看護学雑誌 51巻3号 (1987年3月)

特集 ‘婦長さん’と呼ばれる人

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 本特集の巻頭を飾る総論部を書くようにという編集部からの依頼であった.巻頭を‘飾る’ということに妙にこだわって何日も過ぎてしまった.そしていつもやるように広辞苑を引いた.つまり‘飾る’とは美しくみえるようにする,外観だけをよいように繕う,構えるなどの意味があることがわかった.だから敢えて巻頭に‘飾らない’ものを書くことにして,ようやくテーマが決まった.それが自分の中の「婦長」としての部分を書くことである.

紹介,うちの婦長! 看護部長に聞く‘婦長’の選定法と婦長が語る‘私の1日’

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[婦長の選定法]の回答

[設問1]の回答

 看護部長(看護部内の委員会で推薦し,婦長会に提出.婦長会の合意を得て看護部長が内定し,院長に上申.院長の承認を得る).

国立横浜病院 武藤 美知 , 中原 良子
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[婦長の選定法]の回答

[設問1]の回答

 病院として中から任用して婦長にすることはできない.国立病院として婦長の必要が生じた場合,厚生省地方医務局が実施している婦長任用選考試験に合格している者の中から選抜される.任命権は厚生省地方医務局長にある.

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[婦長の選定法]の回答

[設問1]の回答

 看護部長.

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[婦長の選定法]の回答

[設問1]の回答

 看護部長.

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[婦長の選定法]の回答

[設問1]の回答

 総婦長(婦長の推薦を受け総婦長が内定.副院長,事務長を経て院長が承認).

関越病院 三浦 照子 , 福田 貞子
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[婦長の選定法]の回答

[設問1]の回答

 看護部長.

国立病院婦長試験を体験して

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 私が看護婦長任用選考試験を受けたのは,昭和57年11月だったと思います.その時の受験資格は看護婦免許取得後経験年数7年以上(またはこれと同等と認められる者).または医療職(三)3等級8号俸以上の人が対象となっていたと思います.

 私自身看護婦を一生の仕事と思ってはいましたが,婦長になろうと考えた事は一度もありませんでした.むしろ婦長は苦労が多く大変だなと感じていたのです.婦長の看護に対する考え方,姿勢,性格や態度などは患者や看護婦,そして病棟全体に与える影響が大きく,また中間管理職として上司,部下の問に立ち気苦労が多い.誰でもなれるものではないと思っていました.

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 吐く息が白く冬木立の中に溶け込んでいく,当直の日の夜.巡回の折に研修の人の顔が見えると,またそんな時期が来たのだなあと2年前の我が身が思い起こされます.

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 弊誌では今回の特集‘婦長さんと呼ばれる人’の編集に先駆けてアンケートを取りました.これは,主にスタッフナースが婦長に対してどのような感情を持っているか,っまりは婦長さんが好きか嫌いか,さらにその理由は,などについて調べようとしたものです.題して‘婦長さん,ここが好き!ここが嫌い!’.

 昨年(1986年)11月13日,松山市民会館において第66回医学書院看護学セミナーが開かれました.参加者は約450名。このアンケートはその会場で取られたものです.ところで,ここには婦長さんと来たスタッフ,婦長さんに学会参加を認められたスタッフが多いと思われます.つまり,彼女らは婦長との関係が比較的うまくいっているスタッフではないかとの仮定も成り立つわけです。このように,無作為抽出とはほど遠い調査ではありますが,ある程度は看護婦全体の婦長に対する意識を伺い知ることができると考えています.内容的に関係の薄いと思われる看護学生をできるだけ外し,スタッフナースと婦長を中心に400枚のアンケート用紙を配布.回収されたのは284枚.回答率は71%.編集室が独断と偏見を排することなくまとめた分析結果は以下の通りです.

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嫌いな教務も経験すべし(?)

 温井 私はもう婦長職ではありませんので,婦長への意見に応える2人の婦長ということでバックグラウンドからお話ししてもらいましょう.2人とも婦長歴っていうのはどのくらいになるんですか.

 相場 私は1985年の4月に婦長昇任になりましたから,1年と7か月ですね.その前は8年9か月教務におりました.

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デンマークの老人リハビリテーションセンター

トラネハーベン(“TRANEHAVEN”)

 デンマークは人口512万の農業国.このトラネハーベンの設置主体であるゲントフテ市の人口は約7万人で,このうち25%が65歳以上の高齢者である.

 デンマークでは,すでに1960年代に高齢化の問題が注目され,特にリハビリテーションが重視されるようになった.この施設でも,初めは麻痺などの身体的リハビリテーションに重点が置かれたが,ここ数年は痴呆の問題が重視される傾向にある.従来のNursing Homeに代わって,積極的なADLの拡大によって,在宅での生活が維持できることを目標にしている.

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 昨年の8月22日から9月6日まで,約2週間にわたってヨーロッパの医療・福祉を見る機会に恵まれた.私たち一行は前田信夫先生(国立公衆衛生院社会保障室長)をコーディネータに,看護婦3名,保健婦4名からなるメンバー。スイスのジュネーブにあるWHOおよびICN本部への訪問を皮切りに,オランダ,フランス,デンマーク,スウェーデン各国の,主に老人施設を中心に見て回った.

 1つの施設をほぼ半日で回るという駆け足旅行だったので,私たちが得たのは断片的な印象でしかないことは否めない.しかし,高齢化社会の大先達であるヨーロッパの,歴史と文化に裏打ちされた“地に足の付いた”老人医療・福祉にじかにふれることができたのは,私にとっては大きな刺激となった.

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 医学会総会は明治35(1902)年以来4年毎に開催されてきた伝統ある学術集会です.今回東京で4月に開かれるにあたり,これまで会員は医師に限定されてきましたが,全医療人に門戸が開かれることになりました.そこで医学会総会の紹介と今回の狙いなどを対談でお聞きすることにしました.

連載 医のなかの想い—ドクター“のぞみ”の院内日誌・3

お師匠さんは婦長さん 小笠原 望
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「おはようございます.申し送りをお願いします.3月2日,月曜日,天候晴れ,当直は山本先生と小泉婦長さんでした.総床54床……」

 朝の申し送りが始まる.テーブルの真ん中に婦長さんの一段と引き締まった顔がある.どの病棟でも,その場に医師が入って行くのがはばかられるようなぴ一んとした緊張感がある.ぴしっと伸びた婦長さんの背筋から,病棟の1日が始まる.

連載 二人三脚の闘病記・3

手術 我妻 令子
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患者たちの不満

 入院すると検査,検査と,まるで検査のオンパレード.次から次へと検査に連れていかれました.しかし,洋は検査の内容については,私にはあまり話してくれませんでした.訪ねてきた友人に「新兵器のような機械の中に入ってね」などと話しているのを耳にして,初めて大変な検査をしているのだと知りました.

 「あなた,私に話してくれないじゃないの」と聞くと,「つまらない心配かけたくないもの」と洋は答えました.「こんなに検査をしなけりゃならないのかな一.こんなだったら,よっぽど体力が無ければもたないよ」と溜息まじりに洩らしたこともありました.

連載 自立のための援助論—セルフ・ヘルプ・グループに学ぶ・9

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 当事者とその家族の人たちが大学で講義し,それに対して学生たちがどのような感想をもったかについては,前回に述べた通りである.

 では講師の「当事者」は,その経験をどう受けとめただろうか.今回も「当事者」の方たちの声を,できるだけそのままの形でお伝えしたいと思う.

連載 西村かおるの訪問看護留学記—英国編・3

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ブライトンといえば,あの“ミミズの……”

 ロンドンから列車で約1時間,フランス側に下がった海ぎわに私が半年間学校に通うブライトンがある.日本を発つ前の私のブライトンの情報といったら,ミミズの早歩き(?)世界大会が開かれる所,捕鯨に反対して日章旗が焼かれた所,サッチャー暗殺の爆弾事件があった所,とさんざんだった.一体どんな街なのだろう,とバスで初めて街に入った時,窓から必死で見つめる.

 海に向かった坂道にビッシリと石造りの家々が並び,カモメが鳴きながら頭の上を飛び回る様子は,サンフランシスコのようだと思った.それが第一印象である.街の真ん中には今にもアラビアンナイトのじゅうたんが飛んできそうな,キッカイな建物が建っており,それはジョージ4世が時折住んだパビリオンということだった.その横をバンク少年・少女がカッポする.うーん,さすがにミミズの世界大会の場所.

連載 高齢化社会の福祉と医療を考える・7

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 クオリティ・オブ・ライフ(Quality of Life)という概念はまだ耳慣れないかもしれないが,医療・看護・リハビリテーションなどの分野で最近急速に浸透してきているようである.ところが,この言葉が日本語に訳しにくいこともあって,どういう意味で使われているのか,はっきりしない場合が多い.今回は老人との関連でこの言葉を考えてみようと思う.

 まず,クオリティ・オブ・ライフをどういう意味に解すべきかを単語の意味の検討と,アメリカでこの概念が提起されてきた背景の分析とから明らかにしてみよう.その後に,この概念がなぜ老人と深く結びついているかを論じ,最後に老人にとってのクオリティ・オブ・ライフを考えるための理論的視座を提示する.

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PACS(パックス)とは何か

 ──最近の画像診断技術の発展には目を見張るものがあります.しかし,こう多くなってきますとどの医用画像を使えばいいのかわからなくなってきませんか.

 そうですね.確かにここ数年の間に画像診断法は急速に発展してきました.現在使われている画像診断法としては,従来から用いられていたアナログX線や超音波に加え,既に定着した感のあるX線CT,X線以来の革命的インパクトを持つMRI,さらにはPET(Positoron Emission Tomography),SPECT(Singlephoton Emission CT),DSA(Digital Subtraction Angiography),CR(Computed Radiography),etc.etc.まさに多彩を極めていると言っていいでしょう.

NURSING THEORY 看護理論ってなあに?・15

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 前回は〈宇宙〉の話だった.〈開放系の宇宙〉の中で,〈人間の場〉と〈環境の場〉とは,境界がつけにくいけれども,とにかくこの両者はお互いに影響しあって共存している,ということを述べた.

 今回もまた‘宇宙レベル’にとどまって,“4次元時空”あるいは,“4次元性”と呼ばれているものの探訪といこう.なんだかSF小説めいていて楽しいようでもあり,また縁遠いようでもあるこの言葉は,ロジャーズ理論の中ではちょっとしたくせものである.

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 天使女子短期大学の戴帽式は今回で40回目を迎える.全国的には戴帽式を省略する学校がふえる傾向にあるとも聞いているが,フランシスコ修道会が母体となっているこの学校では,キリスト教の精神に基づいて福音のメッセージを伝える看護教育を目指しており,入学ミサ,合宿修養会,卒業ミサなどの宗教的行事とともに,戴帽式を看護の学びの重要な節目のひとつと位置づけている.そして毎年,生徒たちの両親の出席も得て,盛大に催される.

 1986年11月29日,札幌は昨日まで降っていた雪も止み,雲ひとつない青空が広がっていた.例年よりもいくらか早い雪で校庭も真っ白.降り積もった雪を踏みしめ,生徒たちが登校して来るが,今日戴帽式に臨む1年生の表情はこころなしかいつもよりも固い.

プリズム

研修に参加して想う 安藤 和子
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 昨年12月,日本看護協会の研修『プライマリーヘルスケア(PHC)における看護職の役割』に参加しました.

 演題は「プライマリーヘルスケアの概念」(季羽倭文子:看護協会常任理事),「医療機関からの訪問看護」(有馬千代子:武蔵野赤十字病院),「21世紀に向かう看護の役割」(大森文子:看護協会会長),「地域看護活動」(長原慶子:川崎市幸保健所)でした.グループワークの時間が多く,各自の考えや問題を出し合いながら,PHCとの関連を探っていきました.

和漢診療の実際・15

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 これまでのところで,和漢診療の物の見方と考え方について,基本的な事柄について記してきた.そこで今回からは,患者さんをどのように診察して診断を下していくのかという,診察法の実際について述べてみたい.

 洋の東西を問わず,患者さんの診察は医師の“五感”すなわち視覚,聴覚,触覚,嗅覚,味覚,によって行なわれる.これに加えて自分の意志を伝達できる患者さんについては,医師との問答によっても情報が得られるわけである.近代医学ではCTスキャンやX線撮影,血液の生化学検査,ホルモンの定量,病理組織学検査などが加わり,精度のより高い診断技術が日々開発されている.

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 前回までで,POSそのものの話はおしまいです.最終回は,そのPOSをうまくいかせるにはどうするか,という話です.

ワードスキャン

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 我が国では昨年在宅酸素療法についての保険適用の許可がおり,慢性呼吸器疾患患者の長期治療にまた新しい道が開かれたが,その酸素療法を含め,肺理学療法や吸入療法など呼吸器疾患患者の管理には,専門的知識を必要とするいくつかの療法が存在する.

 さらに,呼吸器科の領域には人工呼吸器(ベンチレーター)を始め,医用ガスや吸入器具など特殊な装置があり,これらの取り扱いには高度な知識と充分な経験を要する.

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 積極的にグループワークに取り組む,信大病院南5Fの面々は,今回,日頃何とかしなくちゃと思いながら何もできていない汚物室,トイレのクリーンアップに挑むこととなつた.

 何とかしなくちゃと思ってできていないことだけに全員でじっくりと取り組む必要があった.そこで,まずは現状把握、各自が汚物室,トイレに行く度,気付いたこと,感じたことをラベルに書きまとめる.すると出るわ出るわ,「乱雑」「汚ない」「ほこりまみれ」「クモの巣だらけ」「不用品が多い」等,等・・ここまでは現状把握とどめで行動は控えたが,それでも皆が汚物室に行く機会が増えて,今まで気付かなかった点にも気付くようになったのはプラスになった.

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 小学生のころ,学校に岩村昇先生が来て,スライドを映しながらネパールの話をしてくれました.その時,ネパールでは医療者が少なく,困っている人が沢山いることを知りました.私も看護婦になって,困っている人たちを助けてあげたいと思ったのが,看護婦になった動機です,と敏枝さん.私にはそういう純粋で美しい動機はありませんでした.高校を卒業したころは,とにかく呉から出ることだけを考えて名古屋にある看護学校に入学したんですけど,なんか動機は不純だったようですね,と美代子さん.家も近くでよく行き来するが,会えば看護の話をしている.

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 「1970年に母が糖尿病で亡くなりました.まだ60歳だったんです.糖尿病性昏睡が7日間続いて…….私は京都にいたものですから,もういよいよだめだという時に連絡をもらって,駆けつけて,母の枕元で『母さん生子よ』と大声で叫んだんです,すると母がぽろっと涙を一粒こぼして……,それでこと切れました.

 そのころ私が糖尿病のことをもっとよく知っていて,母のそばについていてきちんとした食事療法などをしていたら,60歳という年で母を亡くさずにすんだろうと,すごく悔やみました.私が糖尿病に人一倍強い関心を抱くようになったのは,これが原体験になっているのです」

基本情報

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看護学雑誌
51巻3号 (1987年3月)
電子版ISSN:1345-2746 印刷版ISSN:0386-9830 医学書院

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