特集 今を読み解くキーワード集
(B)活動技術
セルフヘルプ・グループ
守田 孝恵
1
1国立公衆衛生院公衆衛生看護学部
pp.1014-1015
発行日 2000年11月25日
Published Date 2000/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902310
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定義・語義
セルフヘルプ・グループは,1960年代から欧米において,社会的なスティグマを持つ人々が自らの問題を自らの手で解決するために,仲間集団を形成してきたことに由来するものである。現在活動している主なセルフヘルプ・グループには,歴史の古いものとして障害児の親の会やAA(アルコール依存者匿名協会)などがあるが,この他,慢性疾患の患者会や家族会,肥満予防の会といった集団など,その活動領域は,多岐にわたっている。
これらの多彩な内容を有するセルフヘルプ・グループについては,これまでにも,さまざまな定義が示されている。カッツ(Kats AH)とベンダー(Ben-der EI)の定義では,「セルフ・ヘルプ・グループは,自発的に結成された相互援助と特定の目的の達成をねらった小グループである」とし,「精神的支えばかりでなく,物質的な援助もなされることが多く,個人的同一性を高めるような価値観なりイデオロギーを啓発・普及しようとしている」と述べている1)。このほか,レヴィ(Levy LH)の定義も有名である2)。
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