Japanese
English
特集 病因・病態生理から読み解く腎・泌尿器疾患のすべて
Ⅲ.尿細管・間質性・囊胞性疾患
8.常染色体顕性(優性)尿細管間質性腎疾患(ADTKD)
Autosomal dominant tubulointerstitial kidney disease(ADTKD)
森 崇寧
1
Mori Takayasu
1
1東京医科歯科大学腎臓内科
キーワード:
ADTKD
,
高尿酸
,
NPHP
,
ネフロン癆
Keyword:
ADTKD
,
高尿酸
,
NPHP
,
ネフロン癆
pp.133-138
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001012
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
1 病因・病態
疾患概要
常染色体顕性(優性)尿細管間質性腎疾患(autosomal dominant tubulointerstitial kidney disease:ADTKD)は顕性遺伝形式をとり尿細管間質障害を主体とする進行性の腎機能障害を呈する症候群であり,慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の原因の1つとして認識されつつある。近年の遺伝子解析技術の進歩から従来,髄質囊胞性腎疾患(medullary cystic kidney disease:MCKD)や家族性若年性高尿酸血症性腎症(familial juvenile hyperuricemic nephropathy:FJHN)と呼ばれていた疾患群の原因遺伝子が明らかにされ,原因遺伝子ごとの再分類を目的として2015年のKDIGO (Kidney Disease:Improving Global Outcomes) consensus report1)により新たにADTKDとして提唱された。ADTKDの原因遺伝子としてUMOD,MUC1,HNF1Bなどが報告され,稀にREN,SEC61A1やDNAJB11変異症例が存在する。原因遺伝子に応じてそれぞれADTKD-UMOD,ADTKD-MUC1などとよばれる。ADTKDの原因遺伝子群はすべて尿細管上皮細胞に発現があり,変異蛋白の細胞内蓄積が小胞体ストレスなど惹起し,病態に関与すると想定されている。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.