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内容のポイント Q&A
Q1 What? 脊髄性筋萎縮症における新しい治療は?
近年,進行性の神経筋疾患である脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy;SMA)に対して遺伝子を標的とした3つの治療薬(疾患修飾薬)が上市された.これらの薬剤は早期治療で高い有効性が示されているため,発症前治療を可能にする新生児スクリーニングの実施が広がっている.
Q2 Who? 新しい治療を受けている子どもにはどのような特徴があるのか?
疾患修飾薬によってほぼ全例で筋力は増強し,運動機能は向上する.従来は生涯座位獲得ができずに人工呼吸器なしでは死亡していたSMA患者でも,早期治療によって呼吸管理なしで生存し歩行可能になっている.一方で,新生児スクリーニングで発症前治療を行っても経過中に運動発達遅滞を呈し,重症度に合わせたリハビリテーション(以下,リハ)介入を要する患者も存在する.
Q3 When? Where? いつから,いつまで治療を実施すのが適切か(時間と場所)
治療を受けたSMA患者の長期的な情報は不足している状況であり,すべての患者で治療後から成人に至るまで継続的な定期評価が求められる.経過中に症状を呈する患者には疾患修飾薬の効果を最大限引き出すためのリハを含めた医療介入が継続的に必要である.リハ施設内でのリハのみでなく,日常(家庭)での疾患理解をもった姿勢管理,ホームトレーニングの継続的な実施も肝要である.
Q4 How?どのように評価し,リハビリテーション診療を行うべきなのか?
現在,明確なリハ指針はない.治療開始前からSMA運動機能評価指標(CHOP-INTEND,HFMSE等)を用いて定期的に運動発達を評価する.症状(運動発達の遅れ,関節拘縮等)が出現すれば,個々の状態を評価し,個別のリハメニューを立案することが大切である.重症例では早期に脊柱側弯症を呈するリスクが高いため,姿勢管理を十分に行ったうえで運動機能の向上を目的とした積極的なリハ介入が診断直後から求められる.

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