Japanese
English
特集 ADHDをめぐる最近の動向
ADHDを持つ成人の治療と支援
Treatment and Support in Adults with ADHD
今村 明
1
,
金替 伸治
1
,
山本 直毅
1
,
船本 優子
1
,
田山 達之
2
,
山口 尚宏
2
,
黒滝 直弘
2
,
小澤 寛樹
1,2
Akira IMAMURA
1
,
Nobuharu KANEGAE
1
,
Naoki YAMAMOTO
1
,
Yuko FUNAMOTO
1
,
Tatsuyuki TAYAMA
2
,
Naohiro YAMAGUCHI
2
,
Naohiro KUROTAKI
2
,
Hiroki OZAWA
1,2
1長崎大学病院地域連携児童思春期精神医学診療部
2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科精神神経学
1Child and Adolescent Psychiatry Comminity Portnership Unit, Nagasaki University Hospital, Nagasaki, Japan
2Department of Neuropsychiatry, Nagasaki University Graduate School of Biomedical Science
キーワード:
Attention-deficit/hyperaitivity disorder
,
ADHD
,
Adult
,
Treatmat and support
Keyword:
Attention-deficit/hyperaitivity disorder
,
ADHD
,
Adult
,
Treatmat and support
pp.209-216
発行日 2017年3月15日
Published Date 2017/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205343
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はじめに
ADHD(attention-deficit/hyperactivity disorder)は不注意と多動性・衝動性を主症状とした神経発達症の一つである。大人のADHDについて,近年さまざまなメディアで取り上げられることが増えてきている。これは,DSM-5で成人期のADHDがより診断しやすくなったことや,適応の拡大で成人期のADHDにも薬物療法を行うことが可能となったことなどが影響しているものと思われる。近年,成人期のADHDは,小児期から症状が持続していると考えられるものだけではなく,成人期になって診断閾値を超えたと判断されるグループもいるのではないかと考えられている2,6,13)。前者に比べれば,後者のほうがより環境因の影響が大きい可能性もあり,非薬物療法の比重も比較的大きくなるのではないかと思われる。当診療部では薬物療法の適応が可能となる以前より,大人のADHDの支援または非薬物療法に取り組んできたため,比較的心理社会的治療の比重が大きい状況である。
本稿では,成人期のADHDの治療・支援についての考察を行い,当診療部で行っている治療についても紹介する。
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