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第1土曜特集 MASLD/MASH――研究と診療の最新情報
病態
MASLD/MASHにおける腸肝相関および腸内細菌叢の役割
Role of gut-liver axis and microbiota in MASLD
鍛治 孝祐
1
,
吉治 仁志
1
Kosuke KAJI
1
,
Hitoshi YOSHIJI
1
1奈良県立医科大学医学部消化器・代謝内科
キーワード:
MASLD
,
腸内細菌
,
腸肝相関
,
エンドトキシン
,
腸内代謝産物
Keyword:
MASLD
,
腸内細菌
,
腸肝相関
,
エンドトキシン
,
腸内代謝産物
pp.379-384
発行日 2024年5月4日
Published Date 2024/5/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28905379
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Metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease(MASLD)の病態進展には腸肝相関(gut-liver axis)とよばれる臓器間ネットワークが重要な役割を果たしている.MASLDでは,腸内細菌叢のインバランス(dysbiosis),小腸内細菌異常増殖(SIBO),フルクトース摂取などにより,腸管バリア機能が破綻している.その結果,エンドトキシンをはじめとする腸管由来の病原体関連分子パターン(PAMPs),腸内代謝産物の肝臓への流入が増加し,クッパー細胞でのTLR4/NF-κBシグナルを介して,炎症,線維化の増悪に強く影響していることが明らかとなっている.近年のゲノム解析,オミクス解析技術の進歩に伴い,腸内細菌叢解析が発展を遂げ,MASLDの病態解析・診断への応用が進められている.また,dysbiosisや腸管バリア機能の制御を介したMASLDの新規治療法確立への展開も期待されている.
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