Medical Technology 52巻12号 (2024年12月発行)

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特集　この検査データから考えられる疾患は？　一般検査編

扉 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1203-1203

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　10月号の血液検査，11月号の微生物検査に続き，今月号の特集では一般検査（尿検査，髄液検査）に関する9題をクイズ形式でお届けします．

1．尿検査編

Q.1 赤血球形態，円柱出現パターンから病態を推測する服部　亮輔 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1205-1209

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【患者】35歳，男性

【主訴】咽頭痛，血尿

【特記事項】学生時代の健診で血尿を指摘された．泌尿器科を受診するも，異常は指摘されなかった．

Q.2 尿沈渣中に多数の尿細管上皮細胞が出現三輪　佑果 , 竹澤　理子 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1211-1213

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【患者】84歳，男性

【主訴】嘔気，ふらつき，2日前からの尿量低下

【既往歴】頸椎症，高血圧

Q.3 多彩な成分円柱の出現（telescoped sediment）山下　美香 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1215-1218

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【患者】60歳台，女性

【主訴】脱毛，倦怠感

【既往歴】20xx年，顔面浮腫と手の腫れを認めたことを契機に全身性エリテマトーデス（systemic lupus erythematosus；SLE）と診断された．その後，受診を自己中断．

Q.4 出現結晶のサイズを考慮する川音　勝江 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1219-1222

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【患者】50歳代，女性

【主訴】発熱，腰背部痛，肉眼的血尿

【現病歴】透析療法中

Q.5 細胞質に黒っぽい顆粒をもつ細胞を認めた塚原　祐介 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1223-1226

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【患者】13歳，男児

【主訴】蛋白尿，腎機能低下，ぶどう膜炎

【現病歴】学校検尿ではじめて蛋白尿を指摘され，前医受診．腎機能低下，肥満，脂肪肝，脂質異常症を指摘され，当院へ紹介受診．左眼痛もあり虹彩炎の診断．

Q.6 尿蛋白陰性で脂肪を含んだ細胞を認める川満　紀子 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1227-1230

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【患者情報】40歳代，女性

【主訴】心電図・心エコーで左室肥大所見あり

【既往歴】特になし

Q.7 尿沈渣中にみられた円柱様成分橋本　綾 , 田中　佳 , 佐藤　妃映 , 油野　友二 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1231-1234

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【患者】60歳代，男性

【主訴】悪寒を伴う発熱

【現病歴】便秘傾向，食欲不振，頻尿および排尿時痛，残尿感を訴え，休日のため救急外来受診．強度の混濁尿（膿尿）であり尿路感染症状があることから，腎盂腎炎の疑いで腎臓内科に即日入院となった．抗菌薬の投与が開始され，根本原因を精査中．

2．髄液検査編

Q.8 夜間当直時の髄液検査の依頼．髄液検査結果から担当医に何を伝えるか石山　雅大 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1235-1238

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【患者の属性】60代，男性

【現病歴】前医でアルコール性肝硬変と診断され，当院に紹介となった．来院時に心電図検査を実施したところ心房細動の指摘があり，その日のうちに精査のため入院となった．同日の夕方になると発熱があり，さらに意識障害と項部硬直もみられ，髄膜炎疑いで髄液検査となった．

Q.9 髄液中に上皮性結合を示す円形細胞がみられる佐伯　仁志 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1239-1242

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【患者】80歳代，男性

【主訴】ふらつき，歩行障害

【現病歴】胃癌治療中（Stage Ⅳ，手術歴なし）．1年前，内視鏡生検時の病理組織診にて診断が確定．

Editorial―今月のことば

臨床検査技師としての自律性と成長への道横山　俊朗 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1193-1193

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　私も本年3月に定年となって臨床現場から教育現場に身を置くことになり，考え方や対応も変化しました．学生と会話をしていると，自身の学生時代まで遡って想起することが多く，今，自身のキャリアを振り返ると3つの「気づき」がありました．1つ目は学生時代の病院実習（臨地実習）で学んだ臨床検査技師の明確な業務意識，2つ目は臨床現場で得た専門的知識と業務の面白さ，3つ目は管理職業務で培った真理探究の姿勢です．それぞれの時期に必要な考え方のエッセンスを教育の場で伝えていますが，ここにも記したいと思います．

話題―NEWS&TOPICS

『健康に配慮した飲酒に関するガイドライン』が公表に松下　幸生 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1196-1197

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はじめに

　厚生労働省は，2024（令和6）年2月に『健康に配慮した飲酒に関するガイドライン』を公表した^1）．このガイドラインは，アルコールによって健康を害することの予防を目的としており，国民一人一人がアルコールに関連する問題への関心と理解を深め，予防に必要な注意を払って不適切な飲酒を減らすために活用されることが期待されている．

BNP/NT-proBNPのカットオフ値が変更に―「血中BNPやNT-proBNPを用いた心不全診療に関するステートメント2023年改訂版」をふまえて桑原　宏一郎 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1198-1201

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はじめに

　心不全は予後不良の症候群であり，適切な診断に基づく的確な予防・治療アプローチの選択が求められる．脳性ナトリウム利尿ペプチド（BNP）は，心筋細胞で産生・分泌される心臓ホルモンである．心不全においては心室におけるBNPの産生・分泌が増加することから，現在，BNPおよびNT-proBNPは心不全の診断や予後予測のバイオマーカーとして意義が確立し，また，治療方針決定における有用性も示されている．

技術講座

病理マクロ写真撮影の基本技術佐藤　孝之 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1244-1250

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◎病理マクロ写真とは，肉眼で観察した状態に限りなく近い画像であり，画像から撮影者の意図や伝えたい情報がすべて伝わることが理想である．

◎美しい病理マクロ写真を撮影するためには基本的なカメラの知識や技術が不可欠であり，それらを前提に常に撮影条件を考えることが，撮影技術の向上につながる．

◎撮影時に何をどのように伝えたいのかを考えることはもちろん重要だが，撮影された写真を客観的に評価することもまた重要である．

下肢の神経伝導検査を深める西谷　由美子 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1251-1260

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◎神経伝導検査の目的は神経障害の有無，病変の状態，障害部位や障害の程度の確認の他，予後判定がある．

◎絞扼性神経障害では，圧迫を受けた部位を挟んで遠位と近位で刺激して得られた波形を比較し，評価する．

◎神経や筋の解剖を理解し，神経の走行や支配領域を正確に把握しておくことが大切である．

自動分析装置選定のポイント（中規模施設編）神野　雅史 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1261-1265

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◎機器選定には十分な時間を設け，現状のみならず数年先を見越した視点が重要である．

◎現状の業務分析をしっかり行い，問題点を明確化し，課題解決につなげる機器選定を行う．

MT Seminar―読んで、見て、深める臨床検査技師のための誌上講義

細胞診のミクロ写真撮影のコツ濱川　真治 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1266-1271

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要点

☑細胞材料のミクロ写真撮影には，生物光学顕微鏡の特性の理解と日常の保守・点検が大切である．

☑ミクロ写真撮影に適した細胞塗抹標本作製技術の向上が要求される．

☑被写体（細胞）の状況をふまえたミクロ写真撮影のコツと，デジタル画像処理技術を習得することは必須である．

臨床検査技師が知って得するマンモグラフィのミニマム知識植松　孝悦 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1272-1278

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要点

☑高濃度乳房を理解する．

☑マンモグラフィと乳房超音波検査の総合判定を理解する．

☑マンモグラフィの病変位置を理解する．

できていますか？　医療施設の水回り環境の感染対策馬場　啓聡 , 金森　肇 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1279-1284

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要点

☑医療施設の水回り環境は湿度が高く，微生物の繁殖に適している．このため，上水道および蛇口・シャワーやトイレといった給排水に関連する設備をはじめ，加湿器・ネブライザーや装飾噴水など，水に関連した医療機器や施設内環境の多くが，水分を好む医療関連感染（healthcare-associated infection；HAI）の原因微生物による汚染の温床となりやすい．

☑シンクや排水管は一般細菌や抗酸菌，真菌などの多種多様な微生物によって汚染され，スプラッシュ・バック（水跳ね）によって微生物が周囲環境や医療従事者の手指に伝播し，HAIを生じる原因となる．

☑医療機関の水回り環境の感染対策として，上水道については温度管理と定期的な水中Legionella属菌検査が，医療機器や施設内環境については定期的な洗浄・消毒が，シンクについては乾燥状態の保持や周囲環境の整備および目的ごとに分別した使用の徹底が重要である．

From LABO

臨床検査技師の男性育休のすすめ山本　喜之 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1285-1288

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はじめに

　生産年齢人口が減少するなかで，出産や育児による労働者の離職を防止することはきわめて重要であり，希望に応じて仕事と育児を両立できる社会の実現が求められている^1）．育児・介護休業法が2021年に改正された際には，男性の育児休業（育休）取得促進のために「産後パパ育休制度」が創設された．また，これにより妊娠・出産の申し出をした労働者に対して，制度の周知および休業の取得意向を確認することが義務づけられた（表1）．

内視鏡室での臨床検査技師の活躍貫上　美咲 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1289-1291

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はじめに

　当院は大阪府北河内地域に位置する四條畷市にある病床数270床（一般病床219床，SCU^注9床，回復期リハビリテーション病床42床）の地域密着型病院である．現在，検査科には常勤の臨床検査技師が14名在籍し，業務を行っている．2018年以前の検査科の業務は，生理検査（術中モニタリングを含む），検体検査，輸血業務，採血業務であった．2018年以降，業務拡大として，術中モニタリングの拡大，免疫学的検査，遺伝子学的検査，内視鏡業務を追加し，一部のスタッフを新たに配属させて業務を行っている．本稿では，内視鏡室での臨床検査技師の取り組みについて紹介する．

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目次 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1194-1195

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VOICE 読者のページ 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1293-1293

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Information 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1294-1294

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MTパズル 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1295-1295

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編集後記・次号予告 52巻12号 , 2024年12月 , pp.1296-1296

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総目次 52巻12号 , 2024年12月 , pp.i-vii

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基本情報

Medical Technology
52巻12号
(2024年12月発行)

電子版ISSN：印刷版ISSN：0389-1887 医歯薬出版

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1．尿検査編

2．髄液検査編

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