学生の広場
術後不安の強い患者の看護を通して
石川 慶子
1,2
1川崎市立高等看護学院第2部
2現在,済生会神奈川県病院ICU
pp.183-185
発行日 1988年2月1日
Published Date 1988/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921924
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■はじめに■
看護とは「人間関係であり,相手をわかろうとする事から始まる」と講義の中で学んだ.だがその時の私には,その意味を実感する事が出来なかった.
それまでの私は,患者の苦痛を軽減するためには,いかに処置を手早く適切に行なうかと,処置をこなす事を第1に考えて動いていた.しかし今回,成人系の外科実習において,言動が瞬時に変化する患者を受け持ち,処置をこなすだけでなく,相手を見つめ続け,気持ちをわかろうとしなければならない事に悩み,戸惑い続けた.その患者とのかかわりは,その患者の気持ちに自分の心が大きく揺れ動かされ,時には恐怖心すら抱くほど強い体験であった.しかしその結果,それまで私の思っていた看護とは何であったのか,気付く事が出来た.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.