Japanese
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特集 多臓器不全と急性腎障害(AKI)
【各論】
臓器障害とAKI TMA
Thrombotic microangiopathy and acute kidney injury
渡辺 裕輔
1,2
,
岡田 浩一
1
WATANABE Yusuke
1,2
,
OKADA Hirokazu
1
1埼玉医科大学病院 腎臓内科
2埼玉医科大学国際医療センター 血液浄化部・腎臓内科
キーワード:
TMA
,
TTP
,
HUS
,
aHUS
Keyword:
TMA
,
TTP
,
HUS
,
aHUS
pp.90-95
発行日 2022年7月25日
Published Date 2022/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000237
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はじめに
血栓性微小血管症(thrombotic microangiopathy:TMA)とは,全身の微小血管に血小板を中心とした血栓が形成され,消費性血小板減少と微小血管症性溶血性貧血,急性腎障害(AKI)などの臓器機能障害を合併する疾患群である。その原因は多岐にわたるが,血管内皮細胞障害が主な病態である。TMAに含まれる代表的な疾患として,血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura:TTP)と溶血性尿毒症症候群(hemolytic uremic syndrome:HUS)がある。TTPは古典的な5徴候(血小板減少,溶血性貧血,腎機能障害,発熱,精神神経症状),HUSはGasserの3徴候(血小板減少,溶血性貧血,急性腎不全)が知られていたが,近年病態の解明が進み,疾患概念が大きく変化している。表11)に現在考えられているTMAの病因による分類を示し,図1)にTMAの鑑別診断と治療の概要を示す。
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