特集 不妊・不育症女性の合併症・併存疾患をどう扱う?
11.婦人科悪性腫瘍
山上 亘
1
,
上條 慎太郎
1
,
吉村 拓馬
1
,
平野 卓朗
1
,
坂井 健良
1
,
浜谷 敏生
1
,
青木 大輔
1
W. Yamagami
1
,
S. Kamijo
1
,
T. Yoshimura
1
,
T. Hirano
1
,
K. Sakai
1
,
T. Hamatani
1
,
D. Aoki
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.1645-1651
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001573
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早期子宮体癌や子宮内膜異型増殖症(AEH)に対する妊孕性温存療法の適応は,子宮に限局し,筋層浸潤を伴わないⅠA期相当の子宮体癌でかつ類内膜癌G1,またはAEHであり,高用量酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)400〜600mg/日の内服を行う。病理学的に病変消失を確認したのちは月経発来を誘導したうえで生殖専門医へ紹介し,適切な不妊治療を早急に開始することが肝要である。MPA療法後は再発リスクが高いために,積極的に生殖補助医療を実施し,早期の妊娠成立を目指すべきである。また,不妊治療中も再発の可能性に留意し,子宮内膜生検などの評価を定期的に施行しなければならない。
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