特集 意識障害への迅速な対応
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黒島 研美
,
村井 麻衣子
,
宮下 史生
,
福田 充宏
,
八田 耕太郎
,
林 寛之
,
鈴木 昌
,
菊野 隆明
,
石橋 紳作
,
栗下 昌弘
pp.658-660
発行日 2002年7月15日
Published Date 2002/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903572
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Q1 意識障害患者での脳波検査の有用性につ いて教えてください.
A 脳波は意識状態のみにかかわらず,年齢,開・閉眼,精神状態,薬物などさまざまな要因から影響を受ける.しかしながら,意識障害患者において脳波検査は病態の把握に有用である.意識清明な成人の安静時閉眼脳波では,8~13Hz(通常10Hz前後)のα波が後頭部優位に連続して出現している.開眼し,一見意識がはっきりしているようにみえる無動性無言では,広汎性徐波が出現し,意識障害を呈していることがわかる.外観上,無動性無言と同様にみえる失外套症候群では,大脳皮質の障害のため低振幅徐波から平坦に近い脳波がみられる.また,代謝性脳症では,"はっきりとした意識障害ではないが.何となくぼんやりしている"状態であっても,脳波異常がみられる場合が多く,脳症の改善に伴い脳波所見が改善するため治療の指標にもなる.
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