プライマリ・ケア医のための「みみ・はな・のど」・8
"乗り物酔い"(動揺病)の相談にどう答えるか
藤村 聡
1
,
伊藤 壽一
2
,
福井 次矢
1
1京都大学医学部附属病院総合診療部
2京都大学医学部附属病院耳鼻咽喉科
pp.662-663
発行日 2002年7月15日
Published Date 2002/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903573
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プライマリ・ケアの臨床現場では,予防医学も重要な責務の1つで,実際に,患者や保護者からさまざまな疾患の予防法の相談を受けることも多い.耳鼻咽喉科領域で意外と多いのは"乗り物酔い"の相談で,とくに学童期の子どもを持つ母親や教師から相談を受けることが多い.
治療薬については,抗ヒスタミン薬などの吐き気止めを中心にほぼルーチン化されており,迷いが生じることは少ないが,予防法に関しては,時に医師が返答に躊躇したり,何とか回答できても,保護者が納得するような医学的な説明が十分にできないこともある.本稿では,筆者(藤村)が過去に,回答するのに少し躊躇した質問をもとに,"乗り物酔い"の予防法と治療について医学生理学的な概説を加える.
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