JOHNS 38巻3号 (2022年3月発行)

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特集　頸部リンパ節を見直す

序―頸部リンパ節を見直す菊地　茂 38巻3号 , 2022年3月 , pp.247-247

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　リンパ節は通常2～3mmほどの大きさのリンパ器官で，全身には数百個あり，その中で頸部には片側で数十個配置されているといわれている。リンパ節はリンパ系に入った細菌やウイルスなどの病原体やがん細胞等に対して免疫応答することによって体を守る機能があり，こうした応答があるとリンパ節は腫脹することになる。したがってリンパ節腫脹がみられる場合には通常その上流側に感染，炎症，悪性新生物などリンパ節腫脹を惹起する病変の存在を念頭に置かなければならない。

総論

頸部リンパ節研究の歴史市村　恵一 38巻3号 , 2022年3月 , pp.249-254

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はじめに

　リンパ系は免疫反応や，炎症やがんの波及において重要な役割があるにもかかわらず，人体解剖中では知識の集約の乏しい領域で，解剖書の記載はそのほとんどが20世紀前半までの研究に基づくものである。現在のリンパ学においてもその研究の主対象はリンパ管であり，リンパ節に関しては免疫学の発展に伴う機能面での解明はなされてきたが，他の面での基礎的な研究はめざましいとは言えない状態である。

リンパ節の免疫機構片貝　智哉 38巻3号 , 2022年3月 , pp.255-259

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はじめに

　全身に張り巡らされたリンパ管網の要所には多数のリンパ節が配置され，身体の各所から流れ出た組織液（リンパ液）を集めて老廃物や異物などを濾過・除去している。同時に，リンパ球を中心とした免疫細胞を高度に集中させることにより，体内に侵入した微生物やウイルスなどの病原体に対して効果的な免疫応答を誘導する拠点となっている。ヒトでは500～600個ほどあるとも言われるリンパ節だが，体の部位ごとに異なる免疫応答を誘導する必要があり，局所免疫をコントロールする前線基地としての役割を担う。リンパ節の内部はこのような機能を果たすために適した複雑で精巧な組織構造が作られている。一方で，移動性や流動性の高い多様な免疫細胞が活発に活動し，体外・体内の状況に応じてダイナミックに変動する臓器でもある。

頸部リンパ流路と流入リンパ節蝦原　康宏 38巻3号 , 2022年3月 , pp.260-261

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はじめに

　頸部はリンパ組織の発達が良く，耳鼻咽喉・頭頸部領域の疾患と密接に関わる。本稿では，これまで報告されてきた頭頸部のリンパ解剖学知識を，渉猟して述べる。

頸部リンパ節の臨床解剖翁長　龍太郎 , 西野　宏 38巻3号 , 2022年3月 , pp.263-265

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はじめに

　頸部リンパ節は全身のリンパ節の約30％程度を占める。多くは表在性で自覚が容易なため，頸部リンパ節腫脹は受診頻度の高い主訴である。鑑別疾患は反応性リンパ節炎，膠原病，特殊感染症，悪性腫瘍など多岐にわたる。診断には問診と身体診察に加え，複数のモダリティの検査を組み合わせ鑑別を絞っていくが，詳細は他稿に譲る。診断を進める上でリンパ流を意識した臨床解剖の知識は重要である。

頸部リンパ節腫脹―鑑別の手順―

頸部リンパ節腫脹の病歴聴取と診断手順宮本　祐亮 , 宮丸　悟 , 折田　頼尚 38巻3号 , 2022年3月 , pp.266-267

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はじめに

　頸部リンパ節腫脹をきたす疾患・病態は多彩である。最も大切なのは悪性疾患を見逃さず，急を要する症例とそうではない症例を早急に鑑別することである。“頸部のしこり” を主訴に外来を受診する患者には，悪性疾患を心配して深刻な気持ちで受診される方から，家族などに勧められてやむをえず受診される方まで患者の心持ちも幅広い。患者の訴えや話しぶりに惑わされることなく必要な病歴を聴取し，ある程度予想される疾患を絞り込んでいく必要がある。

頸部リンパ節腫脹の視診と触診について牧野　琢丸 38巻3号 , 2022年3月 , pp.268-270

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はじめに

　超音波検査をはじめさまざまな画像検査が発達した現代において，視診・触診は軽視される傾向にあるが，患者を目の前にしてまず視診・触診を正確に行うことは，その後の診察や検査を選択し，治療を行っていくうえでやはり重要である。

頸部リンパ節腫脹の画像診断―超音波検査― 寺田　星乃 , 花井　信広 38巻3号 , 2022年3月 , pp.271-274

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はじめに

　超音波検査は安価で簡便，低侵襲であり，リンパ節内部の構造を詳細にリアルタイムで観察できるため，頸部リンパ節腫脹をきたした症例ではよい適応となる。リンパ節は体内に800個あり，そのうち300個が頸部にあるといわれている^1）。リンパ節のサイズは頸部の部位，年齢，性別によって変化し，一般的に顎下や上頸部のリンパ節は大きい傾向がある。これは口腔内の炎症により反応性腫大をきたしやすいためである^1）。何mm以上をリンパ節腫脹とするか，という点に関して最大短径で5mmや8mm，10mmといった報告があるが，議論のあるところである^2）。Furukawaらはリンパ節の厚みが6mmを超えるとリンパ節転移との鑑別が必要と報告している^3）。

頸部リンパ節腫脹の画像診断―CT・PET-CT検査― 松尾　美央子 38巻3号 , 2022年3月 , pp.275-279

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はじめに

　頸部リンパ節腫脹は，耳鼻咽喉・頭頸部外科診療において，日常的に遭遇する疾患である。ただし，約70～80％は上気道炎などに伴う非特異的な反応性リンパ節腫脹であり^1,2），発熱や咽頭痛，咳嗽などの症状も認められることから，臨床的にリンパ節腫脹の原因が推測可能である。そして以上のような症例は，経過観察や抗菌薬投与など，2週間程度の保存的加療で縮小することが多い^1,2）。臨床上問題となるのは，このような経過をたどらない非典型的な症例と思われる。このため本稿では，その他の臨床症状に乏しく，リンパ節腫脹が主体である症例の診断・鑑別方法のポイントについて，CT・PET-CT所見を中心に解説する。

頸部リンパ節腫脹の画像診断―MRI検査― 橋本　香里 38巻3号 , 2022年3月 , pp.280-284

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はじめに

　頭頸部はリンパ組織に富んでおり，全身のリンパ節の約30％が存在している。そのため，日常診療において炎症などによる反応性リンパ節腫脹に遭遇する頻度は高い。一方，頭頸部癌はすべてのがんの5％ほどだが頸部リンパ節転移を生じやすく，転移の有無がその予後を大きく左右する。頸部リンパ節腫脹を認めた場合，頭頸部癌のリンパ節転移なのか，その他がんからの転移や悪性リンパ腫，もしくは良性リンパ節腫脹なのかを鑑別することが非常に重要である。

頸部リンパ節腫脹の穿刺吸引細胞診関水　真理子 38巻3号 , 2022年3月 , pp.285-288

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はじめに

　頸部リンパ節の穿刺吸引細胞診（fine needle aspiration cytology：FNAC）は，安全かつ容易に検体の採取が可能な手技であり，初期診断および悪性腫瘍の転移や再発の評価に有用な検査である。本稿では，その手技と報告書の解釈，細胞診以外の検査の有用性について述べる。

頸部リンパ節生検大上　研二 , 戎本　浩史 , 飯島　宏章 38巻3号 , 2022年3月 , pp.289-293

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はじめに

　頸部リンパ節腫脹の診断のためには耳鼻咽喉科領域の内視鏡検査，超音波検査，CT検査，血液検査により原因を検索する。悪性のリンパ節腫脹の鑑別が臨床上最も重要で，穿刺細胞診で良悪性の鑑別が可能な場合もあるが，最終診断のためには組織診断が必要な場合が少なくない。また原発巣不明な頸部リンパ節腫脹の診断には，2017年UICC/AJCC第8版TNM分類^1,2）からは組織学的診断が必須となった。すなわちpl6免疫染色が陽性であった場合はHPV関連中咽頭癌の分類が，またEBV（Epstein-Barr virus）-encoded small RNA（EBER）が陽性であれば上咽頭癌の分類が適用されることとなった。

頸部リンパ節腫脹への対応

化膿性リンパ節炎渡辺　哲生 38巻3号 , 2022年3月 , pp.295-298

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はじめに

　頸部リンパ節腫脹はさまざまな原因で生じる。ここでは化膿性リンパ節炎への対応について述べるが，診断，他の頸部リンパ節腫脹をきたす疾患との鑑別診断も重要であり，他稿と重複もあることをご了解いただきたい。

ウイルス性リンパ節炎橋本　亜矢子 38巻3号 , 2022年3月 , pp.299-302

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はじめに

　頸部リンパ節腫脹は，さまざまな原因で起こり，耳鼻咽喉科外来診療ではよく遭遇する。その多くは炎症性リンパ節腫脹である。炎症性リンパ節腫脹の原因としてはウイルス性・細菌性・自己免疫疾患などに分けられる。

頸部リンパ節結核横井　純 , 丹生　健一 38巻3号 , 2022年3月 , pp.303-306

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はじめに

　本邦における結核は年々罹患率が低下し，2020年に新たに届け出があった結核患者は12,739人であった。しかし，10万人対罹患率は10.1と，欧米先進国の2～3倍近いレベルで（アメリカは10万人対で3.0，2019年）^1），アメリカの1970年代後半の水準である。

トキソプラズマ症實川　純人 38巻3号 , 2022年3月 , pp.307-310

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はじめに

　頸部リンパ節腫脹は耳鼻咽喉科の日常診療において遭遇する機会の多い症状の1つである。その多くが細菌感染やウイルス感染による炎症性疾患であり，抗菌薬の投与や消炎治療により軽快するものが多い。しかし悪性リンパ腫や悪性腫瘍のリンパ節転移などの悪性疾患も存在し，診断のために手術を行うべきか経過観察すべきか迷う症例にしばしば遭遇する。頸部リンパ節腫脹を認め，悪性リンパ腫を鑑別に頸部リンパ節生検術を施行した85例について見てみると，トキソプラズマ性頸部リンパ節炎は1例（1.2％）であった^1）。

組織球性壊死性リンパ節炎堤　剛 38巻3号 , 2022年3月 , pp.311-314

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はじめに

　組織急性壊死性リンパ節炎は菊池病，菊池-藤本病とも呼ばれ，1971年に菊池らと藤本らによって初めて報告された^1,2）。若年女性に多く，頸部リンパ節腫脹と疼痛，熱発を主徴とし，感染性リンパ節炎や悪性リンパ腫などとの鑑別が問題となる。

川崎病有本　友季子 38巻3号 , 2022年3月 , pp.315-318

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はじめに

　発熱と頸部リンパ節腫脹を主訴に小児科や耳鼻咽喉科を受診するケースは多い。発熱を伴う頸部リンパ節腫脹の場合，細菌性の頸部リンパ節炎や川崎病，悪性腫瘍，膠原病，免疫異常等が鑑別にあがる。特に川崎病では，冠動脈瘤のような重篤な合併症を生じうるため，早期に診断し適切な治療介入に遅れを生じないことが重要となる。冠動脈病変は未治療例の20％に認められたと報告されている^1）。川崎病では発熱はほぼ必発であり，初発症状は発熱と頸部リンパ節腫脹のみで，後から川崎病の典型的臨床症状が徐々に出現するケースもあり，注意が必要である。耳鼻咽喉科に最初に受診した場合には，小児科医と十分に連携し，診断や治療を進めていく必要がある。

PFAPA症候群原　真理子 38巻3号 , 2022年3月 , pp.319-321

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はじめに

　periodic fever，aphthous stomatitis，pharyngitis，and cervical adenitis（PFAPA）症候群は，1987年にMarshallらによって提唱された自己炎症性疾患であり^1），周期性発熱疾患のひとつでもある。小児期における周期性発熱疾患では最も発症率の高い疾患である。本邦での正確な罹患率はわかっておらず，海外では5万人に1人程度と報告されていたが^2），近年では以前よりも認知が広がっており，一般診療において遭遇しうる頻度の疾患であると考えられる。やや男児に多いが明らかな性差はない。発症年齢は月齢11カ月～4歳頃が多く，年長児や成人での発症もみられる。

メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患犬塚　絵理 , 荒木　幸仁 38巻3号 , 2022年3月 , pp.323-326

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はじめに

　メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患（methotrexate-associated lymphoproliferative disorders：MTX-LPD）はメトトレキサート（methotrexate：MTX）投与中の患者に発生するリンパ増殖性疾患（lymphoproliferative disorders：LPD）と定義される。1991年にEllmanらが最初に報告して以来^1），MTX使用症例の増加に伴いMTX-LPDの報告も増えてきている。WHOによるリンパ系腫瘍の組織分類第4版では，「他の医原性免疫不全症関連リンパ増殖性疾患」の1つとして取り扱われている^2）。

がんの頸部リンパ節転移小出　暢章 , 別府　武 38巻3号 , 2022年3月 , pp.327-329

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はじめに

　頭頸部癌においてリンパ節転移の有無は重要な予後規定因子であり，その適切な評価が治療方針の決定に必要となる。診断は問診および視診・触診を行い，超音波検査，CT検査，MRI検査，PET/CT検査などにより総合的に判断する^1）。

悪性リンパ腫家根　旦有 38巻3号 , 2022年3月 , pp.330-332

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はじめに

　頸部の悪性リンパ腫で注意すべき重要なポイントは，その腫脹が悪性リンパ腫であるのか，生検するならいつどのように行うのかが大きなポイントである。炎症によるものか，転移性によるものかの見極めが悪性リンパ腫の診断の重要なキーポイントになる。悪性リンパ腫は特殊な症例を除いて臨床症状はよく似たパターンが多く，問診と身体の観察である程度推測できる。しかし，最終的には生検による確定診断が必要であるため，リンパ節生検のタイミングが重要である。

連載　古典あれこれ

生体の声帯長を測る―藤田馨一の工夫と努力― 廣瀬　肇 38巻3号 , 2022年3月 , pp.334-338

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　東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室の第4代教授であった颯田琴次（以下，本稿ではすべて敬称略）は，そのユニークな学風と，日本音響学会の創立に見られるような耳鼻咽喉科の枠を超えた先見的な活動で歴史に残る斯学の先達であった^1～4）。しかし颯田の最大の業績は，多くの優秀な弟子の研究指導に成果を挙げたことと言っても過言でなく，その高弟には白岩俊雄，切替一郎，堀口申作らの，後年に日本耳鼻咽喉科学会のリーダーとなった諸氏がある。これらのうち，切替・堀口論文については，本シリーズですでに紹介している^5）。これら諸氏に引き続いて，さらに多くの教室員が颯田の研究・論文指導を受けることとなった。その中でとくに目を引くのは，第二次世界大戦の最中に発表された藤田馨一の声帯長測定に関する研究である。図1に藤田論文の冒頭部分を示す^6）。

連載　診療つれづれ

耳鼻咽喉科とえんげのクリニック加藤　健吾 38巻3号 , 2022年3月 , pp.339-341

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はじめに

　私は東北大学病院で耳鼻咽喉科の嚥下外来や嚥下治療センターで嚥下障害の診断と手術を担当していましたが，2020年5月，50歳を機に一般耳鼻咽喉科に加えて嚥下診療を行う診療所を開院しました。診療所で嚥下診療がどこまで可能なのか懸念もありましたが，試行錯誤を重ねて現在に至っています。耳鼻咽喉科診療所での外来嚥下診療について，当院の取り組みをご紹介したいと思います。

連載　外来診療に役立つ機器・材料・薬剤

フィルム法による咀嚼力の測定に役立つキット渡邊　賢礼 , 弘中　祥司 38巻3号 , 2022年3月 , pp.342-346

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はじめに

　食物摂取の際に食材を噛み砕き，唾液と混ぜ合わせ嚥下しやすい形態にする動作を “咀嚼” と呼ぶが，咀嚼の能力は単に「噛み合わせる力がどのくらいか」ではなく顎口腔系が食物を切断・破砕・粉砕し唾液との混和を行いながら食塊形成をして嚥下動作を開始するまでの一連の能力が重要である。

連載　わたしの研究歴

耳管開放症と側頭骨外科―私のライフワークの見つけ方― 小林　俊光 38巻3号 , 2022年3月 , pp.347-352

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はじめに

　耳鼻咽喉科医になって早いもので45年が過ぎた。ライフワークは，と聞かれた時には “耳管開放症” と “側頭骨外科” と答えるようになった。本稿では，それぞれに辿り着いた過程を書いてみたい。

連載　症例をどうみるか

メニエール病様症状を呈した頸静脈球型グロムス腫瘍の1例関　沙織 , 杉山　智宣 , 吉田　沙絵子 , 菊池　さおり , 飯野　ゆき子 38巻3号 , 2022年3月 , pp.353-356

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はじめに

　頸静脈球型グロムス腫瘍は，頸静脈球外膜の傍神経節から発生する傍神経節腫瘍である^1）。今回，めまい発作・耳鳴・進行する感音難聴というメニエール病様症状で発症し，頸静脈球型グロムス腫瘍の診断に至った1例を経験したので報告する。

基本情報

JOHNS
38巻3号
(2022年3月発行)

電子版ISSN：印刷版ISSN：0910-6820 東京医学社

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総論

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