連載 高齢化社会の福祉と医療を考える・7
老人にとってのクオリティ・オブ・ライフとは
木下 康仁
1
1立教大学社会学部
pp.286-289
発行日 1987年3月1日
Published Date 1987/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921674
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クオリティ・オブ・ライフ(Quality of Life)という概念はまだ耳慣れないかもしれないが,医療・看護・リハビリテーションなどの分野で最近急速に浸透してきているようである.ところが,この言葉が日本語に訳しにくいこともあって,どういう意味で使われているのか,はっきりしない場合が多い.今回は老人との関連でこの言葉を考えてみようと思う.
まず,クオリティ・オブ・ライフをどういう意味に解すべきかを単語の意味の検討と,アメリカでこの概念が提起されてきた背景の分析とから明らかにしてみよう.その後に,この概念がなぜ老人と深く結びついているかを論じ,最後に老人にとってのクオリティ・オブ・ライフを考えるための理論的視座を提示する.
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