいにもかかわらず、これまで目を向けられることが少なかった。こうした子どもが着目されずにきたのはなぜか、自身の臨床経験と子どもの語りから考えてみたい。

特別記事

任意入院中の患者が外出時に起こした殺人事件藤野　ヤヨイ , 藤野　邦夫 16巻5号 , 2013年9月 , pp.60-63

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外出中の任意入院患者が殺人を起こすという事件が発生してしまった。

被害者と加害者の家族から病院と医師が訴えられ、裁判でその責任が争われた。

読者の皆さんは、精神科看護の立場で、何を行っていれば事件が防げたと考えるだろうか。

佐藤さんの事例をEU6か国と日本（石川県）で展開してみた北岡　和代 16巻5号 , 2013年9月 , pp.66-75

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　EU加盟国であるチェコ、ポルトガル、ドイツ、ルクセンブルグ、オランダ、イギリスの6か国の看護の人たちと出会う機会があった。

　そこで、ある仮事例を紹介し、「あなたの国なら、この方はどうなりますか？」と尋ねることにした。この特別記事では、その答えをご披露したい。そして最後に、各国の地域における精神保健医療サービスがどの程度充実しているかに焦点を当て、私なりの考察を述べたい。

特集2　3回シリーズ　看護のための性格論　病名「以前」の手がかりを、もっと豊かに

第3回（最終回）　あきらめと希望の性格論杉林　稔 16巻5号 , 2013年9月 , pp.84-91

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　前回、前々回と、精神科の臨床現場における「性格論」のリニューアルの提案と、私なりの性格活用例を紹介してきた。

　前回まで述べてきた通り、「性格論」やそれぞれの性格活用例を紹介する目的は、旧来のカテゴリーをそのまま使うことではない。むしろ、かつてそうであった古い性格論や、診断名に偏りがちな医療現場での視点について見直し、病名以前の豊かな“人の見かた”を増やしたいというのが私の狙いである。何げない言葉の中に新たな視点を含ませているので、そういう部分を感じ取っていただければありがたい。

連載　ストレングスモデルを学ぶなら今でしょ！・1【新連載】

なぜ、病院で働く看護師も学ぶべきなのか萱間　真美 16巻5号 , 2013年9月 , pp.6-11

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急性期を脱すれば患者さんは地域に帰る。いや、帰れるようにしなくてはならない。これからの精神科医療は、地域で生活する精神障害者に対しておこなうことが前提になる。入院しているときと、地域に帰ってからのケアを分けて考える時間的余裕はない。だから今、病院で働く看護職も、地域モデルである「ストレングスモデル」を知る必要がある。

［今月の提案］

回復期に目標を立てるとき、「当事者自身の言葉をそのまま活用」してみよう。

連載　幻聴妄想かるたのつくり方・1【新連載】

田中さんの宗教かぶれ病!! 16巻5号 , 2013年9月 , pp.16-17

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ハーモニーの「愛の予防センター」から『幻聴妄想かるた』ができるまで

「愛の予防センター」とは、世田谷区上町にある精神障害者の施設ハーモニーでおこなわれているミーティングのこと。ハーモニーのメンバーを中心に、地域のボランティアや学生さんなど、興味のある人たちがゆるりと集まって病気や生活の話をしています。そこで話されたことから『幻聴妄想かるた』（医学書院）が作られました。現在、かるたの第2弾を製作中。一体、第2弾はどんな内容になるのでしょう？　これから3回にわたって、ハーモニースタッフの富樫がレポートします。

連載　DNAは、いつ統合失調症の秘密を語るのか・4

ビタミンB₆による治療の可能性が見えてきた！糸川　昌成 16巻5号 , 2013年9月 , pp.76-83

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ドミノ倒しの2色波形

　新井誠研究員によって、グリオキサラーゼ1の遺伝子解析プロジェクトがスタートして2年近くたった2006年頃だった。研修に来ていた学生が、実験を失敗し続けていると悩んでいた。データを見せるよう指示すると、遺伝子の配列が打ち出された用紙を持ってきた。

　遺伝子は4種類の塩基の配列によってアミノ酸を合成するから、データは4色の波形となる。彼のデータを見ると、用紙の半ばまではきれいな波形が続いているが、途中から波形が乱れて塩基情報が読みにくくなっている。彼は「実験条件をいろいろ工夫したが、どうしてもうまくいかない」と苦労の数々を述べていた。しかし、彼の説明は私の耳には届いていなかった。用紙の半ばで塩基が1つずつずれていることが何を意味しているかに、私の意識は奪われていたからだ。

連載　少女漫画家のべてる訪問記「ただいまべてるの家」・2

兄の引っ越し一ノ瀬　かおる 16巻5号 , 2013年9月 , pp.92-93

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『精神看護』の読者の皆様こんにちは。漫画家の一ノ瀬かおると申します。

前回「べてるの家」訪問記を描かせていただいたのですが、ありがたいことに、もう少しこの漫画を続けさせていただくことが出来るようです。感謝です。

それでは今月号もしばらくお付き合いくださいませ。

連載

べてる新聞『ぱぴぷぺぽ』・93 16巻5号 , 2013年9月 , pp.94-95

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REPORT

看護現場の実態と要望を診療報酬につなげる方法―研修会「精神保健福祉の動向と看護者の役割」より 16巻5号 , 2013年9月 , pp.59

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　2013年3月30日（土）、日本精神看護学会教育活動委員会による研修会が開かれた。テーマは「精神保健福祉の動向と看護者の役割」。講師は、末安民夫氏（天理医療大学教授、日本精神科看護技術協会会長）と、吉川隆博氏（元・厚生労働省技官。現在は日本精神科看護技術協会政策部長）。

　冒頭で主催者は、「自分たちの仕事と医療政策がどうつながっているのかわからないという看護の声を受けて企画した」と開催の意図を説明した。

精神保健関連ニュース

改正道路交通法が成立／精神保健福祉法改正　医療保護入院どう変わる／DSM　19年ぶり改訂 16巻5号 , 2013年9月 , pp.1

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改正道路交通法が成立

2013年6月7日15時30分　NHKニュースから抜粋

　改正道路交通法が、6月7日衆院本会議で全会一致で可決、成立した。悪質な交通違反をめぐっては、2011年、栃木県鹿沼市でてんかんの症状を隠して免許を取った男がクレーン車を運転して小学生の列に突っ込み、児童6人を死亡させたほか、2012年、京都府亀岡市で無免許の少年が運転する車が小学生の列に突っ込んで10人が死傷するなど、重大な事故が相次いだ。

　このため、改正道路交通法では、てんかんや統合失調症などの病気で運転に支障を及ぼすおそれのある症状の人が症状を隠して免許を取ることに新たに罰則を科すほか、症状がありながら運転を続けている人などを医者が診察した場合、都道府県の公安委員会に通報できるようにする。改正道路交通法は、2年以内に項目ごとに順次、施行される。

VOICE!　読者が語ります

うつ病の精神科看護師／5月号のVOICE「先入観と現実、言葉の重さ」鈴木義延さんの文章を読んで 16巻5号 , 2013年9月 , pp.2-3

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うつ病の精神科看護師

ペンネーム：きいちゃん

　私はうつ病であり、精神科で働く看護師である。私が精神看護の道へと進んだのは、看護学生のときに精神看護という未知の世界に魅力を感じたこと、そしてもうひとつは、患者と看護師が人間対人間で向き合い看護できるという理由からだった。憧れの精神科で働きだした2年目に結婚、そして妊娠。すべてを手に入れたような感覚に陥っていたのかもしれない。

　ある産科健診日、突然医師から「胎児が育っていません。このままの状態なら胎児が腐ってしまいます」と言われ、稽留流産を宣告された。掻爬後の医師による説明時、無機質な素材の膿盆に乗った私たちの子どもの姿は一生忘れることがない。

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編集部に届いた本 16巻5号 , 2013年9月 , pp.53

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インフォメーション 16巻5号 , 2013年9月 , pp.64-65

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投稿規定・次号予告・編集後記 16巻5号 , 2013年9月 , pp.96

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基本情報

精神看護
16巻5号
(2013年9月発行)

電子版ISSN：1347-8370 印刷版ISSN：1343-2761 医学書院

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投稿規定

精神看護 16巻5号 (2013年9月発行)

特集1 日本一わかりやすい！ マインドフルネスと新世代の認知行動療法

巻頭

実践報告

焦点

特別記事

特集2 3回シリーズ 看護のための性格論 病名「以前」の手がかりを、もっと豊かに

連載 ストレングスモデルを学ぶなら今でしょ！・1【新連載】

連載 幻聴妄想かるたのつくり方・1【新連載】

連載 DNAは、いつ統合失調症の秘密を語るのか・4

連載 少女漫画家のべてる訪問記「ただいまべてるの家」・2

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