特集 腎性貧血治療の課題と対策―HIF-PH阻害薬,ESA,鉄剤をめぐって
11.腎性貧血治療時の静注鉄剤 vs. 経口鉄剤
加藤 正典
1
,
緒方 浩顕
1
1昭和大学横浜市北部病院内科
キーワード:
腎性貧血
,
鉄欠乏
,
経口鉄剤
,
静注鉄剤
,
ESA
Keyword:
腎性貧血
,
鉄欠乏
,
経口鉄剤
,
静注鉄剤
,
ESA
pp.179-186
発行日 2022年2月10日
Published Date 2022/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002042
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腎性貧血では絶対的,機能的鉄欠乏が高頻度にみられる.鉄欠乏はESA(erythropoiesis stimulating agent)低反応性の原因ばかりでなく,貧血とは独立した予後悪化因子であることが明らかにされている.そのために積極的な鉄剤による補充が重要であるが,以前より日本ではエビデンスが明確でないにもかかわらず鉄補充には消極的であり,鉄欠乏の慢性腎臓病患者が多いのが現状である.現在,欧米ではESAより鉄剤がまず腎性貧血治療に使用される.最近のランダム化比較研究では積極的な鉄補充が血液透析患者において,生命予後,心血管イベントを改善したことが明らかにされている.本稿では,日本で臨床応用されている経口・静注鉄剤について解説する.
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