特集 小児科医に必要な止血・血栓・凝固・線溶の基礎知識
7.凝固因子の異常による出血傾向(血友病など)
長江 千愛
1
1聖マリアンナ医科大学小児科
キーワード:
混合補正試験
,
凝固因子欠乏症
,
血友病
,
定期補充療法
,
von Willebrand病
Keyword:
混合補正試験
,
凝固因子欠乏症
,
血友病
,
定期補充療法
,
von Willebrand病
pp.1652-1660
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002010
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プロトロンビン時間(PT),活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT),あるいは両系の延長により凝固因子の異常による出血傾向を疑った場合には,混合補正試験が有用である.混合補正試験は患者血漿と正常血漿を混和し,混和直後と37℃ 2時間孵置後の凝固時間を測定する.凝固時間の延長が補正される場合には凝固因子欠乏症を,補正されない場合はlupus anticoagulantあるいは凝固因子インヒビターの存在を疑う.凝固因子の異常による出血傾向で最も頻度が高い疾患は血友病であり,von Willebrand病が続く.重症血友病では定期補充療法による出血予防が標準化され,半減期延長製剤が使用可能になり,血友病Aではインヒビターの有無にかかわらず,週1回~月1回の皮下注射製剤により出血が予防できるようになり,血友病患者のQOLは明らかに改善している.
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