Japanese
English
特集 小児のリハビリテーション
脊髄性筋萎縮症
Rehabilitation of Patients with Spinal Muscular Atrophy.
里宇 明元
1
Meigen Liu
1
1埼玉県総合リハビリテーションセンター
1Department of Rehabilitation Medicine, Saitama Prefecture General Rehabilitation Center
キーワード:
脊髄性筋萎縮症
,
遺伝子診断
,
自然歴
,
脊柱変形
,
呼吸管理
Keyword:
脊髄性筋萎縮症
,
遺伝子診断
,
自然歴
,
脊柱変形
,
呼吸管理
pp.431-441
発行日 1999年5月10日
Published Date 1999/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108968
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はじめに
脊髄性筋萎縮症(Spinal Muscular Atrophy;SMA)は,脊髄前角細胞と脳神経運動核の変性・脱落を主病変とする通常常染色体劣性の疾患で,下肢近位筋優位の筋力低下,深部反射減弱,線維束性攣縮,脊柱変形,呼吸不全などを特徴とする1),罹患率は出生1万につき1程度と頻度の高い小児神経筋疾患の一つである2).出生直後より発症し,早期に死に至る急性Werdnig-Hoffman(WH)病から,進行が緩徐なKugelberg-Wellander(KW)病まで,その臨床像は多彩で,疾患単位の同一性について論議が続いていた.
1990年,すべての型が5番染色体長腕5q11.2-13.3に連鎖することが証明され,1995年には候補遺伝子としてsurvival motor neuron(SMN)遺伝子とneuronal apoptosis inhibitoy protein(NAIP)遺伝子が同定された3).発症年齢と到達機能に基づく病型分類も提唱され(表1)4,5),遺伝型と表現型との関係が精力的に研究されている.本稿ではSMAの自然歴とリハビリテーションのポイントを解説する.
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