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連載 医師の働き方改革――取り組みの現状と課題・Vol.2
医師の働き方改革前後の取り組み
-――勤務環境改善のピットフォール
Initiatives before and after the physician workstyle reform:Pitfalls of improving the working environment
小島 博己
1,2
Hiromi KOJIMA
1,2
1東京慈恵会医科大学附属病院院長
2同大学耳鼻咽喉科学講座教授
キーワード:
医師の働き方改革
,
少子高齢化
,
タスク・シフト/シェア
Keyword:
医師の働き方改革
,
少子高齢化
,
タスク・シフト/シェア
pp.1195-1200
発行日 2025年9月20日
Published Date 2025/9/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294121195
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SUMMARY
医師の働き方改革が施行開始となった2024年4月から1年が経過した.本稿では改革前後の取り組みとピットフォールについて述べる.改革のための主な取り組みとして,勤務時間管理,タスク・シフト/シェア,ICTの活用等があげられる.これらを進めていくうえで,勤務時間の制限が医療体制へ及ぼす影響や,教育機会や研究時間の減少,業務濃縮による負担増などが懸念されている.また,タスク・シフト/シェアやICT活用を行ううえでは,費用面と連携スタッフの負担増についても考える必要がある.実際に,大学病院を対象とした調査では,研究時間を確保できない助教の割合が増加していることが示された.改革は始まったばかりであり,生じている課題と真摯に向き合いながら将来を見据えて,実現可能な方策を検討していくことが重要である.

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