特集 頸部リンパ節を見直す
頸部リンパ節腫脹への対応
川崎病
有本 友季子
1
Yukiko Arimoto
1
1千葉県こども病院耳鼻咽喉科
キーワード:
頸部リンパ節腫脹
,
川崎病
,
小児
Keyword:
頸部リンパ節腫脹
,
川崎病
,
小児
pp.315-318
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000078
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はじめに
発熱と頸部リンパ節腫脹を主訴に小児科や耳鼻咽喉科を受診するケースは多い。発熱を伴う頸部リンパ節腫脹の場合,細菌性の頸部リンパ節炎や川崎病,悪性腫瘍,膠原病,免疫異常等が鑑別にあがる。特に川崎病では,冠動脈瘤のような重篤な合併症を生じうるため,早期に診断し適切な治療介入に遅れを生じないことが重要となる。冠動脈病変は未治療例の20%に認められたと報告されている1)。川崎病では発熱はほぼ必発であり,初発症状は発熱と頸部リンパ節腫脹のみで,後から川崎病の典型的臨床症状が徐々に出現するケースもあり,注意が必要である。耳鼻咽喉科に最初に受診した場合には,小児科医と十分に連携し,診断や治療を進めていく必要がある。
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