特集 AYA世代の女性ヘルスケア―対応と実際―
Ⅳ.婦人科腫瘍・婦人科疾患への対策
2.子宮体がん妊孕性温存療法
山上 亘
1
,
坂井 健良
1
,
平野 卓朗
1
,
青木 大輔
1
W. Yamagami
1
,
K. Sakai
1
,
T. Hirano
1
,
D. Aoki
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.1106-1111
発行日 2022年9月30日
Published Date 2022/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002297
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子宮体がんやその前がん病変である子宮内膜異型増殖症に対する妊孕性温存療法は,高用量黄体ホルモン療法であり,適応は子宮内膜に限局した類内膜がんG1または子宮内膜異型増殖症に限られる。高用量黄体ホルモンの内服とともに,子宮内膜全面搔爬を行うことにより,自験例では91~98%の患者で病変が消失し,妊娠の機会を得ることができる一方,再発率が42~63%と標準治療に比して,明らかに高率である。治療成績の向上に向けて国内外から様々な報告がなされているが,第Ⅲ相試験を企画しにくく,エビデンスの構築が困難な領域であり,新たな治療戦略をどのように開発していくのか,検討が必要な領域である。
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