精神医学 59巻3号 (2017年3月)

特集 ADHDをめぐる最近の動向

特集にあたって 金生 由紀子
  • 文献概要を表示

 注意欠如・多動症(attention-deficit/hyperactivity disorder;ADHD)は,不注意,多動性,衝動性で特徴付けられ,DSM-5で設定された神経発達症群(neurodevelopmental disorders)に含まれる。わが国では,DSM-5で新たに位置付けられる前から,自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder;ASD)と並ぶ代表的な発達障害とされてきた。かつては成長に伴って軽快することが多いとされていたが,最近では成人期になってから不適応を生じて初めてADHDと診断される場合も少なからずあるとされている。そして,小児期のADHDと成人期のADHDが本当に連続しているのかという問題も提起されるようになった。

 また,かつてはカナー型ともいえる典型的な自閉症とADHDは異なることが強調されてきたが,スペクトラムという考えが浸透するにつれてその関係に変化が生じて,DSM-5ではADHDとASDは併存可能となった。さらに,ADHDの病態としては実行機能と報酬系の障害が中心とされたが,それ以外の機能についての検討も進んでおり,それに伴って情動や衝動制御の問題にも関心が持たれている。

  • 文献概要を表示

はじめに

 小児期から成人期にかけての脳の発達に関する古典的な研究としてピアジェやエリクソンによるものが知られている。ピアジェは感覚運動期から形式的操作期までの知能の発達段階について提唱し21),一方でエリクソンは第1段階から第8段階までの社会性の発達段階について提唱した9)。これらの研究は,たとえ注目する機能が違うとしても正常発達において脳が連続的に発達することを示唆している。では今回のテーマである注意欠如・多動症(attention deficit/hyperactivity disorder;ADHD)においては小児期から成人期にかけて連続的なのか,それとも非連続的なのだろうか。ADHDは不注意,多動性および衝動性という中核症状によって特徴付けられる発達障害である。かつてADHDは小児期にのみにみられる疾患であり,成人になるにつれ症状は軽快していくものと認識されていた。その後,ADHDと診断された小児のうち約50%が成人期まで何らかの症状が持続し17),約35%は成人期にもADHDの診断基準を満たすと報告され4),成人期においてもADHDはみられると認識されるようになった。このように,成人期でのADHDは小児期からの連続的であるとされていたが,ここ最近,成人期と小児期ADHDがすべて連続的であるのではなく,成人期になって初めてADHD症状が出現するという不連続性の可能性も議論されるようになっている。そこで,小児期ADHDと定型発達との連続性について論じた上で,小児期と成人期ADHDとの連続・不連続性について論じることとする。

  • 文献概要を表示

はじめに

 今日のADHD(attention deficit/hyperactivity disorder)に相当する症例についての報告は18世紀末の論文が知られているが5),本格的な学術的な論文としては,英国のStillらによる報告に始まると言われている11)。Stillは,脳炎や脳腫瘍など脳の器質的疾患の既往を持ち,多動や衝動性を示して行動面で抑制が欠如し,「環境への適切な認知」,「道徳意識」に障害を示す症例を報告した。こうした症例は後にStill病と呼ばれることとなった。この後20世紀の初頭において,脳炎の後遺症としてStill病と同様の症状が少なからず認められることが報告された。こうした流れの中で,ADHDは脳のなんらかの器質的な障害を背景に持つと考えられるようになった。つまり,当初の出発点としては,ADHDは生来のものではなく,ある意味「後天的」な疾患であるとみなされていた。

 このような考え方を引き継いだのが,MBD(微細脳損傷,微細脳機能障害)の概念である10)。この考え方は1980年代ごろまでは広く認められたものであり,今日のADHDはMBDの中に含まれていた。MBDは,周産期などにおける微細な脳障害が原因で,幼少時より,多動・衝動性,不注意や学習面での障害,神経学的な軽度の異常(ソフトサイン)を示すものと定義された。ちなみに,今日の「学習障害」についてもMBDに含まれており,ADHDと区別がつけられていなかった。ここにおいても,ADHDはある種後天的な疾患であるとみなされていたわけである。この「周産期の障害」という仮説は,「親の養育の問題」と並んで,精神疾患における原因仮説としてしばしば取沙汰されるものであり,統合失調症においても,数多くの議論が行われてきた9)。ADHDにおいても,産科的合併症が高頻度であることは示されているが7),その病態における意義については現在まで明確な結論は得られていない。

 このように,ADHDは明確なエビデンスがないまま後天的な成因を持つ脳の器質的な疾患であると長く信じられてきたが,近年の画像診断学的研究において,かつてのMBDの概念はほぼ否定されている。このため,最近の診断基準においては,臨床症状から病名が付けられるようになっている。またADHDの成因については,ノルアドレナリン,ドパミンなどの神経伝達物質の機能障害説が提唱されているが,この点についても確定的な証明は得られていない。こうした中で,ADHDの発症には遺伝的な要因の関与が大きいことが明らかにされ,ADHDは生来のものであるという考え方が最近の主流であり,DSMなどの診断基準においてもそのような想定に基づいて記載がされている。

 ところが最近になり,ADHDには従来の幼児期,小児期から症状発現がみられるものに加えて,思春期以降,時には成人になって発症する「遅発性」の一群があるという報告がいくつかの研究グループから発表された。本稿においては,この小児期のADHDと成人期のADHDの連続性の問題について,最近の研究報告を中心に検討を行いたい。

  • 文献概要を表示

はじめに

 ADHD(attention-deficit/hyperactivity disorder)は不注意と多動性・衝動性を主症状とした神経発達症の一つである。大人のADHDについて,近年さまざまなメディアで取り上げられることが増えてきている。これは,DSM-5で成人期のADHDがより診断しやすくなったことや,適応の拡大で成人期のADHDにも薬物療法を行うことが可能となったことなどが影響しているものと思われる。近年,成人期のADHDは,小児期から症状が持続していると考えられるものだけではなく,成人期になって診断閾値を超えたと判断されるグループもいるのではないかと考えられている2,6,13)。前者に比べれば,後者のほうがより環境因の影響が大きい可能性もあり,非薬物療法の比重も比較的大きくなるのではないかと思われる。当診療部では薬物療法の適応が可能となる以前より,大人のADHDの支援または非薬物療法に取り組んできたため,比較的心理社会的治療の比重が大きい状況である。

 本稿では,成人期のADHDの治療・支援についての考察を行い,当診療部で行っている治療についても紹介する。

  • 文献概要を表示

はじめに

 ADHD(attention-deficit/hyperactivity disorder)は併存障害の多い障害であり,他の精神科的障害やASD(autistic spectrum disorder)などの発達障害と併存することが多い。総論的な内容については別に記載した8)。本稿では,主に成人例を念頭にASDとADHDの合併症例の特徴や治療方針について述べる。

ADHDの情動制御の問題 石井 礼花
  • 文献概要を表示

はじめに

 ADHD(attention deficit/hyperactivity disorder)の不注意や衝動性の症状は,遂行機能の問題が主に関連するといわれてきたが,近年,情動制御の問題がADHDの症状に関連していることに注目が集まっている。DSM-5においては,診断を支持する関連特徴に「欲求不満耐性の低さ,易怒性,気分の不安定性が含まれるかもしれない」と記載されているが,情動制御の問題があることが診断基準には含まれていない2)。しかし,Shawらは,近年の情動制御の問題に関する研究のメタアナリシスにより,ADHDの情動の制御の問題は,ライフスパンを通じて重大な障害の原因となっているとしている25)

 情動制御の問題を議論する場合に,情動の制御の不適切さとは何かを定義する必要がある。たとえば,Thompsonによれば,目標達成のために感情的な刺激に対して柔軟に選択し,見積もる能力のことである(研究によって定義が異なる場合があり,注意が必要であるが,ADHDの研究においてこの定義が引用されていることが多い)30)。情動制御の問題については,DSM-5のどのカテゴリにもあてはまらないものであり,特定の疾患を指すものではなく,次元的なものと捉えられている。近年ADHDに関しても,研究が積み重ねられてきており,さまざまなモデルが検討されてきている。本稿においては,ADHDに情動制御の問題がどのくらい関連しているか,また,生物学的基盤はどのくらい解明されているか,現在までに提案されているモデルについて概観し,ADHDの情動制御の問題への治療についても触れたい。

 なお,本稿における「情動」および「感情」という言葉は,英語原著においては“emotion”であり,同じ英単語である。

  • 文献概要を表示

はじめに

 注意欠如・多動症(attention-deficit/hyperactivity disorder;ADHD)は,不注意,多動性,衝動性といった行動上の特性によって特徴付けられる神経発達症である。さまざまな生物学的要因を基盤に,養育に関連した心理的要因や環境要因,さらに行動統制を要求される現在の生活環境などが複雑に絡み合って症状が惹起あるいは悪循環するといわれる。ADHDの中心症状である衝動性は,さまざまな精神疾患でも認められ,鑑別が求められる。また,それらの精神疾患はADHDの併存症として捉えられる場合もある。本稿では,ADHDの衝動性に関して遂行機能障害や報酬系の機能障害との関連などについて論じ,続いて衝動性が関与する疾患を挙げながらADHDとの関係または併存に伴う影響などについて概説する。

  • 文献概要を表示

ディスレクシアとは

 ディスレクシア(dyslexia)は難読症,読字障害,特異的読字障害ともいわれている。しかし,読字のみの困難を示す例は少なく,書字の障害も通常生じる。したがって,読み書き障害と考えられ,成人期ではなく発達期に生じるために発達性読み書き障害(developmental dyslexia)という表現が最も正確である。ディスレクシアは読み書きの発達が特異的に障害されており,単語認識における正確性かつ(または)流暢性に問題がある特異的発達障害と言い換えられる4)。いわゆる「学習障害」の一つであり,米国精神医学会の精神疾患診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)では神経発達症の一つで,「限局性学習症」ないし「限局性学習障害」(specific learning disorder)に分類されている11)。国際疾病分類第10版(ICD-10)では,学習障害という用語はなく,学力の特異的発達障害F81(specific developmental disorders of scholastic skills)として,特異的読字障害,特異的綴字「書字」障害や特異的算数能力障害などに分けて定義されている25)

 ディスレクシアは,①神経生物学的な原因によって生じるとされる。②主な特徴は,正確かつ(または)流暢に単語を認識することの困難および,つづりや文字の音声化における稚拙さである。③このような困難さは,主として言語の音韻的要素における障害の結果とされる。④工夫された授業や指導環境におかれたとしても,それと関係なしに困難さが存在する。以上4点を満たす特異的な発達障害である8)。本稿では,発達性読み書き障害をディスレクシアと置き換えて,以下述べていく。

  • 文献概要を表示

はじめに

 神経発達障害に,いわゆる「不器用」と呼ばれる協調(運動)の問題を伴う例が多いことは臨床的によく知られている。「協調」とは,視知覚・触覚・固有覚・位置覚などさまざまな感覚入力をまとめあげ,運動意図に基づき運動計画を生成,出力,結果のフィードバックに基づき修正を行うという一連の「脳機能」である。協調はいわゆる体育やスポーツに限らず,ボタン,スナップ,ジッパー,ホックなどを含め衣類の着脱,靴紐の結び,箸やカトラリーの使用など食事,描画や書字,ハサミなどの道具やコンパス・定規などの文具,鍵盤やリコーダーなど楽器操作,バランスや姿勢制御,手と目の協応を必要とする遊び,指先での操作を行うゲーム機,姿勢保持など,さまざまな日常生活や学校生活に深く関係する重要な脳機能のひとつであり,その発達は子どもの学習,認知,社会性,情緒の発達や自己認知,自尊感情とも深く関わっている20)

  • 文献概要を表示

本邦におけるADHD治療の現状

 注意欠如・多動症(ADHD)は,12歳以前から学校,家庭,職場などの複数の場面で認められる発達水準に不相応な多動-衝動性または不注意の一方あるいは両方によって診断される。DSM-Ⅳ-TRに基づく診断で,学童期では3〜7%,成人期では2.5%,DSM-5に基づく診断では,成人期を中心に診断基準が緩和されていることから,成人期の有病率は3.55%(27%増)になるものと推定されているなど7),有病率の高い神経発達症である。

 本邦では,かつてADHDに対する承認薬がなく,メチルフェニデート速放錠が適応外処方として使用されてきた。速放錠の半減期は短いので日中をカバーするためには3分服が必要になるが,学校での服用はプライバシーや薬剤管理の面からも困難であり,朝の1回服用にとどまることが多かった。一定の薬剤の効果は自覚されていたが,メチルフェニデート徐放錠が入手可能となった現在から振り返ると,十分な薬物療法を実施しないままに,薬物療法の効果や是非を議論していたことは否めない。

巻頭言

技術革新の時代 髙橋 三郎
  • 文献概要を表示

 1900年(明治33年),「汽笛一声」で始まる鉄道唱歌は,発表後たちまち日本全国に広まった。大和田建樹の作詞であるこの歌が世に出たのは日清戦争の終結から5年後のことである。東海道の全線が結ばれたのが明治22年,上野・青森間が開通したのは明治24年のことである。「陸蒸気」は明治の開花期には交通機関の花形であり庶民の人気の的であった。はじめは,東京音楽学校教授の上眞行(うえさねみち)と大阪師範の若い音楽教師多梅稚(おおのうめわか)それぞれの作曲による2つの曲が歌われた。「上」流趣味より「多」勢の大衆に親しみやすかったト長調4分の2拍子,たった16小節の単純なメロディが10人編成のチンドン屋により全国をまわって,口から口へと熱狂的に歌われたという。その理由はもちろんその単純なメロディにあるが,東海道線に沿って各地の名所名産をめぐる観光列車の役割を果たしたことにもあるだろう。しかし今日,朝の通勤列車が品川駅に停車するたびにこのいささか間延びした曲を聴くと,100年前の古き良き時代へのノスタルジアよりも何かもどかしささえ感じる。それは僅か14秒だけなのであるが,スマホを見ながら先を急ぐ通勤客には余計なお世話である1)。精神医学ではこの時代はちょうどクレペリン(1899)やブロイラー(1917)が精神症候学に基づいて主要疾患を記述した時代である。

 1926年(大正15年)卒の松沢病院院長H先生は,宴会ともなると芸妓の三味線伴奏で延々と鉄道唱歌を披露した。「汽笛一声新橋を はや我が汽車は離れたり 愛宕の山に入り残る 月を旅路の友として」と歌いだすと,SLの擬音を口三味線で入れ伴奏する人もいて,速くなったり遅くなったり停車したりして東海道を汽車で旅するように歌い上げた。それはその時代のお座敷芸だった。聴き手の我々は早く終わってほしいと思うばかりであるのに,5分間ずっと歌い続け,やっと14節の旧東海道御殿場に着き「はるかに見えし富士の嶺は はや我がそばに来たりたり 雪の冠雲の帯 いつも気高き姿にて」で下車して頂いた。

論文公募のお知らせ

  • 文献概要を表示

「精神医学」誌では,「東日本大震災を誘因とした症例報告」(例:統合失調症,感情障害,アルコール依存症の急性増悪など)を募集しております。先生方の経験された貴重なご経験をぜひとも論文にまとめ,ご報告ください。締め切りはございません。随時受け付けております。

ご論文は,「精神医学」誌編集委員の査読を受けていただいたうえで掲載となりますこと,ご了承ください。

  • 文献概要を表示

抄録

 汎発性皮膚掻痒症を合併した老年期うつ病の症例を経験した。その病像の中心はうつ病およびその身体症状(痒み)による不快感から生じた焦燥であり,これらの症状に対してmirtazapineが著効を示した。一方,その治療過程において,後に治療者の焦燥に対する認識と治療薬の選択,そして精神疾患に関連する皮膚症状についての知識といった問題点が浮き彫りになり,このことが寛解までに費やした時間に影響を及ぼした可能性があると考えられた。痒みはきわめて不快な感覚であり,速やかにかつ適切に対処すべき症状である。器質的な皮膚病変を認めない皮膚掻痒症は精神皮膚科学(psychodermatology)の対象疾患であり,治療には精神医学的介入が重要であることを本症例から学んだ。

  • 文献概要を表示

抄録

 福島県川内村では,東日本大震災の原発事故による全村避難の1年後に帰村を開始し,空白になった精神科医療サービスを再建すべく,村の診療所に月1回の心療内科外来を開設した。4年間で54回診察を行い,受診者はのべ951人(平均73.3歳)であった。診断はPTSDが少ない一方,遷延する慢性ストレス状態が多く,放射能事故の特性と考えた。受診者には高齢者が多く,認知症も目立ち,震災を期に地域の人口減少・高齢化が進んでいることを反映していた。川内村では,帰村者の高齢化率は40.3%に達し,高齢化の進む日本の将来の姿とも言える。連続的かつ継続的な精神科医療支援のためには,コンパクトな診療所モデルが有効と考えた。

  • 文献概要を表示

はじめに

 近年,統合失調症の認知機能障害への関心の高まりとともに,認知機能障害を改善するための認知リハビリテーションが注目されている3)。2010年にイタリアのフィレンツェで開催された国際統合失調症研究カンファレンス(Biennial Schizophrenia International Research Conference)において,広義の統合失調症に対する認知リハビリテーションは認知機能改善療法(Cognitive Remediation Therapy;CRT)という名称ではじめて公式に「認知過程(注意,記憶,遂行機能,社会的認知ないしメタ認知)の持続と般化を伴った改善を目指す行動的トレーニングに基づいた介入」と定義された4)。CRTに関する研究は欧米を中心に行われており,介入効果に関するエビデンスが集積しつつある1,6,11,14)。オーストラリアの心理学者Delahuntyらは,さまざまな先行研究の知見を加味して統合失調症の認知機能障害に対する新たなトレーニングプログラムである「前頭葉・実行機能プログラム:Frontal/Executive Program」(以下,FEP)を開発した2)。FEPの有効性に関してはRCTによって確認されており13),FEPの日本語版は松井らが作成し出版されている5)。日本語版の有効性についても筆者らの研究によって確認されており7〜10),本稿ではその日本語版に基づいてFEPを紹介する。

 FEPを実施する際は,出版社ホームページ(http://shinkoh-igaku.jp/inspection/fep.html)よりトレーニングセット一式を購入することによって可能となるが,セラピストの基準として,1)メンタルヘルス業務に携わる経験を有し,特に統合失調症患者を対象とした経験があること,2)自身の臨床実践の指針となる理論的モデルを利用できること,3)認知機能(遂行機能や注意,記憶)に関する心理学的モデルについて学習し,理解すること,4)機能水準の低い患者とでも一対一でトレーニングができること,といった必要条件が挙げられている。

 実際のトレーニングの方法のデモンストレーションが公開され視聴可能となっている(https://www.youtube.com/watch?v=5oGA9KPzEGk)。今後は,FEPの適切な普及のためにFEP研修会の開催やFEP療法士といった認定資格の創設も検討されている。これらの実施によって本邦におけるFEPネットワークを拡大し,その臨床と研究を発展させていくことが重要課題である。

--------------------

次号予告

今月の書籍

編集後記
  • 文献概要を表示

 最近,アメリカ航空宇宙局(NASA)などの国際チームにより,地球から39光年離れた宇宙空間に,7つの地球規模の惑星が見つかったことが発表されました。木星よりもやや大きい程度の恒星「TRAPPIST-1」の周りを周回し,そのうち3つは生命を育む可能性があると報じられています。小さく暗い太陽の光の下で,私たちとは異なる姿の生命体が生息していることを想像すると夢が膨らみ,今後の観測調査の進展が楽しみです。

 さて,地球上に生息する私たちのなかでは,発達障害が増加しているとされていますが,本号では代表的な発達障害のひとつである注意欠如・多動症(ADHD)を特集しています。成人期になってから診断・治療の対象となるADHD症例が増加していることから,多くの読者にとって関心の高いところと思われます。小児期ADHDと成人期ADHDの連続・不連続(これは児童精神科医と成人精神科医それぞれの立場から論じられています),成人ADHDの治療と支援,ADHDと自閉スペクトラム症(ASD)の併存,ADHDにおける情動制御や衝動性とそれらに関わる種々の併存症,ディスレクシアや発達性協調運動症(DCD)との併存,ADHDの新しい薬物療法と,今日的なADHDの課題について,バランスの取れた包括的な内容となっています。筆者も通読して大変勉強になりました。

基本情報

04881281.59.3.jpg
精神医学
59巻3号 (2017年3月)
電子版ISSN:1882-126X 印刷版ISSN:0488-1281 医学書院

文献閲覧数ランキング(
9月9日~9月15日
)