特集 日常診療で見落としたくない神経疾患
Ⅱ 新たな診断・治療が可能となった疾患
8.脊髄性筋萎縮症
水野 朋子
1
1東京医科歯科大学小児科
キーワード:
脊髄性筋萎縮症
,
SMN1遺伝子
,
フロッピーインファント
,
早期治療
,
新生児マススクリーニング
Keyword:
脊髄性筋萎縮症
,
SMN1遺伝子
,
フロッピーインファント
,
早期治療
,
新生児マススクリーニング
pp.1012-1018
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002721
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脊髄性筋萎縮症は,脊髄前角の運動神経細胞の変性によって,進行性に筋萎縮,筋力低下を呈する疾患である.常染色体潜性遺伝形式で,95%がSMN1遺伝子の両アレルの欠失により発症する.重症度により0型からⅣ型に分類されるが,最多を占めるⅠ型は,自然歴では生後6か月までに発症し,生涯座位は未獲得で,早期に呼吸不全を呈し人工呼吸管理が必要となる.最近治療薬が相次いで承認され,運動予後の改善が報告されている.とくに早期治療を行った場合の有効性は高いため,日常診療で見逃さないことが大切である.一部の地域では新生児マススクリーニングが開始されているが,患者の5%では偽陰性となるため注意が必要である.
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