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特集 腎疾患の診断と治療 最前線
V.各論4:血管系疾患における腎病変(診断と治療)
9.血液凝固異常に伴う腎障害(HUS,TTP,DIC)
Renal disorders associated with coagulation abnormalities(HUS, TTP, DIC)
田中 一樹
1
Tanaka Kazuki
1
1あいち小児保健医療総合センター腎臓科
キーワード:
HUS
,
TTP
,
DIC
,
敗血症
Keyword:
HUS
,
TTP
,
DIC
,
敗血症
pp.387-392
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001635
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1 はじめに
溶血性尿毒症症候群(hemolytic uremic syndrome:HUS),血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura:TTP),播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation:DIC)における腎障害はいずれも血栓性臓器障害である。しかしHUSとTTPは血小板血栓が主体である血栓性微小血管障害症(thrombotic microangiopathy:TMA)であるのに対し,DICの血栓はフィブリンを主体としたものである。TMAとDICはともに血小板減少と臓器障害を呈し,DICでもTMAでみられる溶血が軽度認められる症例も存在するため,臨床的に鑑別することは困難である。TMAもDICも早期治療が生命・腎機能予後を左右するため,各種検査を行い鑑別,治療を進めながら確定診断に至るまではほかのTMAやDICの可能性を並列で考えていく。また治療反応性をみながら繰り返し判断する姿勢が重要である(図)1)。
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