訪問看護と介護 20巻5号 (2015年5月)

特集 ユマニチュードは何が違うかⅡ—在宅・地域での活用可能性

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前号では、科学的・医学的観点を含めて、ユマニチュードの「違い」を探りました。

一見、“当たり前のこと”にも見えるユマニチュード。

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 超高齢社会を迎え、自宅で介護を受けながら暮らしている方々が増え続けています。昨年1月の介護保険サービス受給者は467.6万人であり、そのうち371.4万人が在宅介護を受けていると報告されています*1。さらに、慢性疾患をもち自宅でケアを受けている人の43%は、その疾患に限らず複数の重篤な症状を自覚しており、多くは疲労、痛み、食欲低下、うつ、不安などであることも報告されています*2

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 私が勤務している介護老人保健施設「デンマークイン新宿」(以下、当施設)は、東京都新宿区内の交通の便のよい住宅地にあります。

 「デンマークイン」という名前は、高齢者福祉の先進国であるデンマークが掲げる「高齢者福祉3原則」(本人の意思尊重・残存能力の活用・生活の持続、p.405)を守り、“INN(安宿)”のように気楽に高齢者の方々が宿泊し、食事をし、快適な生活を送れるよう、スタッフ一同がおもてなしをする気持ちでサービスを提供することを願って名づけられたものです。入所定員は160名(うち認知症専門棟40名)、通所定員は20名となっています。

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 国立病院機構東京医療センター(以下、当院)は、人口約48.8万人、平均高齢化率約19%(2010年)の東京都渋谷区・世田谷区・目黒区の2次医療圏において、34診療科を標榜している、救急医療と急性期医療を担う総合病院です。

 当院では、早期に適切な退院支援・調整を行なうために、「高齢者総合的機能評価(CGA)」に準じて作成した「退院支援評価シート」を用いて評価しています。退院調整看護師は、主に自宅への退院を希望する患者と家族を担当し、療養場所の移行にあたっての意思決定支援と、療養・介護の環境調整のために、院内外の多職種と連携しています。

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 福島県郡山市は、人口約32.9万人、高齢化率23.8%(2015年3月1日現在)の中核市である。そのなかで当院は、医療介護病院という名前のとおり、急性期医療と介護(生活)をつなぐ役割を果たすべく、高齢者医療とリハビリテーションに取り組んできた。全病床120床(療養病床)のうち、医療型は1病棟(40床)、介護型は2病棟(80床)ある。2015年3月現在の入院患者の平均年齢は84.8歳と高齢化が目立ち、認知機能が低下している方が全体の約6割を占めている。

 そうしたなか、当院では2014年、病院全体でユマニチュードを取り入れることを決めた。本稿では、その経緯と、ユマニチュードを取り入れることで当院に起こった「変化」について、看護部長の視点から報告する。

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ユマニチュード視察見聞録 @フランス

介護施設や病院にユマニチュードを組織ぐるみで導入すると何が起こるのか?

昨年7月、フランスでその最前線を視察してきた4名の看護師による見聞録です。

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ユマニチュード読書見聞録

できることが限られている地域医療の現場で、「医師とは何か」「医療とは何か」を問うてきた“町医者”が読んだ『ユマニチュード入門』論。

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前号に引き続き、ユマニチュードへの素朴な疑問・悩みに真正面からお答えいただきました。

本号では、介護施設や病院への組織ぐるみの導入や、在宅での活用など、ユマニチュード実践への“道”を照らします。ご家族の悩みになっている「行動・心理症状」のケアへのヒントも。

認知症の人を傷つけ、傷けられることがないように、互いに“人間らしい”存在であり続けるために、36年にわたる経験から生まれた技術と哲学を突きつめてきたイヴさんの“ユマニチュー道”の先に「ケアとは何か」が見えてきます。

巻頭カラーグラフ 終える命 つなぐいのち・第2回

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※本連載は、本文のみ無料でお読みいただけます。

 写真は、冊子版でのみご覧いただけます。

 「とおくにいっちゃったおじいちゃん。帰ってくることはないけれど、私の心の中にはずっといるよ」

 祖父を看取ったみずきちゃんは、後にそう言った。

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 近年、日本の認知症ケア現場で「地域包括ケア」や「パーソン・センタード・ケア」といった言葉をよく耳にする。

 高齢者向け施設などの入居案内や、在宅支援を提供する事業所のパンフレットなどには「あなたらしさを大切に」「その人らしさを尊重したケアを行なっています」といった言葉が多く見られ、日本の認知症ケアの根幹を成す理念として「その人らしさを維持し、尊重する」ということが掲げられている。冒頭にあげた2つとともに、デンマークで認知症ケアに携わってきた私にはなじみ深い考え方だ。

連載 在宅ケア もっとやさしく、もっと自由に!・68

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 生活の基本となる衣・食・住。「食」も「住」も着目されていますが「衣」は? なんだか忘れ去られているようですが、ケアの現場では大事な要素ですね。

 妻のMさんを在宅で看取られたKさんから、白十字訪問看護ステーションに宅急便が届き、こんなお手紙がついていました。

連載 介護することば 介護するからだ 細馬先生の観察日記・第46回

「心の理論」と身がまえ 細馬 宏通
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 前回、アイマスクをつけた人の手を引いてナビゲートする行為を通して、相手の行動から相手の感覚や認知を推測し、それをもとに自分の次の行動を決める重要性について書いた。

 ところで心理学では、このようなやりとりをとらえる概念のひとつとして「心の理論」がここ数十年ほど繰り返し議論されてきた。

連載 これって、急変?Part2 なんとなく変への対処法・第5回

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本日の目標

(1)血圧・脈拍の異常には、緊急を要する場合とそうでない場合があることを理解する

(2)緊急を要する血圧の異常を見極め、対応できる

(3)緊急を要する脈拍の異常を見極め、対応できる

連載 一器多用・第48回

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 看護・介護において「立つ」ことの重要性はさまざまな角度から指摘され、実践が重ねられています。本誌4・5月号で特集されている「ユマニチュード」でも、「立つ」ことは基本の4つの柱の1つに位置づけられています。

 ただ、これまでの「立つ」という動作に対する視点は、患者さんがどう立つかということに集約されており、看護・介護者自身の動作としては、あまり意識されていないように思えます。普通に生活し、働いているのならば、当たり前に立てているはずと誰もが思うでしょう。しかし、本当に無駄なく合理的に立つことができているのか、自分自身の“当たり前”を疑うことで、患者さんの立ち方に対する見方が深まり、発想の転換も図れるかもしれません。

連載 「介護」「看病」は“泣き笑い” ウチの場合はこうなんです!・第50回

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杏里 2011年4月号から始まったこの連載も、ついに50回を迎えました!!

母さん 長いようで短かった〜。

ほっとらいん ふろむ ほんごう

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 去る2月22日(日)、東京都港区のプルデンシャルタワーにおいて、30年後の医療の姿を考える会 第9回 市民公開シンポジウム「メディカルタウンのヒューマンサポート とまどったとき 自分で歩け出せるよう 一緒に」が開催された。

 30年後の医療の姿を考える会は、医療介護従事者や家族の介護経験者の有志により2006年に発足し、以来毎年シンポジウムや勉強会を開催してきた。顧問を順天堂大学医学部教授の樋野興夫氏が、会長を白十字訪問看護ステーション統括所長で暮らしの保健室室長の秋山正子氏が務める。この日、全国から定員を超える約180名が集まった。

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ニュース—看護と介護のこのひと月

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次号予告・編集後記 杉本 , 小林
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最後の担当号となりました。この春をもって、医学雑誌部『総合診療』誌に異動します。看護に憧れ、看護師さんを尊敬し、少しでもそばに近寄りたくて、看護一筋13年。どんなに胸が痛む日も、取材に行って、現場で奮闘するナースに出会えば、むくむく気力がわいてきて、血流が速まり、心がときめきました。原稿には真摯な思いが密かに確かに宿っていて、しばしば泣いて仕事しました。普通に生きてるだけでも傷つけ合ってしまう不自由に、意思をもって向き合って、自然な笑顔や泣き顔で凛と立ち、看護を志すみなさんの姿は、大げさでなく私の生きる希望だったのです。なかでも訪問看護は、計らずもユマニチュードが求める自律と謙虚、自由とは何かを教えてくれた。少しは近寄れたんだろうか。私に力をくださって、本当にありがとうございます。…杉本

今春より杉本にかわり、本誌の編集を担当させていただきます。以前は、看護学生向けのテキストの編集を担当していました。そこでは、(1)教育現場をよく見る、(2)教育現場の声をよく聞く、また、そのためには取材を通じて(3)教育現場にじかに触れることが重要だと感じてきました。そして、そうして得られたニーズから学びやすく特徴が際立つテキストとなるよう努めてきました。この観点は、雑誌づくりにも通じるものかと思います。今度は、実践・研究の現場に触れつつ、読者ニーズに寄り添う情報をいち早くお届けできるよう努めていきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。…小林

基本情報

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訪問看護と介護
20巻5号 (2015年5月)
電子版ISSN:1882-143X 印刷版ISSN:1341-7045 医学書院

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