Japanese
English
特集 Onco-nephrology:悪性腫瘍治療と腎機能障害
【トピックス】
がん治療と腎性貧血治療
Malignancy and treatment of renal anemia
濱野 高行
1
HAMANO Takayuki
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科 腎臓内科
キーワード:
がん既往
,
担がん患者
,
ESA
,
HIF-PH阻害薬
Keyword:
がん既往
,
担がん患者
,
ESA
,
HIF-PH阻害薬
pp.635-639
発行日 2022年3月25日
Published Date 2022/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000123
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
高齢が慢性腎臓病(CKD)の原因であることは論を俟たない。日本は国際的にみても,超高齢社会に突入した。このような時代においてCKD診療にかかわっていると,そのほとんどが高齢患者である。そのため,がんの既往患者,いわゆるがんサバイバーのCKDや担がん患者のCKDを診ることは全く稀ではない。担がん患者では各種サイトカインの影響で鉄の囲い込みが起こり,トランスフェリン飽和度(TSAT)は低いがフェリチンは上昇している患者が多い。また,がん患者でなかったCKD患者が外来フォロー中にがんに罹患することもある。そのがんの発生に気づくのは,フェリチンの上昇によることも多い。これは無効造血に特徴のある骨髄異形成症候群(MDS)においても同様である。これらについては,フェリチン自体が昔は腫瘍マーカーであったことを考えれば,納得がいくだろう。その意味でも,腎性貧血の管理のうえで,TSATだけでなくフェリチンを同時に測定する意義は大きい。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.