カラーグラフ 遺伝講座・3
先天代謝異常症の遺伝相談
鈴森 薫
1
1名古屋市立大学医学部産婦人科
pp.1065-1067
発行日 1994年9月10日
Published Date 1994/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901865
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先天代謝異常症の概念
先天代謝異常症とは,ある特定の遺伝子の支配下にあるタンパク質が物質の代謝にかかわる酵素である場合に、変異遺伝子のために生成された酵素が異常で活性を失っていたり低下をきたしており,その酵素が触媒する反応がブロックされて病気となるものである(図1).この際.酵素障害によってその前駆物質(B)が有害で体内に蓄積されて発症する場合と,代謝産物(C)が有用でその産生低下による障害が細胞や器官の機能不全を引き起こし疾病の原因となる.前者の典型例には,フェニルケトン尿症,ガラクトース血症,糖原病などの多彩な疾患があげられる.また,後者には,副腎皮質ホルモン合成障害などが代表的である.
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