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編集後記
M. S.
pp.286
発行日 2017年3月15日
Published Date 2017/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205355
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最近,アメリカ航空宇宙局(NASA)などの国際チームにより,地球から39光年離れた宇宙空間に,7つの地球規模の惑星が見つかったことが発表されました。木星よりもやや大きい程度の恒星「TRAPPIST-1」の周りを周回し,そのうち3つは生命を育む可能性があると報じられています。小さく暗い太陽の光の下で,私たちとは異なる姿の生命体が生息していることを想像すると夢が膨らみ,今後の観測調査の進展が楽しみです。
さて,地球上に生息する私たちのなかでは,発達障害が増加しているとされていますが,本号では代表的な発達障害のひとつである注意欠如・多動症(ADHD)を特集しています。成人期になってから診断・治療の対象となるADHD症例が増加していることから,多くの読者にとって関心の高いところと思われます。小児期ADHDと成人期ADHDの連続・不連続(これは児童精神科医と成人精神科医それぞれの立場から論じられています),成人ADHDの治療と支援,ADHDと自閉スペクトラム症(ASD)の併存,ADHDにおける情動制御や衝動性とそれらに関わる種々の併存症,ディスレクシアや発達性協調運動症(DCD)との併存,ADHDの新しい薬物療法と,今日的なADHDの課題について,バランスの取れた包括的な内容となっています。筆者も通読して大変勉強になりました。
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