保健婦雑誌 35巻8号 (1979年8月)

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はじめに

 近年,人口の老齢化がすすみ,住民の老後の生活や健康についての不安が高まっている。また,保健所への要望も,従来の検疫予防活動から,対人サービスをより広く求める声が多くなっている。

 東京都北区においても,老人保健問題についてあげられているいくつかの対策のなかで,その1つとしてねたきり老人の訪問看護事業が計画された。事業の発足を前提として,赤羽保健所管内のねたきり老人を対象に,なるべく詳細な実態調査を行うことになった。

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赤羽保健所の調査の背景

 宮地 老人の保健医療対策として老人健康審査が制度化したのが昭和38年ですから,それから15年経た53年度に老人保健医療総合開発事業の中で,在宅の老人看護,家庭看護訪問指導が挙げられています。いろんな所で在宅老人のケアのニードが高まっていますが,都市では40年の半ば過ぎから訪問看護活動がぼつぼつ目につき始め,関東地方ですと東村山や横浜が先駆して行政の中で活動に取り組んできて,東京もそれに追いついていろいろやってきましたけれども,今年度から北区で始めようとしているねたきり老人の訪問看護事業は,東京郡の中では遅いグループだけに,ビジョンを持って,今までの保健婦活動との関連の中で発展的にこれに取り組んでいこうという意見が強かったわけです。そこでこの際今後のねたきり老人訪問看護事業のあり方の根底を考えて取り組んでいこうということになって,保健婦雑誌の誌上をお借りして,すでに始めていらっしゃる横浜だとか石神井の保健婦の方達や東京都老人総合研究所の鎌田さんといろいろ意見を交換する中で,保健婦とねたきり老人訪問看護事業の方向性や課題をさぐってみたいと思います。

グラフ 今月のテーマ 疲労と睡眠

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夏は暑いだけでも疲労ぎみなのに さらに睡眠不足になりやすいという悪条件が重なるので 眠りの処方箋は重要だ

発言席

理論と実践の統一を 宮原 伸二
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 プライマリ—ケアーの一端をにない,地域住民の健康保持・増進に活躍する保健婦への,住民の期待は大きい。とくに,私たちのように予防医学に力を入れている医師としては,保健婦の活動いかんにより運動の流れが大幅にかわるので,保健婦にかける期待は大きく,また,連携をはかり仕事にあたらねばと思っている。

 予防注射や乳幼児検診,成人病検診の手助けをすることや,集団で指導を行うことは,保健婦活動のほんの一部である。柱は,何といっても地域を歩いて歩いて歩きまわることである。

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 健康教育は,今後どのように変わっていくかということを,述べてみたいと思います。

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はじめに

 母子保健は人生の起点にあり,人の一生の健康問題を左右する重要な事柄である。したがって,母子保健対策の充実は,保健,医療,福祉などにとってもっとも基本的な対応であり,まさにプライマリー—ヘルス—ケア(PHC)1〜7)の代表的な対象領域の1つといえる。

 今回,母子保健の一領域である障害児問題を,PHCの事例として選んだのは,次の観点からである。

連載 保健婦の訪問機能・3

家族への接近技術 小野 光子
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はじめに

 保健婦の訪問活動の対象は家族であると一口にいわれているが,実際の場面で家族を全体的にとらえることは難しい。

 今までの訪問活動は結核,乳幼児,成人等であり,本人と本人に一番近い人のみに面接しておれば,比較的事足りることが多かった。しかし,最近関心の高まった精神病や心身障害者や老人等の援助においては,家族全体で問題に関与しており,それゆえ家族的取組が必要となっている。

連載 家庭看護技術の実践・9

病衣の着せ換え方 氏家 幸子
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 患者に適する衣類の選び方につづいて,自分で病衣を着換えられなかったり,介助をする必要のある患者への病衣の着せ換え方について,次に述べたい。

連載 ラウンドテーブル

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 最近,年をとったせいか,立場とか,ワクといった状況について,一応気にしてみることが多くなった。少し前までは,先輩たちが今の私のような気持を何かの話の中で具体的に表現しようものなら,たらまち血が逆流してしまい,揚句の果ては,自分の精神衛生を極度に悪化させるにすぎなかった。おそろしく空虚な気分になり,しばらくは口をきくのも嫌になったり,心の中でありったけののしったりして自分をなぐさめたものだった。それが今はどうだろう。ある意味では,大変なさけないことに,"そういう立場もあるだろうさ……"と割りきってしまうのだ。これは,生き抜くための技術として,いつの間にか身についた,きわめてずるい処世術かもしれない。すなわち,"妥協"という名の逃げ道をあまりにも安易に通りすぎるようになったのだ。5月号の山崎さんのHealth by the Peopleを読み,最近の自分の状況について若干の反省をせまられた。が一方今の私の状況は,たしかに私の十余年のつみ重ねから変化してきたものでもある。

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 従来,身体的疾病の部分症状として言語発達障害があらわれている症例は医学的治療の対象とされ,育児環境起因性のそれは心理療法により援助されてきた。しかし,心理療法をおこなう社会資源はいまだ乏しく,需要症例の一部が援助を受けていたにすぎない。

 一方,地域における保健活動の場では,1〜2歳児の養育者からの言語問題に関する相談は多い。すなわち,2歳児の健康相談項目のうち,言語発達の遅れは頻度が高く1),この10数年の間,発生頻度が増加傾向にある2)。また一方,言語発達障害は児の情緒および社会性の発達の阻害因子となる。したがって,言語発達障害の発見が早期であり,二次的障害を招かない間に治療が開始されていることが望ましい。このような意味から地域保健担当者がこの保健要請に対応しなければならない必要性が高まってきている。

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1.はじめに

 かつて秦野保健所では,昭和48年の"老人の保健衛生,生活環境に関する実態調査"をはじめとして,昭和49年には"家庭における老人の看護に関する調査"を行い,老人の実態を探り,調査の結果を基に,ねたきり老人や有病老人の訪問及び老人への衛生教育と活動を進めてきた。更に,昭和51年には,ねたきり老人を介護している人がどのような意識を持ら,その介護状況はどうなのかを把握し,今後,保健婦としてねたきり老人を持つ家族に,どのような役割を担ったらよいか,その方向を見い出すため"在宅ねたきり老人介護者の意識調査について"報告してきた。

 今回は,保健婦の訪問を,在宅ねたきり老人及び家族は,どのように受け止め,評価しているのか,保健婦が担ったものは何かに焦点を当て,本調査を実施した。

基本情報

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保健婦雑誌
35巻8号 (1979年8月)
電子版ISSN:2185-4041 印刷版ISSN:0047-1844 医学書院

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