胃と腸 27巻8号 (1992年8月)

今月の主題 表面型大腸腫瘍の臨床診断の諸問題

序説

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 胃では,大きいもの,中くらいのもの,そして微小なものへと診断の話が進んだ.ところが,大腸では,一挙に微小なものに内視鏡診断と病理診断が突入した.工藤のパイオニア的業績で,この診断が日本のお家芸となった.見たことのない外人に,それは日本の風土病である,と言われようとも,脱水状態をおこしているような欧米の診断スタイルと日本のそれとが,これほどにも違うと議論にもならない.現に,工藤は,既に彼自身でスウェーデンで見つけているし,X線診断上からいっても,外人の誰もが納得している診断学の確固とした王道を歩んでいるのを外人も知っている.外国の内視鏡をするものだけが,とぼけた言辞を弄しているだけである.

 大腸癌取扱い規約で早期癌の諸型を決めたとき(1980),幻のⅡb,Ⅱcの型を想定した.癌学会のシンポジウムで,その考えを延長したものの(1982),それが,西澤の実体顕微鏡によるⅡbの発見,工藤の業績で,話は現実のものとなったのである.

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要旨 平坦ないし陥凹を有する表面型大腸上皮性腫瘍43病変を対象とし肉眼型分類の問題点およびX線診断について検討した.肉眼型は割面ルーペ像にてⅡb型:腫瘍部が辺縁非腫瘍部と比べて平坦なもの(10病変),Ⅱc型;腫瘍部が辺縁非腫瘍部と比べて陥凹しているもの(7病変),Ⅱc+Ⅱa型:非腫瘍よりなる周辺隆起を伴い腫瘍部が正常粘膜と比べて平坦ないし陥凹しているもの(10病変),Ⅱa+Ⅱc’型:非腫瘍よりなる周辺隆起に比し中心腫瘍部は陥凹しているが正常粘膜と比べて高くなっているもの(4病変),Ⅱa+Ⅱc型:中央に陥凹を有し周囲に腫瘍よりなる隆起を伴うもの(12病変),に分類した.割面ルーペ像と内視鏡所見の対比により,Ⅱa+Ⅱc型を除く他の肉眼型では腸管内の空気量の変化や切除標本の伸展程度にて肉眼形態は変化し,肉眼分類に関しては一定した伸展状態で論じる必要があると思われた.肉眼型別X線描出率はⅡb型30%,Ⅱc型71%,Ⅱc+Ⅱa型90%,Ⅱa+Ⅱc’型50%,Ⅱa+Ⅱc型100%であった.描出された病変のX線像は肉眼型や大きさに関係なく透亮像を伴う不整形バリウム斑であった.また病変周囲のnetwork pattemが描出されたものでX線描出率が良好であった.平坦・陥凹型大腸上皮性腫瘍のX線描出には腸管を過伸展させずに周辺隆起を残存させることと,大腸の微細模様であるnetwork patternの描出されたX線写真の撮影を心掛けることが必要と思われた.

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要旨 5mm以下の表面型大腸腫瘍119例128病変(表面隆起型78病変,表面平坦型3病変,陥凹をみる型47病変)のうち陥凹をみる型を主な対象とし,X線の立場で拾い上げ診断の現状と撮影手技を検討した.また,得られた病理割面像の解析から臨床像(X線像・内視鏡像)の分析も同時に行った.ルーチンX線検査を施行した陥凹をみる型46病変のうち13病変(28.3%)を拾い上げ,後のX線像の見直しで発見した病変を含めると計22病変(47.8%)を描出した.また,腹臥位撮影がなくしては診断できなかったものが8病変(25.0%)あった.中心陥凹の描出には"網の目像"の描出は必須条件ではなかった.病理割面像を解析すると,内視鏡的粘膜切除術で得られた材料は非生理的に過伸展された状態であった.この条件下で,臨床像との評価に耐えうる病理割面像は表面型腫瘍全体の60.9%で,更にこの中でも臨床像との一致をみたものは61.5%(表面隆起型61.5%,表面平坦型50.0%,陥凹をみる型64.9%)であった.陥凹をみる型のうち,いわゆる相対的陥凹の病変がその多くを占め,胃のⅡcとは形態的に異なった.また,臨床像(X線像・内視鏡像)から腫瘍の拡がりを確実に認識することは未だ内視鏡的検査でも難しい.X線検査は総合的な診断では内視鏡検査に劣るが,拾い上げ診断には寄与するところが大きい.X線診断の領域は,経過を追求できる像を残すことと,その客観性のある像の解析にある.

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要旨 表面型大腸腫瘍85病変(癌52,腺腫33)の内視鏡(拡大内視鏡も含む)所見を中心に,その肉眼型分類と質的診断に関する問題点を検討した.癌ではⅡcが最も多く,腺腫ではⅡcとⅡaが同数であった.Ⅱcはその大半(約70%)が,陥凹周囲に反応性過形成粘膜の隆起を伴っていた(Ⅱc+ME).これら病変の内視鏡と組織ルーペ像での形態分類は両者間で少なからず乖離を認めた.病変が微小なほど検査時の空気量や伸展固定の影響を受けやすい.したがって乖離も生じやすく,その場合は無理に分類せず単に表面型微小癌(腺腫)としておけばよいと考えられた.拡大内視鏡観察では,反応性過形成粘膜は大型円形ピット,腺腫では大型管状ピット,癌では小型類円形ピットや無構造所見を多く認めた.

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要旨 陥凹型早期大腸癌の特徴を明らかにする目的で表面陥凹型早期癌44病変(m癌33病変,sm癌11病変)を対象とし,その内視鏡像,実体顕微鏡および病理組織学的所見について検討した.陥凹型は5mm以下よりsm癌が存在し,他形態の早期癌と比較した場合sm癌の占める割合とその深部浸潤度が極めて高く,臨床的には小サイズ(10mm以下)での発見が必要であった.陥凹底部の凹凸不整や陥凹部における不整・無構造なpitの存在はsm massive癌を強く示唆する所見であり,陥凹表面の観察はsm浸潤度診断に有用と思われた.内視鏡的に褪色調を呈する腫瘍の多く(80.0%)は非腫瘍部にmelanosisを有していた.大腸進行癌への発育・進展上,絶対および相対陥凹型はいずれの形態も重要な初期病変と考えられる.

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要旨 大腸表面型腫瘍の診断について,注腸X線検査を中心に検討した.検査受診動機では,無症状例が多かった.初回診断法としては,約20%がX線によるものであったが,読影時に指摘されていなかった例もあった.病変発見の手掛かりは,内視鏡検査においては,発赤や血管透見像の消失が重要であったが,X線的には陥凹型病変を含め,隆起としての透亮像が存在診断のきっかけであった.全体の描出率はルーチン検査で55%,精密検査で約89%である.X線描出に影響を与える背景因子として,肉眼形態,病変最大径,存在部位,X線の画質が考えられた.陥凹面の描出率は約65%であり,不整星状を呈する陥凹で描出率が高かった.通常のX線装置でも一定の条件が揃えば,微小陥凹型を含めた表面型腫瘍は良好に描出が可能であり,条件を整える工夫と注意深い読影が大切であると思われた.

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要旨 内視鏡で表面型腫瘍と診断した79病変について病理組織との対比,X線学的検討を加え以下の結論を得た.(1)表面隆起型:①内視鏡的に診断されたⅡa(Ⅱa’)は病理組織学的には病変が大きくなるにしたがい高さが低いものをⅡaと診断していた.Ⅱa’と診断した病変の高さは1mmを越えるものはなかった.②ルーチンX線検査では小さく,低い病変が描出困難であった.(2)平坦・陥凹型:①病理組織所見と内視鏡所見の対比では様々なdiscrepancyが認められたが,X線で陥凹が描出された病変についてはdiscrepancyが少なく両方法による病型はよく一致し,肉眼型の決定には内視鏡,X線所見を重視する必要が示唆された.②陥凹型のX線所見の特徴は周囲に透亮像を伴う淡いバリウム斑であり,加えてその透亮像の境界線は隆起型に比較して不明瞭であった.

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要旨 実体顕微鏡を用いて473個の大腸腺腫と144個の大腸早期癌の表面微細構造および辺縁像を観察し,肉眼形態および病理所見との対比を行った.腫瘍の表面微細構造は1:管状型(338病変),Ⅱ:脳回状型(136),Ⅲ:絨毛型(16),Ⅳ:微細密集型(85),Ⅴ:荒廃型(42)の5型に分類できた.Ⅰ~Ⅲ型の表面構造を示す病変では,隆起型の良性腺腫(腺管腺腫,腺管絨毛腺腫,絨毛腺腫)が優勢で,表面構造の変化は組織型の違いをよく反映していた.一方,Ⅳ型は表面型腫瘍の頻度が高く,特に表面型の粘膜内癌が多くを占めた.Ⅴ型ではsm癌の頻度が極めて高かった.更に,腫瘍の辺縁像を検討した結果,腫瘍と非腫瘍部の境界が明瞭で外に凸の輪郭を示す群と,境界が不明瞭で波状の不整像を示し,正常粘膜側に過形成pitを認める群に大別され,前者で隆起型腺腫と腺腫内癌の頻度が高く,後者では表面型の腺腫と粘膜内癌およびsm癌の頻度が高かった.特に,後者の所見が明瞭になるほどsm浸潤が高度となる傾向がみられた.以上の成績より,解像力の高い診断機器を用いて表面微細構造と辺縁像を観察することによって,腫瘍の組織像と深達度を切除前に推定できる可能性が示唆された.

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要旨 陥凹型早期癌は隆起がないことから発見が難しい病変である.しかし本病変は小さくとも深達度進展の速いものが多く,臨床的に最も注意すべきものである.陥凹型病変の実体顕微鏡と拡大電子スコープのpit pattemの特徴について述べた.拡大電子スコープは病変のpit patternを観察するものであり,それにより限りなく組織診断に近い内視鏡診断が可能になった.このことは内視鏡診断学の一層の飛躍を示すものであると考えられた.

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 患者は39歳,男性.心窩部痛が出現して近医を受診し,手術が必要とされて当科に紹介された.術前の胃透視,胃内視鏡検査で胃体中部後壁に蚕喰状の境界を示す陥凹病変を見出した.

 胃透視上,集中する躾先端に棍棒状腫大や融合は認められないが,陥凹面に活動性潰瘍と結節状の小隆起が存在して,陥凹は多彩な様相を示すのがみられた.また内視鏡検査では陥凹から周囲にかけての伸展は悪く,硬い印象を受ける.このため固有筋層以上に浸潤した早期類似進行胃癌と深達度を診断した.生検:でもGroup V,porと組織診断され,胃全摘術を施行した.

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 〔患者〕44歳,女性.周期的(2~3週ごと)に反復する便秘および腹痛を主訴として来院.

胃と腸ノート

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 早期大腸癌の内視鏡的切除の適応は,リンパ節転移のリスクを考慮すれば,深達度sm1までである1).しかし,内視鏡的に表面性状の違いにより,sm1かsm2か判断することは極めて困難であり,手術すべきものか?内視鏡的切除で十分か?の判断に対する明確な客観的指標は今のところ存在しない.実際的には,生検で癌と診断されている場合は,とりあえずstrip biopsyを試み,生理食塩水を注入しても病変が持ち上がらない場合は,sm massiveの可能性が高いので,内視鏡的切除を諦めて,手術切除へと治療を決定している場合が多い2).だが,この方法では透明な生理食塩水による隆起と病変との区別が難しく,客観的指標とはなりえない.筆者らは,生理食塩水に色素を加えることによって,注入で形成された隆起と病変の隆起を明瞭に区別することを可能とした.これにより,癌の浸潤がsm2以下の場合,病変が挙上しない“non-lifting sign”として明瞭に示される.

 Fig.1は,S状結腸の9mmの高分化型腺癌である.中央がわずかに陥凹しており,Ⅱa+Ⅱcであるが,表面性状はノッペリとしており,びらんもなく,これだけではm癌かsm癌かの区別すら不可能である.そのため,病変の辺縁3か所に色素入りの生理食塩水を注入したところ,隆起病変の肩の部分が完全に消失し,色素が透見される注入部位のみが隆起し,病変全体は挙上せず,むしろ相対的に陥凹した.この所見(non-liftingsign)から,smへmassiveに浸潤した癌と診断し,開腹手術の治療を選択した.隆起しなかった原因を組織学的に立証するために,開腹手術前日に色素を注入したときと同様に墨汁を注入した.手術により摘出された病変の深達度はsm2であり,墨汁は癌組織の手前で.止まっていた(Fig.2).粘膜下組織に浸潤した癌の周囲では,密に交錯する線維増生が生じており,これが粘膜下層で剥がれなかった原因であった.

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 胃癌の診断は微小胃癌,Ⅱbの発見に目が向けられ,大きな成果をあげている.しかし,胃底腺領域の癌は他の領域の癌と異なり,小さなうちに粘膜下へ浸潤し,比較的短期問にIinitis plastica(LP)型亨函の状態になりやすいと言われている.潰瘍を伴わない小さな未分化型のⅡcを胃底腺領域に発見することこそ,LP型癌の早期発見と言ってよかろう.

 ここに,瀑状胃を呈した胃体中部大轡前壁寄りの小さなⅡc(38歳,男性)の症例を呈示して,そのX線撮影法とX線像,内視鏡像,切除胃標本の所見について述べる.

用語の使い方・使われ方

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 消化管に多発性潰瘍が発生するとき,潰瘍と潰瘍の間に残存した粘膜が再生過程でポリープ様に隆起するが,この状態を炎症性ポリープと呼称する,消化管のあらゆる炎症性疾患で発生するが,特に小腸や大腸に好発する.活動期よりも,炎症が消槌傾向に向かった時期のほうがポリープの形態は明瞭になる(Fig.1).

 その形態は炎症の程度によって左右されるが,通常は小さく細長いポリープや円形ポリープである(Fig.2).粘膜橋(mucosal bridge)や粘膜垂(mucosal tag)を形成することもある.ポリープの数も様々で,多発すると炎症性ポリポーシスと呼ばれる.単発性に比較的大きいポリープが発生することもあり,腺腫や若年性ポリープとの鑑別を要することもある.

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 Henning signは現在のアングル機構の優れた胃内視鏡が出現する以前に多用されていた内視鏡所見の記載用語である.

 Schindler著の「Gastroscopy」(Hafner Publication Co,1950)では“胃潰瘍が胃角の直上かまたはその直下に存在するときに,その放物線状の輪郭がgothic arch状の特有の変形を示す.Henningが最初にこのサインを記載したため,‘Henning sig’と呼ばれている.またこの所見はangulusのscarの場合も見られる”と記載されており,本邦では1966年発行の,田坂定孝ら監修「胃カメラとその臨床」にも同様な記載が見られる.昔,胃鏡やアングル機構の乏しい胃カメラなどでは胃角を正面視することが困難で,胃角は体部より見下ろす形で観察されることが多く,したがってこのHenning signは胃角部に存在する潰瘍の重要な内視鏡所見であった.しかし,現在はスコープの改良で胃角病変は直接視するようになり,胃角を体部から眺めて診断する必要がなくなった.更に抗潰瘍薬の進歩で潰瘍部分の線維化も少なくなり,典型的なHenning signが見られる例は少なくなっている.したがってHenning signの重要性は薄れており,現在では歴史的な用語となった感がある.

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要旨 患者は47歳,男性.6年前より食事時のつかえ感あり.このとき,近医の胃X線検査で食道拡張を指摘された.1991年の人間ドックで食道の異常を認め,当科へ紹介となった.食道X線検査では,著明な拡張とS字状の蛇行および不規則な収縮波を認めた.また,ⅠmからEiにかけて,表面がわずかに凹凸した3.3cm大の亜有茎性隆起性病変とその周囲のバリウム付着異常部を認めた.食道内視鏡検査では,切歯列より約26cmから38cmの12時~7時に発赤調の0-Ⅰ+Ⅱa+Ⅱc型病変を認め,ヨードに不染であった.以上より,食道アカラシアとこれに合併した食道癌と診断した.超音波内視鏡検査では,食道全域の拡張と壁の肥厚が認められ,0-1型腫瘍部での深達度はmpと診断した.病理組織学的には拡張した食道全域にわたり神経節細胞の減少と神経線維の変性,内輪筋を主とした食道壁の肥厚が認められ,アカラシアと診断された.また,これに合併した中分化型扁平上皮癌は,深達度mp,1y(+),v(-),n:1/76であった.

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欧文目次

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 Polypoid lesion of the gallbladder;diagnosis and indications for surgery:Yang HL,Sun YG,Wang Z(Br J Surg79:227-229,1992)

 超音波あるいは病理学的に胆囊のポリープ性病変(polypoid lesions of the gallbladder;PLG)と診断された182人の患者での超音波診断の信頼性およびPLGの手術適応について検討を行った.

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 「今日の検査指針」第2版は,約4年前に刊行された第1版が臨床医に好評であったのに応えてかなりの手を加え,"今日の"という役割にふさわしく衣替えをしたものである.

 すなわち,新たに経過観察のための検査という章が第3章として設けられ,約200の内科的主要疾患を選んで,それぞれの疾患の経過を追ううえで重要な検査項目を,どのように選択するかという記述が加わった.これらについては急性期と回復期に分けて必要な検査回数も指示してある.これは臨床医にとって日常実際に必要性を痛感する指針である.疾患別の経過のマーカーとしての学問的必要さというだけでなく,保険請求上も許容できる回数ということを意味しているとなると,現在の診療上,更に有意義な着眼と言わざるをえない.この項目のみでも本書の有用性は倍増した観があり,将来はもっと疾患の数を増やし,細かく記述していただくと更に価値あると思われる.

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 大先輩の方々が企画・執筆された著書の書評など私の任ではないが,ご指名ということなので2,3感想を述べたい.

 医学は日新月歩であり,これに医師が追随してゆくためには,たゆまぬ努力が必要である.また,医学を進歩させている側としてはこれを普及させるための努力をする義務と責任があると思う.医師はこれまで,これを専門書,雑誌などに頼るほかはなかった.しかしAmerican College of Surgeonでは,多くの方々がご存じかと思うが,以前からSurgical Education and Self Assessment Program(SESAP)があって,一般外科領域における自己のassessmentを自分自身で行うことができるようになっている.これによって広く進歩していく医学を身につけることができ,その解答が返送されることにより,採点され,その個人が全体のどの位置にあるかもわかり,今後の努力の指針ともなっている.

編集後記 八尾 恒良
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 既に幾つかの他誌で取り上げられたテーマであるので,うまく編集できたかどうかと心配した.結果はご覧のとおり,執筆者によって一様ではないが,多くの論文が「胃と腸」らしい手法と発想に満ちあふれていると思う.

 本号をみて気がついた点は,①実体顕微鏡所見と病理所見はよく対応する(多田論文,ただし工藤論文は未着),②X線・内視鏡所見と実体顕微鏡所見,ルーペ像はうまく対応できない(平川ら,渡ら,平田ら,津田らの論文),ということであろう.したがって,臨床所見と病理所見を一致させるには,②の点をどう解決するかが問題のようである.そういった意味で,"表面型"大腸癌の肉眼分類は,慎重に,そして従来の分類とは別の視点に立った検討が必要であろう.

基本情報

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胃と腸
27巻8号 (1992年8月)
電子版ISSN:1882-1219 印刷版ISSN:0536-2180 医学書院

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