Japanese
English
連載 医療システムの質・効率・公正――医療経済学の新たな展開・Vol.17
医師の働き方改革における追加的健康確保措置
Physician’s workstyle reform in Japan
和田 裕雄
1
,
植田 結人
1
,
谷川 武
1
Hiroo WADA
1
,
Yuito UEDA
1
,
Takeshi TANIGAWA
1
1順天堂大学大学院医学研究科公衆衛生学講座
キーワード:
医師の働き方改革
,
長時間労働
,
睡眠
Keyword:
医師の働き方改革
,
長時間労働
,
睡眠
pp.596-600
発行日 2023年11月25日
Published Date 2023/11/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28708596
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Summary
現在,多くの医師が長時間にわたる時間外・休日労働に従事しているが,2021年に成立した改正医療法では,時間外・休日労働時間の上限規制が設定され,並行して,「長時間労働の医師への健康確保措置に関するマニュアル」が作成された.本マニュアルは,医師の健康を守るためには,長時間労働の改善と同時に,「良質かつ量的に十分な睡眠の確保が重要である」との考えに基づいて作成された.本マニュアルには,追加的健康確保措置として,面接指導ならびに長時間労働の医師の慢性睡眠不足・疲労の評価手法が記載されている.特に慢性睡眠不足に関しては主観的評価手法だけでなく,客観的評価手法も提案されている.また,面接指導の際に可能な就業上の措置,代償休息の付与,職場環境の改善等にも言及されている.さらに,睡眠に関連する心理学的健康指標として,バーンアウトやワーク・エンゲイジメントが紹介されている.医師の働き方改革により,患者の転帰,安全のみならず,医師の健康,ひいては持続可能な医療の推進が期待される.
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