特集 真夜中の総合診療
【真夜中に特徴的な症候】
糖尿病のコントロール不良
目黒 周
1
1済生会中央病院内科
キーワード:
責任インスリン
,
暁現象
,
Somogyi効果
,
無症候性低血糖
Keyword:
責任インスリン
,
暁現象
,
Somogyi効果
,
無症候性低血糖
pp.838-841
発行日 2008年10月15日
Published Date 2008/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101525
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Case
暁現象の著明な高齢1型糖尿病の1例
患者:83歳の女性.
現病歴:80歳で発症した高齢1型糖尿病の患者.理解力は良好であり,インスリン強化療法,自己血糖測定など十分に理解し,自己管理していた.朝食前空腹時血糖が常に250~300mg/dlあり,就寝前の持効型インスリンを増量していくと深夜に低血糖を生じてしまい,深夜に低血糖を生じない程度のインスリン量だと空腹時血糖が高くなってしまった.インスリンポンプを管理するのは年齢的に困難と考えられた.生活の状況をよく聴取すると起床は5時ごろ(この時血糖は150~200mg/dl前後),朝食は7~8時くらいであり,この間に血糖が上昇してくることがわかった.起床時に超速効型インスリンを2単位注射してもらうことで暁現象が抑制され,空腹時血糖を200mg/dl以下にすることが可能となった.
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