JIM 12巻7号 (2002年7月発行)

選択した文献の文献概要を表示する書誌情報をダウンロードする

すべて選択

特集　意識障害への迅速な対応

意識障害の病態黒島　研美 , 菊地　誠志 , 森若　文雄 12巻7号 , 2002年7月 , pp.600-603

PDF(12630KB)

有料閲覧

文献概要を表示

Question　＆　Answer

　Q：意識障害患者を診察する際にまず調べることは？

　A：血圧，体温，血糖値，血液ガス分析．可能であれば，血算生化学，脳CT，脳波．

意識障害の評価と診察法村井　麻衣子 , 高木　誠 12巻7号 , 2002年7月 , pp.604-609

PDF(17291KB)

有料閲覧

文献概要を表示

Question　＆　Answer

Q：意識障害に特徴的な呼吸パターンは？

A：Cheyne-Stokes呼吸，中枢神経性過呼吸，持続性吸気呼吸群発呼吸，失調性呼吸

脳血管障害による意識障害への対応宮下　史生 , 橋本　洋一郎 12巻7号 , 2002年7月 , pp.610-614

PDF(16748KB)

有料閲覧

文献概要を表示

Question　＆　Answer

　Q：意識障害患者で脳血管障害を疑う病歴・徴候は？

　A：突然発症，高血圧・糖尿病・心疾患などの病歴，瞳孔・眼位の異常，筋力の左右差，Babinski反射・Chaddock反射陽性．

脳外科疾患による意識障害への対応福田　充宏 , 熊田　恵介 , 大川　元久 , 平野　一宏 12巻7号 , 2002年7月 , pp.615-620

PDF(25796KB)

有料閲覧

文献概要を表示

Question　＆　Answer

　Q：頭蓋内病変による意識障害患者においてとくに注意する点は？

　A：頭蓋内圧充進症状が認められ，脳ヘルニアに陥る可能性がある場合，脳外科的対応を考慮する．

精神障害による意識障害あるいは意識障害様の状態への対応八田　耕太郎 12巻7号 , 2002年7月 , pp.621-624

PDF(12751KB)

有料閲覧

文献概要を表示

Question　＆　Answer

　Q：昏迷状態での脳波は？

　A：意識障害を伴わないため，基本的に徐波化は認められません．

代謝・内分泌疾患による意識障害への対応林　寛之 12巻7号 , 2002年7月 , pp.625-628

PDF(11541KB)

有料閲覧

文献概要を表示

Question　＆　Answer

　Q：ブドウ糖とビタミンB₁の投与の正しいタイミングは？

　A：ブドウ糖の投与前か直後に，ビタミンB₁を100mgゆっくり静注する．

心・大血管疾患による意識障害への対応鈴木　昌 , 堀　進悟 12巻7号 , 2002年7月 , pp.629-632

PDF(10556KB)

有料閲覧

文献概要を表示

Question　＆　Answer

　Q：意識障害をきたした患者の初期評価は？

　A：ABCと心電図．

呼吸器疾患による意識障害への対応東海林　哲郎 , 笹岡　彰一 12巻7号 , 2002年7月 , pp.633-636

PDF(12240KB)

有料閲覧

文献概要を表示

Question　＆　Answer

　Q：意識障害を伴う呼吸不全患者でまず行うべき診断法は？

　A：バイタルサイン，動脈血ガス分析（PaO₂，PaCO₂，pH），胸部X線写真．

感染症による意識障害への対応五味　晴美 12巻7号 , 2002年7月 , pp.637-641

PDF(13702KB)

有料閲覧

文献概要を表示

Question　＆　Answer

　Q：髄液検査でルーティンでオーダーすべき項目は？

　A：細胞数と分画，糖（血糖も同時測定），蛋白，細菌抗原，細菌／真菌／結核菌の培養，できればVDRL　（梅毒検査），クリプトコッカス抗原．

中毒による意識障害への対応菊野　隆明 12巻7号 , 2002年7月 , pp.642-646

PDF(14688KB)

有料閲覧

文献概要を表示

Question　＆　Answer

　Q：急性薬物中毒の合併症は？

　A：頻度の高いものは誤嚥性肺炎，低体温，長期臥床による横紋筋融解症である，呼吸状態，体温などのバイタルサイン，尿潜血反応などのチェックを怠ってはいけない．

電解質異常による意識障害への対応太田　昌宏 12巻7号 , 2002年7月 , pp.647-649

PDF(9258KB)

有料閲覧

文献概要を表示

Question　＆　Answer

　Q：血清Na濃度の下限，上限を規定している因子は？

　A：下限は抗利尿ホルモン（ADH）の分泌閾値（J1），上限は渇感．

小児の意識障害への対応石橋　紳作 , 市川　光太郎 12巻7号 , 2002年7月 , pp.650-652

PDF(8735KB)

有料閲覧

文献概要を表示

Question　＆　Answer

　Q：小児の意識障害の原因は？

　A：痙攣後，細菌性髄膜炎，脳炎・脳症，頭部外傷，低血糖，薬物誤飲などが多い．

産婦の意識障害への対応栗下　昌弘 12巻7号 , 2002年7月 , pp.653-657

PDF(13688KB)

有料閲覧

文献概要を表示

Question　＆　Answer

　Q：産婦の意識障害への対応のポイントは？

　A：患者が産婦であることを認識することが第一妊娠週数を知り，すみやかに専門医と連携をとること．

One more JIM 黒島　研美 , 村井　麻衣子 , 宮下　史生 , 福田　充宏 , 八田　耕太郎 , 林　寛之 , 鈴木　昌 , 菊野　隆明 , 石橋　紳作 , 栗下　昌弘 12巻7号 , 2002年7月 , pp.658-660

PDF(10107KB)

有料閲覧

文献概要を表示

　Q1　意識障害患者での脳波検査の有用性につ　いて教えてください．

　A　脳波は意識状態のみにかかわらず，年齢，開・閉眼，精神状態，薬物などさまざまな要因から影響を受ける．しかしながら，意識障害患者において脳波検査は病態の把握に有用である．意識清明な成人の安静時閉眼脳波では，8～13Hz（通常10Hz前後）のα波が後頭部優位に連続して出現している．開眼し，一見意識がはっきりしているようにみえる無動性無言では，広汎性徐波が出現し，意識障害を呈していることがわかる．外観上，無動性無言と同様にみえる失外套症候群では，大脳皮質の障害のため低振幅徐波から平坦に近い脳波がみられる．また，代謝性脳症では，"はっきりとした意識障害ではないが．何となくぼんやりしている"状態であっても，脳波異常がみられる場合が多く，脳症の改善に伴い脳波所見が改善するため治療の指標にもなる．

外来で見逃された症例―あなたの診断は？・46

激しい右季肋部痛を訴える酒臭い中年男性瀧澤　美代子 , 生坂　政臣 12巻7号 , 2002年7月 , pp.597,690

PDF(5922KB)

有料閲覧

文献概要を表示

　症例：55歳，男性．3日前からの発熱，悪心・嘔吐，腹痛にて受診．痛みを紛らわせるために久しぶりに酒を飲んだが治まらなかったという．痛みは背部へ放散する持続痛で，歩行などの体動で悪化した．2～3年前からしばしば同様の症状を経験し近医を受診していたが，原因は特定されていない．虫垂炎の手術歴以外に特記すべき既往歴なし．喫煙は一日10本．昔はよく酒を飲んだが，この半年は一滴も口にしていないという．来院時の身体診察では，体温36.1℃，脈拍80/分，若干のアルコール臭を認める．心雑音なく呼吸音正常．腹部診察では，右季肋部に限局した著明な圧痛と筋性防御があり，Murphy徴候陽性であった．脾臓は触知しない．クモ状血管腫や手掌紅斑を認める．血液検査ではHb 16.6g/dl，MCV 106.6 fl，白血球9,100/μl，血小板15.6×104/μl，総ビリルビン1.7mg/dl，AST 210IU/l，ALT 53IU/l，ALP 362IU/l，γ-GTP 639IU/l，アミラーゼ112IU/l，CRP 0.3mg/dl以下，血糖113mg/dlであった．外来での腹部超音波検査で総胆管の拡張や胆石を認めない（図1）．

プライマリ・ケア医のための「みみ・はな・のど」・8

"乗り物酔い"（動揺病）の相談にどう答えるか藤村　聡 , 伊藤　壽一 , 福井　次矢 12巻7号 , 2002年7月 , pp.662-663

PDF(2869KB)

有料閲覧

文献概要を表示

　プライマリ・ケアの臨床現場では，予防医学も重要な責務の1つで，実際に，患者や保護者からさまざまな疾患の予防法の相談を受けることも多い．耳鼻咽喉科領域で意外と多いのは"乗り物酔い"の相談で，とくに学童期の子どもを持つ母親や教師から相談を受けることが多い．

　治療薬については，抗ヒスタミン薬などの吐き気止めを中心にほぼルーチン化されており，迷いが生じることは少ないが，予防法に関しては，時に医師が返答に躊躇したり，何とか回答できても，保護者が納得するような医学的な説明が十分にできないこともある．本稿では，筆者（藤村）が過去に，回答するのに少し躊躇した質問をもとに，"乗り物酔い"の予防法と治療について医学生理学的な概説を加える．

JIM Report

医学生・研修医によるLife Supportワークショップ久保　彩子 12巻7号 , 2002年7月 , pp.664-666

PDF(5905KB)

有料閲覧

文献概要を表示

　2002年3月29～31日，東京医科歯科大学にて「医学生・研修医によるLife Supportワークショップ」が開催された．全国から30名の参加者とそれを上回る数の見学者が集まり，総勢約40名のスタッフとともに，熱気あふれる3日間をともにした．

　本ワークショップの発端は2000年にさかのぼる．われわれスタッフの一人で，当時千葉大学の学生であった大野博司（現在，麻生飯塚病院で研修中）が福岡徳洲会病院主催のACLS　（Advanced Cardiac Life Support）コースを受講し，感銘を受け同級生とともに勉強会を始めた．しだいに後輩や他大学の学生も参加するようになり，近隣の大学にも広まっていった．

漢方的発想を生かした治療学・19

眼科疾患日比野　久美子 12巻7号 , 2002年7月 , pp.669-671

PDF(3981KB)

有料閲覧

文献概要を表示

　◆眼科領域における漢方治療は，西洋医学的治療の補助的役割を果たすにとどまっているのが現状である．しかし，明確な西洋医学的診断の下で正確なる随証治療がなされれば，期待以上の好結果が得られることがあり，眼科領域においても今後のより広い活用が望まれる．

"なぜ診断できないか"を科学する・7

診断の難しい悪性リンパ腫について江村　正 12巻7号 , 2002年7月 , pp.675

PDF(1876KB)

有料閲覧

文献概要を表示

　筆者の所属する佐賀医科大学総合診療部は，血液内科と同じ病棟にあるため，血液疾患の診断・治療に関しては永年協力して行ってきた．たとえば，リンパ節腫脹の原因検索を総合診療部が担当し，悪性リンパ腫と診断できれば血液内科で化学療法を行う，というようにである．悪性リンパ腫は年々増加している．大学病院以外でも悪性リンパ腫の患者に遭遇することは決して稀ではない．

　先月号で述べた結核同様，悪性リンパ腫も"何でもあり"である．どの臓器が侵されてもよい．節外リンパ腫として，中枢神経系，眼窩，扁桃・咽頭，唾液腺，甲状腺，乳腺，肺，縦隔，消化管，肝臓，脾臓，副腎，生殖器，筋・骨格系，皮膚などがあげられる．リンパ節が腫脹していれば悪性リンパ腫を鑑別診断にあげることは容易であるが，リンパ節腫脹が認められない場合に，悪性リンパ腫を疑うことはできるだろうか．今回は，悪性リンパ腫の中で，リンパ節腫脹を伴わない，とくに診断が難しいと思われる病型について述べたい．

地域・家庭医療学実践記・7

家庭医の"家庭"の意味涌波　満 12巻7号 , 2002年7月 , pp.676

PDF(1921KB)

有料閲覧

文献概要を表示

　"家庭医"，"Family Physician"，"家庭医療学"という呼び名に対して，「家族療法などができる専門家なのですか」と質問されることがあります．答えはノーです．家庭医は，家族療法のトレーニングでも受けていない限り，専門のセラピストとして対応できません．私たち，家庭医療の実践をめざしているものが，どのくらい家族を対象に診療しているのかは，世界的にみてもよく知られていません．

　しかしながら，①家族一人一人の健康問題を扱う，②家族ライフサイクルを念頭にいれた"アンティシペトリーガイダンス"（家族が一般的に直面するライフサイクルごとのストレッサーを予想し，その対応法をあらかじめ話しておく）を行う，③家族間の心理的なつながりを考慮して，本来，家族の持っているストレスへの適応能力を導くお膳立てをする，こういった，家族とともに，あらゆる健康問題に取り組むという意思表示が家庭医という呼び方にこめられていると思います．

かかりつけ医のための家庭医療学・19

予防接種のしかた・学校健診のしかた田坂　佳千 12巻7号 , 2002年7月 , pp.677-685

PDF(9449KB)

有料閲覧

文献概要を表示

◆ポイント◆

1）予防接種のしかたについては，旧厚生省監修「予防接種ガイドライン」が基本．

2）細菌製剤協会発行の「予防接種に関するQ＆A集」はよくある疑問の解消に役立つ．

3）健診については，日本学校保健会編集「児童生徒の健康診断マニュアル」が基本．

レジデントCase Conference

気分不良と嘔吐を主訴に来院し，腎機能低下を呈した67歳男性仲里　信彦 , 宮里　賢 , 町塚　聖子 , 豊田　麻里子 , 徳田　安春 , 宮城　征四郎 12巻7号 , 2002年7月 , pp.686-689

PDF(6992KB)

有料閲覧

文献概要を表示

　◆腎機能低下をきたす疾患は一次性の腎疾患のみではなく，全身性疾患に伴うものも少なくない．中高齢者の全身疾患に伴う腎疾患を見逃してはいけない．

JIM臨床画像コレクション

大葉性肺炎像を呈した非定型抗酸菌症木村　琢磨 , 米丸　亮 , 川城　丈夫 12巻7号 , 2002年7月 , pp.690

PDF(2214KB)

有料閲覧

文献概要を表示

　症例は65歳の女性．生来健康であったが，某病院で左肘部皮下腫瘤を摘出後，39℃の発熱と胸部異常陰影が認められた．一般抗菌薬は無効で，気管支鏡検査で診断不明であった．経皮的肺生検が施行され，Mycobacterium avium-intracellulae complex　（MAC）の核酸増幅法（PCR）が陽性のため，MAC症が疑われ，当院へ転院した．

　入院時，体温38.5℃，脈拍96回／分，呼吸数18回／分，血圧110／70mmHgで，胸部X線写真とCTで，右上葉に著明なエアー・ブロンコグラムを伴う区域性の浸潤影が認められた（表紙写真）．血液検査ではWBC 33,980／μl,CRP 26.2mg／dl,ESR 140mm／hrであった．臨床的に重症の大葉性肺炎を疑い，パニペネム・ベタミプロンとミノサイクリンの投与を開始したが無効であった．喀痰塗抹検査では抗酸菌（ガフキー8号）を検出し，PCRではMAC陽性であった．MAC症の診断基準を満たしたため，その治療としてリファンピシン，エタンブトール，クラリスロマイシン，レボフロキサシン，カナマイシンの投与を開始した．一方で，悪性リンパ腫・肺胞上皮癌などの悪性疾患，膠原病性肺病変などの合併が否定できず，胸腔鏡下肺生検を含めた精査が必要と考えられた．某大学病院に転院したが，さらなる検査をすることなく，上記の治療のみで軽快した．

基本情報

JIM
12巻7号
(2002年7月発行)

電子版ISSN：1882-1197 印刷版ISSN：0917-138X 医学書院

お気に入り登録(雑誌)
お気に入り登録(号)
最新号をみる

継続誌

総合診療

バックナンバー ( 閲覧可 )

文献閲覧数ランキング(
2月10日～2月16日
)

第1位 Transient Myoclonic State with Asterixis in Elderly Patient 井田雅祥 JIM 6巻 8号 pp. 717-718 (1996年8月15日) 医学書院
第2位 precordial catch syndrome 中川紘明,宮田靖志 JIM 24巻 10号 pp. 902-903 (2014年10月15日) 医学書院
第3位結核性胸膜炎倉原優 JIM 24巻 12号 pp. 1104-1107 (2014年12月15日) 医学書院
第4位体重減少の鑑別診断郡義明 JIM 17巻 7号 pp. 554-558 (2007年7月15日) 医学書院
第5位消化管穿孔の超音波診断湯浅肇,井出満 JIM 7巻 2号 pp. 166-171 (1997年2月15日) 医学書院
第6位筋性防御はどうして起こるの？児玉貴光,箕輪良行 JIM 16巻 11号 pp. 890-891 (2006年11月1日) 医学書院
第7位スポーツに多い外傷の救急処置中西啓介 JIM 4巻 5号 pp. 427-429 (1994年5月15日) 医学書院
第8位 ②ティルト試験鈴木昌 JIM 15巻 4号 pp. 312-314 (2005年4月1日) 医学書院
第9位海外留学予定者に診断書を頼まれたら―英文診断書の書き方伊藤彰洋 JIM 22巻 1号 pp. 47-49 (2012年1月15日) 医学書院
第10位左胸の痛みとパチパチという胸部異常音を主訴に来院した若年男性鈴木彩,米波浩二,生坂政臣,亀谷学 JIM 10巻 7号 pp. 597,676 (2000年7月15日) 医学書院

JIM 12巻7号 (2002年7月発行)

特集 意識障害への迅速な対応

外来で見逃された症例―あなたの診断は？・46

プライマリ・ケア医のための「みみ・はな・のど」・8

JIM Report

漢方的発想を生かした治療学・19

"なぜ診断できないか"を科学する・7

地域・家庭医療学実践記・7

かかりつけ医のための家庭医療学・19

レジデントCase Conference

JIM臨床画像コレクション

基本情報

継続誌

バックナンバー ( 閲覧可 )

文献閲覧数ランキング( 2月10日～2月16日)

特集　意識障害への迅速な対応

文献閲覧数ランキング(
2月10日～2月16日
)