特集 小児医療における診断・治療の進歩2018
Ⅱ.治療技術
32.脊髄性筋萎縮症に対する核酸医薬品
齋藤 加代子
1,2
1東京女子医科大学臨床ゲノムセンター
2東京女子医科大学遺伝子医療センターゲノム診療科
キーワード:
脊髄性筋萎縮症
,
SMN遺伝子
,
核酸医薬品
,
髄腔内投与
,
早期診断
Keyword:
脊髄性筋萎縮症
,
SMN遺伝子
,
核酸医薬品
,
髄腔内投与
,
早期診断
pp.1845-1850
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000684
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
2017年7月,乳児型の脊髄性筋萎縮症(SMA)患者に対する核酸医薬品ヌシネルセンナトリウム(スピンラザ®髄注12mg)が製造販売承認を取得した.これは,「治らない疾患」としてのSMAを「治る」,さらに「発症を予防する」可能性まで示し,大きなbreak throughといえる.SMAの新規治療は,核酸医薬品の髄腔内投与,低分子医薬品の経口投与,そしてウイルスベクターを用いた遺伝子静脈内投与という発展過程を取っている.いずれも国際共同治験として,本邦は欧米と共同歩調を取り,有効性と安全性の評価に貢献してきた.診療現場では,症状の進行停止のみならず,発症予防まで見据えて,SMAの遺伝学的検査による早期診断・早期治療介入が重要になってきた.
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.