発行日 2013年10月10日
Published Date 2013/10/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014062648
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症例は60歳代男性で、3ヵ月前に右鼠径ヘルニア嵌頓に起因する閉塞性腸炎による穿孔で、結腸右半切除・人工肛門造設が行われたが、腎前性と思われる急性腎障害(AKI)が生じ、一時血清クレアチニンの高値を認めるも退院時に回復した。また、HbA1c:8.0%のためインスリン治療が導入された。今回、嘔吐の繰り返しで受診し、イレウス疑いで入院となった。腹部膨満、脱水徴候が認められた。CTで胃、小腸の著明な拡張を認め、両腎とも腸管による圧迫でサイズは縮小しており、イレウスと診断した。入院後は無尿、血清クレアチニン6.11mg/dLでAKIと診断した。輸液を行うも無尿が続き、2日目より持続式血液濾過透析(CHDF)を開始した。CTで入院前に比べ両腎の容積縮小を認め、胃管挿入で減圧を図り、翌日迄に3400mLの排液を認め、腎の圧迫は徐々に解除され、尿量も徐々に増加した。8日目に血液透析を離脱し、全身状態が改善して35日目に退院した。
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