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連載 医師の働き方改革――取り組みの現状と課題・Vol.5
医師の働き方改革における宿日直許可取得の意味とは
The significance of obtaining approval for in-hospital on-call duties under physicians’ work style reforms
髙橋 慶子
1
,
平本 照雄
1
,
山岡 邦宏
1
Keiko TAKAHASHI
1
,
Teruo HIRAMOTO
1
,
Kunihiro YAMAOKA
1
1北里大学病院
キーワード:
医師の働き方改革
,
宿日直許可
,
長時間労働
Keyword:
医師の働き方改革
,
宿日直許可
,
長時間労働
pp.254-259
発行日 2025年10月18日
Published Date 2025/10/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295030254
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SUMMARY
日本の医療は,長年にわたり医師の長時間労働によって支えられてきたが,若手医師の不幸な転機が社会問題となり「医師の働き方改革関連法」が導入された.諸外国と比較して日本の医師数は少なく,交代制勤務の導入が困難であるため,医師の負担軽減が課題となっている.その対策のひとつが「宿日直許可」であり,特定の条件下で夜間・休日勤務を労働時間から除外できる制度である.厚生労働省はこの許可取得を推進し,医師の超過勤務削減を目指しているが,制度の運用には厳格な審査が必要であり,許可の乱用には注意が必要とされる.宿日直許可は付け焼き刃的対応であるため医師の負担は根本的に解決されず,タスクシフト,主治医制の見直し,ICT活用,地域連携の強化など,病院のみならず,医療界,社会全体の医療に対する考え方を含めて改革が不可欠である.医師の労働時間を本質的に削減する取り組みが進んではじめて宿日直許可が有効に機能すると考えられる.

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