目でみる当直医必須テクニック・2
肺を傷つけずに胸腔ドレーンを挿入する方法
安田 和弘
1,2
1(財)救急振興財団救急救命東京研修所
2巣鴨病院
pp.641-643
発行日 1996年7月15日
Published Date 1996/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901883
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胸部外傷に伴う血気胸や自然気胸で,緊急に胸腔ドレーン(chest tube)を挿入しなければならないことはしばしばある.特に緊張性気胸となっている場合には,一刻を争って胸腔ドレーンを挿入しなければ心停止を来してしまう(図1).持続胸腔ドレナージ(tube thoracostomy)は当直を行う上での必須テクニックである.
内筒のついたトロッカーカテーテルで壁側胸膜を突き破っての挿入方法は危険である.しばしば肺損傷(肺刺創)を起こし,気道内出血から生命に危険が及ぶ.先端が鈍なペアン鉗子で壁側胸膜に穴を空け,愛護的にチューブを挿入する方法を身につけるべきである.
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