特集 今知っておきたいゲノム医療と遺伝子治療―基礎から臨床まで
各論
遺伝子治療 先天代謝異常症
小林 博司
1
KOBAYASHI Hiroshi
1
1東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 遺伝子治療研究部
pp.343-348
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000069
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はじめに
先天代謝異常症は遺伝子の変異が原因で,酵素や補酵素,膜輸送蛋白などの機能が低下し,基質の蓄積やエネルギーの不足が起こって細胞臓器の機能不全にいたる疾患群である。遺伝子治療の対象として研究開発が比較的進んでいる分野であり,その理由として ① 基本的に単一遺伝子変異が原因であること,② 酵素補充療法・基質合成抑制薬・シャペロン療法などほかの根治療法の研究開発が進んでいること,③ ライソゾーム病でのcross correctionなどの機構が治療に有利に働くこと,などが挙げられる。
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