Japanese
English
症例
ANCA関連血管炎を合併した全身性強皮症の1例
Systemic Sclerosis Associated with ANCA-associated Vasculitis
辻 礼子
1
,
植田 郁子
1
,
尾崎 吉郎
2
,
岡本 祐之
1
Reiko TSUJI
1
,
Ikuko UEDA
1
,
Yoshio OZAKI
2
,
Hiroyuki OKAMOTO
1
1関西医科大学,皮膚科学講座(主任:岡本祐之教授)
2同,内科学第一講座
キーワード:
ANCA関連血管炎
,
全身性強皮症
,
抗甲状腺治療薬
,
鑑別診断
,
自己抗体
Keyword:
ANCA関連血管炎
,
全身性強皮症
,
抗甲状腺治療薬
,
鑑別診断
,
自己抗体
pp.1205-1209
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002092
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
68歳,女性。初診時に右示指先端の黒色壊死と手指に限局した皮膚硬化を認め,抗セントロメア抗体陽性で,全身性強皮症と診断した。初診の約3年後より発熱とともに両下肢のしびれ,両大腿に浸潤を触れる紅斑が出現した。病理組織では,皮下にフィブリン血栓と炎症細胞浸潤による血管腔の閉塞,血管壁と血管周囲に核破片を伴う単核球浸潤がみられた。MPO-ANCA陽性であり,抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎としてプレドニゾロン内服治療を開始し,両大腿の紅斑は速やかに消退した。全身性強皮症の治療中にANCA関連血管炎を合併した症例で,Basedow病で以前より抗甲状腺薬を内服中であったことから,薬剤が関与した可能性も考えられた。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.