透析患者の消化管疾患AtoZ 各論
2.全身疾患に伴う疾患 2 血管炎
鳥巣 剛弘
1
,
川崎 啓祐
1
1九州大学病院消化管内科
キーワード:
ANCA関連血管炎
,
免疫複合体性小型血管炎
Keyword:
ANCA関連血管炎
,
免疫複合体性小型血管炎
pp.955-958
発行日 2021年8月25日
Published Date 2021/8/25
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001844
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血管炎は血管壁に炎症を生じる疾患の総称で,炎症の主座がある血管のサイズごとに分類されたChapel Hill分類が現在広く用いられている.血管炎では炎症による全身症状とともに虚血や出血を伴いさまざまな臓器症状が出現する.血管炎による腎臓病変は比較的高頻度にみられる.急速進行性糸球体腎炎の病型の中では,顕微鏡的多発血管炎が20%程度と高頻度に見られ,多発血管炎性肉芽腫症やクリオグロブリン血症性血管炎も散見される.消化管病変はまれにしか出現しないが重症度と関連することが多く,難治性の消化管出血や穿孔は生命予後と密接に関与する.本稿では血管炎の消化管病変をANCA(anti―neutrophil cytoplasmic antibody)関連血管炎と免疫複合体性小型血管炎を中心に概説する.
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