特集 新生児マススクリーニングのこれまでとこれから
Ⅱ.新生児マススクリーニングの対象疾患
有機酸代謝異常症
市野井 那津子
1
1東北大学病院小児科
キーワード:
プロピオン酸血症
,
メチルマロン酸血症
,
カルグルミン酸
,
C3
,
C5-OH
Keyword:
プロピオン酸血症
,
メチルマロン酸血症
,
カルグルミン酸
,
C3
,
C5-OH
pp.441-448
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001515
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SUMMARY
▷有機酸代謝異常症の重症例は,新生児マススクリーニング結果判明前に,哺乳不良,嗜眠,意識障害やけいれんなどの非特異的な症状で発症する.
▷急性発症が疑われる場合,異化亢進の抑制とタンパク摂取制限,高アンモニア血症治療薬で速やかに治療を開始し,確定診断のための検査を並行して行う.
▷急性期や慢性期の治療を行ってもなお,精神発達遅滞を含む合併症や臓器障害は防ぎえないものもあり,根本的治療の確立が望まれる.
▷疾患の病態を把握し,個々の患者の重症度を見極めたうえで,必要な治療や医学的管理を選択する.

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