特集 新生児マススクリーニングのこれまでとこれから
Ⅱ.新生児マススクリーニングの対象疾患
脂肪酸代謝異常症
松井 美樹
1
,
小林 弘典
2
1兵庫医科大学小児科学
2島根大学医学部附属病院検査部
キーワード:
脂肪酸代謝異常症
,
血清アシルカルニチン分析
,
シックデイ管理
,
新生児マススクリーニング
Keyword:
脂肪酸代謝異常症
,
血清アシルカルニチン分析
,
シックデイ管理
,
新生児マススクリーニング
pp.433-439
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001513
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
SUMMARY
▷脂肪酸代謝異常症は,脂肪酸をエネルギー源とする経路の異常による疾患群であり,エネルギー需給バランスが崩れる際に症状が顕在化する.
▷臨床像は類似しており,低血糖や横紋筋融解症などの骨格筋症状を呈することが多い.
▷新生児マススクリーニングを契機とした診断が中心だが,すり抜け例もあるため,新生児マススクリーニングを受けていても臨床的な疑いをもつことが重要である.
▷精密検査では血清アシルカルニチン分析が重要で,遺伝子解析や酵素活性測定が確定診断に用いられる.
▷慢性期の管理では,適切な食事間隔の遵守やシックデイ管理が鍵であり,患者家族や医療機関同士・内でのリスク感の共有が重要.

Copyright © 2025, SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.