特集 脂肪肝の新概念:MASLD
4.MASHの病態(4)MASLDと酸化ストレス
小田 耕平
1
1鹿児島大学病院肝疾患相談センター
キーワード:
MASLD
,
MASH
,
SLD
,
酸化ストレス
Keyword:
MASLD
,
MASH
,
SLD
,
酸化ストレス
pp.773-778
発行日 2024年6月20日
Published Date 2024/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003079
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ウイルス性肝炎(B型肝炎,C型肝炎)に対する治療が大きく進歩したことが肝疾患診療に与えたインパクトは大きく,肝硬変や肝癌のおもな成因もウイルス性肝炎から非ウイルス性肝炎(非B非C)へと変遷している.非ウイルス性肝炎の多くは,生活習慣(飲酒,過栄養,運動不足)に起因するものであり,脂肪性肝疾患(SLD)が多くを占める.代謝異常に関連するSLDの新たな疾患概念としてMASLDが提唱されたが,MASLDは全身疾患であり,その病態進展に関わる因子の一つとして酸化ストレスが挙げられる.酸化ストレスはMASLDの肝合併症の進行において重要であるとともに,MASLDの生命予後に大きく関わる心・脳血管疾患や糖尿病,腎臓病とも深く関連する.MASLD患者の生命予後改善には酸化ストレスに着目した検査や治療介入が有効である可能性が期待される.
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