特集 小児科医に必要な止血・血栓・凝固・線溶の基礎知識
6.血小板の異常による出血傾向(ITP,先天性血小板減少症)
東川 正宗
1
,
國島 伸治
2
1日本赤十字社伊勢赤十字病院小児科
2岐阜医療科学大学保健科学部臨床検査学科
キーワード:
免疫性血小板減少症(ITP)
,
発症機序
,
治療
,
先天性血小板減少症
Keyword:
免疫性血小板減少症(ITP)
,
発症機序
,
治療
,
先天性血小板減少症
pp.1643-1651
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002009
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免疫性血小板減少症(ITP)は,抗原提示細胞,B細胞,T細胞などの機能異常により血小板自己抗原に対する免疫寛容が破綻した状態である.副腎皮質ステロイド,大量免疫グロブリン静注療法がファーストライン,トロンボポエチン受容体作動薬,リツキシマブ,脾摘がセカンドライン治療である.合併症の懸念から脾摘は温存される傾向にある.巨核球造血と血小板産生過程は,巨核球分化と増殖,巨核球成熟,血小板放出と成熟に大別され,さまざまな巨核球・血小板特異的転写因子,顆粒,膜蛋白,細胞骨格がかかわる.各過程の遺伝子異常により先天性血小板減少症をきたす.本稿では,ITPの病態,診断,治療と先天性血小板減少症の最近の知見について概説する.
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