特集 排卵誘発のすべてⅡ ART編
4.ART患者卵巣刺激—PPOS黄体フィードバック法
塩谷 雅英
1
M. Shiotani
1
1医療法人社団英ウィメンズクリニック
pp.1567-1572
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001987
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PPOS法は,プロゲスチンによってLHサージを抑制しつつ,FSH/hMG製剤によって多数の卵胞発育を期待する新しい調節卵巣刺激法である。このPPOS法を実施するにあたっては,用いるプロゲスチンの種類,その投与量,そして投与開始のタイミング,さらにはトリガーの方法について考慮が必要である。プロゲスチンとして報告が多いのは,medroxyprogesterone,dydrogesterone,dlormadinone acetateの3種類である。トリガーとしては,GnRHアゴニストが使用されるが,下垂体機能低下症例では,hCGとのダブルトリガーが推奨される。卵胞期にプロゲスチンを用いるため新鮮胚移植には適していないが,全胚(卵)凍結を前提としたCOSには有用であり,PPOS法に習熟することは生殖補助医療に従事する医師には必須となることが予想される。
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