Japanese
English
症例報告
必須アミノ酸欠乏によると考えられる腸性肢端皮膚炎様皮疹を生じたメチルマロン酸血症の1例
A case of methylmalonic academia with acrodermatitis enteropathica-like eruption due to essential amino acids deficiency
鉄谷 真由
1
,
石上 剛史
1
,
村尾 和俊
1
,
久保 宜明
1
,
小谷 裕美子
2
,
高野 浩章
3
Mayu TETSUTANI
1
,
Takeshi ISHIGAMI
1
,
Kazutoshi MURAO
1
,
Yoshiaki KUBO
1
,
Yumiko KOTANI
2
,
Hiroaki KOHNO
3
1徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部皮膚科学分野
2徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部小児科学分野
3高知医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, Institute of Health Biosciences, The University of Tokushima Graduate School, Tokushima, Japan
2Department of Pediatrics, Institute of Health Biosciences, The University of Tokushima Graduate School, Tokushima, Japan
3Division of Dermatology, Kochi Health Sciences Center, Kochi, Japan
キーワード:
メチルマロン酸血症
,
腸性肢端皮膚炎様皮疹
,
必須アミノ酸欠乏
Keyword:
メチルマロン酸血症
,
腸性肢端皮膚炎様皮疹
,
必須アミノ酸欠乏
pp.525-529
発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104051
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要約 11歳,女児.生後まもなくメチルマロン酸血症と診断され,アミノ酸制限食(S-22®)を主とした食事療法を受けていた.2009年9月,発熱,食欲低下,筋力低下,嘔吐下痢を生じ当院小児科に入院した.重度の代謝性アシドーシスを認めたためメチルマロン酸血症の悪化と考え,絶食のうえ点滴とアシドーシスの補正を行ったが,1週間後に口囲,眼囲,外陰部,前腕,下腿に鱗屑痂皮を伴う紅斑,びらんを生じた.当科紹介時の血液検査で亜鉛,ビオチン濃度は正常であったが,イソロイシン6.6nmol/ml(基準値:37.0~100.4)を含む必須アミノ酸値が低下しており,必須アミノ酸欠乏によって生じた腸性肢端皮膚炎様皮疹と診断した.S-22®を中心とした食事療法を再開後,皮疹は急速に改善した.メチルマロン酸血症などの先天性有機酸代謝異常症ではアミノ酸の摂取を制限する必要がある.しかし,過度の制限により必須アミノ酸が欠乏し,腸性肢端皮膚炎様皮疹を生じることがあり注意を要する.
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