Medical Technology 52巻13号 (2024年12月発行)

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特集　自信がもてる！血管へのアプローチ―採血と静脈路確保

発刊にあたって大西　宏明 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1297-1297

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　静脈採血は，各種血液検査を行ううえで必須となる医療手技で，以前から多くの医療施設において外来採血室を中心に臨床検査技師の活躍の場となっています．臨床検査技師であれば，どのような部門を担当されていても，若い頃を含めて一度は経験されているものと思います．特に最近は，医師や看護師の業務のタスク・シフト/シェアの流れのなかで，病棟を含め，臨床検査技師が静脈採血を行う機会は増えています．しかし，静脈採血は最近まで臨床検査技師が行う唯一の侵襲的行為であり，他の業務と比べて患者さんとのトラブルも少なからず経験されるため，苦手意識をもたれている方も多いのではないでしょうか？　実際，『Medical Technology』の採血関連の記事には，読者から毎回多くの感想や要望が寄せられ，関心の高さがうかがえます．

（Chapter 01）採血，静脈路確保にあたっておさえておきたい基本

扉 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1301-1301

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（Section 01）法令からみる臨床検査技師による採血と静脈路確保深澤　恵治 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1302-1309

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✔臨床検査技師による採血行為は，血液を検体とする検査において採血から検査までを一貫して行うことによる，処理の迅速化と検査精度向上を目的としたものである．

✔臨床検査技師による静脈路の確保は，医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェアのために導入された行為である．

（Section 02）患者対応加藤　良子 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1310-1317

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✔身だしなみは自分の心の表れ．

✔相手の状況に応じて事をなす．

✔確かな採血技術は患者さんの心をつかむ．

（Section 03）患者のリスクとその予防　1）採血時に知っておくべき解剖と神経損傷，ならびにそれらの対処法五十嵐　岳 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1318-1327

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✔採血副作用は100人に1人の頻度で生じている．

✔採血副作用のうち，もっとも多いのはVVRである．

✔VVRには重症，軽症，遅発性がある．

✔採血時の神経損傷は訴訟に発展しやすい．

✔過換気症候群は，まず患者の不安を取り除くことが必要となる．

（Section 03）患者のリスクとその予防　2）迷走神経反応湯本　真人 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1328-1332

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✔迷走神経反応は，採血や静脈路確保において高頻度にみられる合併症であるが，後遺症を残さず短時間で回復する生理的反応であり，通常は大事には至らない．

✔恐怖がトリガーとなるため，医療者は患者の不安を和らげるよう笑顔での会話を心がけ，患者の様子に気を配り，顔色が悪い場合は体位を仰臥位に切り替える．

✔失神時は仰臥位，下肢挙上にし，ウエストを緩める．舌根沈下のおそれがあれば肩枕で首を後屈させて気道を確保する．遷延時は医師に連絡する．

（Section 03）患者のリスクとその予防　3）その他の合併症大川　龍之介 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1333-1336

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✔採血や静脈針留置に伴う神経損傷，迷走神経反応以外にもさまざまな合併症が存在する．

✔皮下血種，アレルギー・過敏症の原因を理解し，対策を講じることが重要である．

✔まれながらも重大な感染症を防ぐため，常に清潔を心がけることが肝要である．

（Section 03）患者のリスクとその予防　4）採血と他の検査・治療との関連永井　香織 , 横山　大輔 , 小島　智亜里 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1337-1340

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✔採血は原則として，造影剤や注射薬などを投与する前に実施する．

✔主治医や患者とコミュニケーションを図り，患者情報を得たうえで最適な採血部位を選択する．

✔採血を実施するうえで必要な情報を，採血担当者内で共有できる体制を整えておく．

（Section 04）医療者のリスクとその予防　1）医療者の負傷・感染リスク盛田　和治 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1341-1344

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✔自己を知る（事前準備をしっかりと行う）．

✔基本動作の傷害リスク（危険な場面）を知る．

✔病棟（病室）の感染リスクを知る．

✔患者について知る．

（Section 04）医療者のリスクとその予防　2）感染症疑いの検体取り扱い龍野　桂太 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1345-1348

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✔血液検体の取り扱いは標準予防策であり，感染疑いの有無によって扱いは変わらない．

✔万が一曝露した場合に備え，B型肝炎ワクチンは必ず接種しておく．

✔曝露した場合はすぐに流水と石けんでこすり洗いをして，可能な場合は曝露後予防を講じて，定期的な検査を受ける．

（Section 04）医療者のリスクとその予防　3）針刺し対策，発生時の対処吉川　徹 , 細見　由美子 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1349-1354

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✔採血・静脈路確保時における針刺しは，6割が使用後に発生する．対策としては① 「リキャップ」の禁止，② 注射針専用の廃棄容器などの適切な配置と活用，③ 診療状況などの必要に応じての針刺し防止に配慮した安全器材の活用，等が必要である．

✔採血関連の針刺し防止のためには ① 採血環境の整備，② 適切な採血器具の選択，③ 適切な採血方法の選択，④ 標準採血法手順の順守，⑤ 採血手技の習熟，⑥ 針刺しリスク場面の話し合い，などが重要である．

✔血液媒介病原体（HBV，HCV，HIV）への曝露後対応手順については，日本環境感染学会などのガイドライン等を参照する．

（Section 04）医療者のリスクとその予防　4）臨床検査技師賠償責任共済制度杉岡　陽介 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1355-1359

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✔臨床検査技師個人に対しても過失の程度により，民事責任，刑事責任，行政責任という3つの賠償責任が発生する．

✔日本臨床衛生検査技師会（日臨技）へ入会すれば，自動的に賠償責任共済制度が付与され，万が一の時にも安心できる．

✔日臨技会員であれば，もしもの時，専門の弁護士に無料で相談できる．

（Chapter 02）静脈採血

扉 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1363-1363

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（Section 01）採血の基本　1）採血法と採血手技米山　里香 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1364-1370

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✔ホルダー採血と注射器採血にはそれぞれに利点と欠点があり，採血の状況や患者の状態により適した方法を選択する．

✔採血の手順は，使用する器具や設備により若干異なるが，共通する基本的手順や注意点は『標準採血法ガイドライン』^1）が参考となる．

✔採血室には，患者の安心・安全を保つ環境の整備や設備の配置が必要である．

（Section 01）採血の基本　2）採血の工夫とコツ横山　千恵 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1372-1378

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✔採血の3つの基本のコツを押さえ，実践できるように訓練する．

✔どんな血管でも探せるように，指先の感覚を訓練する．

✔どんなタイプの血管であっても，工夫と訓練により採血は成功する．

（Section 01）採血の基本　3）採血器具　❶針・注射器・ホルダーなど米山　里香 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1379-1383

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✔採血で使用する器具は，用途が同じであっても形状や使用方法が異なることがあるため，施設ごとに適した器具を選択する．

✔使用する器具は，患者や術者の感染防止や備品の衛生管理も考慮し，選択する．

✔採血室は，患者に対するリスクアセスメントの観点からも備品を準備する．

（Section 01）採血の基本　3）採血器具　❷採血管荒木　秀夫 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1384-1387

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✔採血管の構造〔栓体（蓋）・管体〕を理解して適正に使用することが重要である．

✔採血管に添加されている薬剤および分離剤の性質を理解して適正に使用することが重要である．

✔採血管の種類は非常に多いため，用途に適したものを選択し，保管を適正に管理する必要がある．

（Section 02）状況別の採血　1）小児の採血三井　清誉 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1388-1391

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✔成人の採血とは異なり，小児の採血には特殊性があるため，患児の背景を考慮する必要がある．そのため，小児の採血はおもに医師が施行するが，特殊性が薄れる小学生以降は臨床検査室で施行することもある．

✔小児の特殊性として，① 自制が効かず予測不能の動きをする，② 採血部位として選択される血管が成人より細い，③ 循環血液量が少ないため採血量に配慮を要する，④ 小児のなかでも年齢に幅があり，各年齢層で方法を変える必要がある，⑤ 採血が心的外傷となることがある，ことがあげられる．

✔新生児を含めた小児の採血法には，動脈採血，静脈採血，足底採血がある．

（Section 02）状況別の採血　2）病棟での採血高崎　佳苗 , 後藤　文彦 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1392-1397

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✔病棟での採血は，臨床検査技師の専門性を活かした診療支援業務の一つである．

✔法改正により臨床検査技師の業務範囲に追加された「採血を行う際に静脈路を確保する行為」については，技術習得に向けた研修が必要である．

✔臨床の現場では，患者および医師・看護師との良好なコミュニケーションが，心理的安全性や医療安全につながる．

✔感染対策は病院全体で組織的な取り組みが必要だが，職員一人一人が感染防止の知識と手技を習得かつ実践することが重要である．

（Section 03）採血検体の取り扱い　1）検体確認・再採血依頼脇田　満 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1398-1402

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✔検査室では，検体の受け入れ可否の基準を明確に定め，施設内のルールとして周知を図ることが重要である．

✔検体が検査室に到着したタイミングで，患者情報，検体および採血管の状態を速やかに確認し，受け入れの可否を判断する．

✔検体が受け入れの基準を満たしていない場合は，速やかに再採血を依頼する．その際は，受け入れできない理由を明確に伝えるとともに，原因を調査して再発防止に努める．

（Section 03）採血検体の取り扱い　2）要因別にみる検査値への影響・ピットフォール　❶溶血市村　直也 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1403-1407

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✔溶血は，血球内成分の漏出によって検査値に影響を及ぼす．

✔生化学検査，免疫学的検査以外の検査においても，溶血が精度保証上の問題点となりうる．

✔現状では溶血の情報が標準化されていないため，溶血による影響の程度と溶血時の対応は，施設ごとに検証する必要がある．

（Section 03）採血検体の取り扱い　2）要因別にみる検査値への影響・ピットフォール　❷採血量岩崎　真子 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1408-1410

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✔検査機器の特性や原理を学び，採血前に検査項目や必要採血量を確認しておくことで，不要な再採血を回避できる．

✔生化学検査は血清量が少なくとも測定可能なことがあるが，採血手技によって溶血血清になると影響が及ぶ検査項目がある．

✔凝固検査は，規定採血量よりも少なすぎるとPT，APTTが延長し，フィブリノゲン，FDP，Dダイマーは低下する．

（Section 03）採血検体の取り扱い　2）要因別にみる検査値への影響・ピットフォール　❸抗凝固剤・凝固促進剤荒木　秀夫 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1412-1414

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✔抗凝固剤には多くの種類があり，それぞれの作用機序を理解して適正に使用することが重要である．

✔凝固促進剤は，作用機序を理解するとともに，使用上の注意点を確認して適正に使用することが重要である．

✔抗凝固剤・凝固促進剤の最新の情報を含め，ピットフォールを理解して使用することが重要である．

（Section 03）採血検体の取り扱い　2）要因別にみる検査値への影響・ピットフォール　❹輸液の混入清宮　正徳 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1415-1418

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✔輸液の混入は継続治療中の入院患者で多く発生する．入院患者において全体的に検査値が低い場合，Na，K，血糖値の異常高値については積極的に輸液の混入を疑う．

✔輸液混入時は同時に採血されたすべての検体に影響が発生するため，他検体の検査データ（生化学検査，血算など）を参考にする．

✔輸液の多くに高濃度のブドウ糖が添加されていることから，輸液の混入を疑う際は当該検体の血糖値測定が有用である．

（Section 03）採血検体の取り扱い　2）要因別にみる検査値への影響・ピットフォール　❺生理的変動清宮　正徳 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1419-1423

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✔採血時の体位で検査値が変動する．外来患者が座位で採血した後，入院して静脈路確保時に臥位で採血すると，ヘモグロビンや蛋白など大分子成分の検査値は低下する．

✔採血時間で有意な影響を受ける検査項目がある．血清鉄，銅，亜鉛は午前中に高値に，無機リンは午後では低値と，多くのホルモンに日内変動がある．

✔採血時間や安静の有無など，医師からの採血条件の指示を怠ると誤診につながる．指示通りに実施できなかった場合は，医師に必ず報告する．

（Section 03）採血検体の取り扱い　2）要因別にみる検査値への影響・ピットフォール　❻保存・搬送条件山崎　家春 , 長谷川　修 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1425-1430

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✔規定線のついている採血管で採血量不足となった場合に，同一患者の別の採血管の血液を補充して量合わせが行われることがある．電話での形式的な再採血依頼を見直す必要がある．

✔保存温度・時間による検査値への影響を軽減する必要がある．血清を用いた検査の場合には採血後，血餅形成を確認して速やかに遠心分離を行うことが基本である．

✔在宅医療の現場では，指先部や手のひら部から採取した微量全血を用いた迅速検査が実施されているが，各採血手技により検体や検査結果への影響が生じることを認識する必要がある．

（Section 03）採血検体の取り扱い　2）要因別にみる検査値への影響・ピットフォール　❼その他の要因市村　直也 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1431-1434

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✔検査前プロセスには，検査の精度保証をおびやかすさまざまな要因が存在する．

✔属人的な要因の制御には，検体採取や検体搬送にかかる医療施設職員への啓発が重要である．

✔自動化プロセスは，運用開始前の検証と運用開始後のモニタリングを実施することで，予期せぬトラブルの抑止につながる．

（Section 04）採血室の運営　1）精度管理　❶採血手技の教育・評価服部　桜 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1435-1440

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✔「採血手技」とは採血技術のみならず，患者対応や合併症などの知識，医療安全など，関連する項目は多岐にわたる．

✔必要な知識を身につけ，針の取り扱いに慣れることは採血の成功率を上げ，自分自身を針刺し事故から守る．

✔「採血手技」の品質を担保するために，基準を設けて評価することが必要である．

（Section 04）採血室の運営　1）精度管理　❷採血ルールの周知佐々木　泰信 , 後藤　文彦 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1441-1444

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✔「採血ルール」の遵守は，理屈よりも再採血（採り直し）をなくすことに重点を置く．

✔「採血ルール」の周知は，個人ではなく組織が対象となるため，水平展開するのが最善である．

✔「採血ルールの周知」には，コミュニケーションが重要である．

（Section 04）採血室の運営　2）患者誤認の防止及川　祐子 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1445-1449

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✔患者誤認の防止には「正確な患者確認」が不可欠である．

✔患者誤認の要因は，医療者側と患者側のどちらにも発生する．患者誤認は，重大な医療事故につながる危険性がある．

✔システムを導入することで患者認証の確実性を向上させることができ，患者誤認によるインシデント・アクシデントの軽減が期待できる．

（Section 04）採血室の運営　3）システムの活用田邊　晃子 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1450-1455

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✔採血業務で必要なシステムは，受付システム・採血管準備システム・採血業務支援システムである．

✔自施設に適した運用方法を構築する．

✔システムの活用により，安全・安心な採血を実施することが可能となる．

（Chapter 03）静脈路確保と関連業務

扉 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1459-1459

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（Section 01）採血に伴う静脈路確保　1）静脈路確保の基本竹村　勇飛 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1460-1465

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✔静脈路確保は，指示の確認や物品など事前の準備が重要である．

✔ヘパリンロックを行うことで，輸液を流さなくとも輸液路を維持可能である．

✔三方活栓は，向きを必ず確認しながら使用する．

（Section 01）採血に伴う静脈路確保　2）採血のための静脈路確保と電解質輸液の接続川原　佑太 , 橋本　賢一 , 田中　祐司 , 廣岡　伸隆 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1466-1472

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✔静脈路確保においては，血管選択がもっとも大切である．見てさわって，蛇行していない弾力性のある血管を選ぶことが成功の秘訣である．

✔採血時は，駆血帯は外さずに外筒の先の血管を指でしっかりと押さえ，外筒から血液があふれないようにして，シリンジの接続作業を落ち着いて行う．

✔輸液速度は成人用と小児用で異なる．また，臨床検査技師が輸液に関して実施できるのは，電解質輸液を実施するための点滴装置の接続に限る．

（Section 01）採血に伴う静脈路確保　3）静脈留置針神田　健太 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1474-1476

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✔静脈留置針の基本的な構造はすべて同じで，針の太さと長さに応じて色分けされている．

✔針が太くなるほど薬剤を注入する際の抵抗が少なくなるが，患者は刺入時に痛みを感じやすくなる．

✔造影超音波検査では血管外漏出のリスク，痛みの強さ，静脈路確保の難易度を総合的に考慮して針の太さを選択する．

（Section 01）採血に伴う静脈路確保　4）合併症とトラブルシューティング丹治　寛子 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1477-1480

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✔静脈路確保に伴う合併症発生率は，50％程度にのぼる．

✔カテーテル関連血流感染症は，発症頻度は低いが，発症した際には重篤な経過をたどる可能性が高いため，もっとも注意が必要となる合併症である．

✔細菌の混入を予防するために，医療者は細菌の感染経路を把握し，それに応じた適切な予防策を徹底することで，カテーテル関連血流感染症の発症頻度を低減できる．

（Section 02）成分採血にかかわる業務　1）成分採血山﨑　聡子 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1481-1484

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✔成分採血は採血した全血を体外循環によって成分採血装置に通すことにより，必要な血液成分を得るアフェレーシスの一種である．

✔臨床検査技師がかかわる成分採血では遠心分離法を用いた装置が使用されることが多く，採取方式によって間歇採取方式と連続採取方式，穿刺部位の数によってシングルニードル法とダブルニードル法に分けられる．

✔成分採血を用いた医療行為として，成分献血，末梢血造血幹細胞移植，CAR-T細胞療法，ドナーリンパ球輸注療法，顆粒球輸血，血球増多に対する治療的アフェレーシスなどがあげられる．

（Section 02）成分採血にかかわる業務　2）成分採血装置の接続と操作山﨑　聡子 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1485-1490

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✔2021（令和3）年の法改正に伴い，臨床検査技師が成分採血における静脈路確保，さらに成分採血装置を接続・操作し，終了後に抜針・止血する行為が可能となった．

✔臨床検査技師がかかわることの多い末梢血幹細胞採取では，静脈留置針や透析用単回留置針を用いて可能な限り血管径の太い静脈へ清潔操作でルートを確保する．

✔起こりうる合併症として血管迷走神経反応，クエン酸中毒，血小板減少などがあり，アフェレーシス中は患者/ドナーの様子やバイタルサインの変化に注意する．

（Section 03）造影超音波検査にかかわる業務　1）造影超音波検査岩嶋　義雄 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1491-1494

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✔造影超音波検査での撮像技術は，造影剤に含まれる微小気泡が共振・崩壊して発生する高調波を映像化したコントラストハーモニックイメージングである．

✔造影超音波検査は安全性が高く，腎機能障害や造影CT・MRIで使われる造影剤へのアレルギーのために禁忌となる症例でも施行できる．

✔ソナゾイドによる造影超音波検査では，腫瘤性病変の血流動態（血管相）と組織構造（クッパー相）の2つの時相での評価が可能である．

（Section 03）造影超音波検査にかかわる業務　2）静脈路からの造影剤注入鈴木　淳史 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1495-1498

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✔タスク・シフト/シェア推進のために，臨床検査技師も造影超音波検査における一連の行為を実施可能となった．

✔静脈路確保に用いる留置針の構造を理解し，取り扱い方法を習得する．

✔超音波造影剤の投与時の手技や注意点を理解する．

Step up ! 採血

覚えておきたい！　採血で役立つ英会話フレーズ久末　直子 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1360-1362

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はじめに

　法務省の出入国在留管理庁によると，2023（令和5）年末の在留外国人の数は341万992人と前年比で10.9％増加し，過去最多となりました．このような背景から，私たちの勤務する医療施設に通院する外国人の患者さんが増加していても不思議ではありません．

採血管の順序はどうするのが正解？大西　宏明 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1456-1458

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採血管の順序の変遷

　ホルダー採血（真空管採血）における採血管の順序には，歴史的に変遷がみられます．採血管の順序は，初流血液に含まれる組織液や，採血管の添加剤のキャリーオーバーの影響を考慮して定められてきました．

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目次 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1298-1299

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奥付 52巻13号 , 2024年12月 , pp.1500-1500

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基本情報

Medical Technology
52巻13号
(2024年12月発行)

電子版ISSN：印刷版ISSN：0389-1887 医歯薬出版

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第7位 Q　心エコー図検査での血栓，疣腫，腫瘍の鑑別方法について知りたいです．髙尾壽美惠 Medical Technology 53巻 10号 pp. 1039-1042 (2025年10月15日) 医歯薬出版
第8位 1．わが国における在宅輸血の現状と課題藤田浩 Medical Technology 53巻 10号 pp. 962-963 (2025年10月15日) 医歯薬出版
第9位 8．体腔液（胸腹水）佐藤真介 Medical Technology 53巻 10号 pp. 1014-1018 (2025年10月15日) 医歯薬出版
第10位グラム染色,簡易同定検査　迅速な菌種推定のために口広智一 Medical Technology 51巻 8号 pp. 822-827 (2023年8月15日) 医歯薬出版